digitalYEWFLO シリーズ渦流量計は、全世界で 45 万台以上の販売実績をもつ YEWFLO シリーズに、当社独自のデジタル信号処理技術 SSP(Spectral Signal Processing)*を搭載することにより、長期信頼性と耐久性に加えて、より高度な安定性・高精度を実現した渦流量計です。
流れの中に柱状物体(渦発生体)を挿入すると、その表面から境界層が剥離して後方の流れに「カルマン渦列」と呼ばれる渦が交互に発生します。この渦列の発生周波数を計測することにより流速または流量を測定します。
*:SSP は、当社独自のデジタル信号処理の略号です
digitalYEWFLO 渦流量計 標準形は、液体、気体、蒸気の流量測定が可能です。
可動部のないシンプルで堅牢な構造で、高い信頼性と耐久性を実現し、幅広いアプリケーションに対応します。
液体・気体・蒸気の流量を測定できます。
接続箇所が上流・下流の 2 か所だけのため、配管への設置が簡単です。
出力信号は周波数であり、流量ゼロの時は周波数ゼロを出力します。そのため、ゼロ点調整は不要です。
従来機では、配管振動のノイズ除去のために、条件ごとの調整が必要な場合がありましたが、digitalYEWFLO 渦流量計は SSP により耐振動性能が向上し、診断機能も搭載しました。
SSP は、渦発生体から検出した信号を周波数解析して、帯域ごとに分割し、ノイズを除去した正しい渦信号のみを透過させる最適なバンドバスフィルタを自動的に選択します。渦信号に振動ノイズが含まれていても渦信号のみを出力するため常に安定した測定ができます。
詳細は、一般仕様書をご覧ください。
形式 | ・DY 形渦流量計(インテグラル形、リモート形検出器) ・DYA 形リモート形変換器 |
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仕様 | 標準仕様 | |
測定流体 | 液体、気体、飽和蒸気、過熱蒸気(混相流や付着性流体は避けてください) | |
流体温度 | -29 ~ 250 °C | |
流体圧力 | -0.1 MPa ~ フランジ定格による | |
口径 | ウェハ | 15 ~ 100 mm |
フランジ | 15 ~ 400 mm | |
精度 | 液体 | 指示値の ± 0.75 %(レイノルズ数により異なります) |
気体・蒸気 | 指示値の ± 1.0 %(流速により異なります) | |
出力信号 | アナログ出力、トランジスタ接点出力(同時出力可能) | |
通信形 | HART 7 / HART 5、BRAIN、FOUNDATION フィールドバス | |
防爆 | TIIS Ex d、FM Ex d / Ex ia、ATEX Ex db / Ex ia、CSA Ex d / Ex ia、IECEx Ex db / Ex ia |
digitalYEWFLO 渦流量計 レデューサ形は、渦流量計本体とレデューサ(縮小管・拡大管)が鋳物一体構造になった渦流量計です。
蒸気の供給ラインを代表とする、季節により流量変動が大きいラインなどに適します。
レデューサと渦流量計が一体となっているため、レデューサと直管長確保用の短管を用意する必要がありません。
これにより、設置作業の簡易化やコスト低減を図れるだけでなく、接続箇所の削減から安全性が高まります。
渦流量計のアプリケーションの一例として、低流量域の流量測定の際にレデューサを用いることがあります。
この場合、下図に示すように、縮小管と拡大菅を接続するだけでなく、直管長を確保するための短管を上流・下流それぞれに接続する必要があります。そのため、設置作業が複雑で大変になるだけでなく、設置コストが増大します。さらに接続箇所が 6 か所あるため、流体漏れの危険性が高くなります。
digitalYEWFLO 渦流量計 レデューサ形には同心レデューサがつけられています。このため、縮小管と拡大菅だけでなく、直管長確保用の短管も不要になります。
さらに接続箇所が 2 か所に減るため流体漏れの危険性を下げられるだけでなく、据付け費用の削減に貢献できます。
測定下限値も 2 ~ 3 倍に拡大し、管径サイズの流量計で低流量を測定することができます。
これまで 2 種類のオリフィスプレートを流量変動量に合わせて替えていたラインも、digitalYEWFLO 渦流量計 レデューサ形を設置することにより、変更作業が不要になります。
年間、あるいは長期間の流量管理を要するラインには、変更作業時のライン停止の必要がなくなります。渦流量計が本来得意とする高温、高圧流体に加え、digitalYEWFLO 渦流量計ならではの SSP 機能を用いた耐振動性や自己診断機能などの、多彩な機能を利用して流量管理の品質をレベルアップさせることができます。
digitalYEWFLO 渦流量計 レデューサ形は、用途に応じた使い分けができるよう、2 つのレデューサ仕様(/R1、/R2)を取り揃えています。
フランジ配管の呼び径に対して検出部の呼び径が、/R1 は 1 サイズダウン、/R2 は 2 サイズダウンになります。
フランジ配管の呼び径と、検出部の呼び径の関係を示します。
標準形では測定が難しい低流量において、digitalYEWFLO 渦流量計 レデューサ形は安定した流量測定に貢献します。
標準形と 2 つのレデューサ仕様について、測定可能な流量範囲の一例を示します。
標準形の場合、測定可能な流量範囲は 74 ~ 1,876 kg/h であり、測定したい流量範囲が広い場合に最適です。
もし、74 kg/h 未満の低流量域を中心に流量を測定したい場合は、「レデューサ形 R2 仕様」が適します。
また、74 kg/h 未満の低流量域だけでなく、標準形と同程度に広く流量を測定したい場合は、「レデューサ形 R1 仕様」が適します。
レデューサ形は、マルチバリアブル形との組合せが可能です。
マルチバリアブル形との組合せにより、低流量域の流量に対して温度測定と温度補正が可能になります。
低流量域においても、飽和蒸気の質量流量を 1 台でダイレクトに出力できます。
レデューサ形は、高温用との組合せが可能です。
高温用との組合せにより、適用可能な流体温度の上限が、通常の 250 °C から 450 °C まで拡大されます。
低流量域においても、高温流体の流量測定が可能です。
詳細は、一般仕様書をご覧ください。
形式 | ・DY 形渦流量計(インテグラル形、リモート形検出器) ・DYA 形リモート形変換器 |
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仕様 | 付加仕様 1 サイズダウン:/R1 2 サイズダウン:/R2 |
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測定流体 | 液体、気体、飽和蒸気、過熱蒸気(混相流や付着性流体は避けてください) | |
流体温度 | -29 ~ 250 °C | |
流体圧力 | -0.1 MPa ~ フランジ定格による | |
口径 | ウェハ | なし |
フランジ | R1:25 ~ 200 mm(検出部: 15 ~ 150 mm) R2:40 ~ 200 mm(検出部: 15 ~ 100 mm) |
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精度 | 液体 | 指示値の ± 1.0 %(レイノルズ数により 異なります) |
気体・蒸気 | 指示値の ± 1.0 %(流速により異なります) | |
出力信号 | アナログ出力、トランジスタ接点出力(同時出力可能) | |
通信形 | HART 7 / HART 5、BRAIN、FOUNDATION フィールドバス | |
防爆 | TIIS Ex d、FM Ex d / Ex ia、ATEX Ex db / Ex ia、CSA Ex d / Ex ia、IECEx Ex db / Ex ia |
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形は、保護管相当の頑丈な渦発生体内に測温抵抗体(Pt1000)を内蔵した、蒸気アプリケーションに最も適した流量計です。
アナログ信号とパルス信号を同時に出力可能で、表示器に流量を表示しつつ、「温度モニター機能」として流体温度を表示することもできます。蒸気を熱媒体として利用しているラインのトータルコスト削減、省エネルギーへ貢献します。
液体温度測定用温度センサ(Pt1000, Class A 相当)を、保護管相当の強度を持つ頑丈な渦発生体に内蔵しています。
外付けの温度計が不要なため、温度計の挿入孔が無くなり、コストが改善されるだけでなく安全性も向上します。
渦発生体内に温度計を内蔵しているため、瞬時流量と流体温度を同時に表示できます。
蒸気表を用いた演算で、質量流量をダイレクトに出力します。
マルチバリアブル形は蒸気表を内蔵しているので、測定した流体温度から、自動的に飽和蒸気の質量流量の演算・出力ができます。
さらにFOUNDATION フィールドバス通信形では、AGA No.8 による天然ガスの温度補正演算、物性データベース(DIPPR)により、気体および液体の密度を補正し、質量流量を測定できます。
AR ファンクションブロックを FSA120 Flow Navigator で設定すれば、内蔵温度計または外部温度計・圧力計の信号を用いることで、一般ガス・天然ガス・液体の質量流量を高精度に出力できます。
飽和蒸気曲線は、蒸気の飽和点を表す曲線で、機器内部に保持しています。測定した流体温度と飽和蒸気曲線を基に密度を演算し、質量流量を演算しています。digitalYEWFLO 渦流量計が流体温度の変化に追従して質量流量演算ができるのは、このためです。過熱蒸気の場合は、圧力を一定として蒸気テーブルから過熱分の密度を演算しています。
積算機能を用いると、蒸気のエネルギー消費量が一定期間ごとに記録できるため、省エネルギー改善案の材料とすることができます。
マルチバリアブル形は、高温用との組合せが可能です。
高温用との組合せにより、適用可能な流体温度の上限が、通常 250 °C から最大 400 °C まで拡大されます。
より高温の流体に対して、温度測定と温度補正を加味した流量測定を実施できます。
マルチバリアブル形は、レデューサ形との組合せが可能です。
レデューサ形との組合せにより、低流量域の流量においても温度測定と温度補正が可能になります。
低流量域においても、温度測定と温度補正を加味した流量測定を実施できます。
詳細は、一般仕様書をご覧ください。
形式 | DY 形渦流量計(インテグラル形、リモート形検出器) DYA 形リモート形変換器 |
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仕様 | 付加仕様:/MV | |
測定流体 | 液体、気体、飽和蒸気、過熱蒸気(混相流や付着性流体は避けてください) | |
流体温度 | -29 ~ 250 °C | |
流体圧力 | -0.1 MPa ~ フランジ定格による | |
口径 | ウェハ | 25 ~ 100 mm |
フランジ | 25~200mm(特注仕様: 250 ~ 400 mm) | |
精度 | 液体 | 指示値の ± 0.75 %(レイノルズ数により異なります) |
気体・蒸気 | 指示値の ± 1.0 %(流速により異なります) | |
出力信号 | アナログ出力、トランジスタ接点出力(同時出力可能) | |
通信形 | HART 7 / HART 5、BRAIN、FOUNDATION フィールドバス | |
防爆 | TIIS Ex d、FM Ex d / Ex ia、ATEX Ex db / Ex ia、CSA Ex d / Ex ia、IECEx Ex db / Ex ia |
digitalYEWFLO 渦流量計 高温用は最高 450 °C まで、極低温用は最低 -196 °C まで測定可能です。
検出部の面間は、標準形と同一寸法でリプレースが簡単です。
保温・保冷がしやすいシンプルな構造です。
標準形と比べて、幅広い流体温度に対応します。
高温用は、マルチバリアブル形との組合せが可能です。
マルチバリアブルとの組合せにより、最大 400 °C まで温度測定と温度補正が可能になります。
より高温の流体に対して、温度測定と温度補正を加味した流量測定を実施できます。
高温用は、レデューサ形との組合せが可能です。
レデューサ形との組合せにより、低流量域においても最大450℃まで流量測定が可能になります。
低流量域においても高温流体の流量測定が可能です。
詳細は、一般仕様書をご覧ください。
形式 | DY 形渦流量計(リモート形検出器) | |
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仕様 | 付加仕様 高温用 :/HT 極低温用 :/LT |
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測定流体 | 液体、気体、飽和蒸気、過熱蒸気(混相流や付着性流体は避けてください) | |
流体温度 | -29 ~ 450 °C( /HT ) -196 ~ 100 °C( /LT ) |
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流体圧力 | -0.1 MPa ~ フランジ定格による | |
口径 | ウェハ | 15 ~ 100 mm |
フランジ | 15 ~ 400 mm | |
精度 | 液体 | 指示値の ± 0.75 %(レイノルズ数により異なります) |
気体・蒸気 | 指示値の ± 1.0 %(流速により異なります) | |
出力信号 | アナログ出力、トランジスタ接点出力(同時出力可能) | |
通信形 | HART 7 / HART 5、BRAIN、FOUNDATION フィールドバス | |
防爆 | TIIS Ex d、FM Ex d / Ex ia、ATEX Ex db / Ex ia、CSA Ex d / Ex ia、IECEx Ex db / Ex ia |
とある化学会社様では、原料を反応させる工程にて、面積式流量計を使用していました。
しかし、計器の老朽化と更なる生産性の向上のため、計器の更新を検討されていました。また、面積式流量計では温度補正を実施していなかったため、1 割程度の温度誤差が出ていました。そのため、計器更新の際には、温度補正をすることも合わせて検討されていました。
プロセス上、反応槽に送る空気供給量が適切に行われないと、反応の収率が極端に悪化します。
以前の面積式流量計では供給空気の温度補正は未実施だったので、季節による温度変化で空気供給量が変動し、収率に影響が出ていました。
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形をご採用頂きました。
既設の面積式流量計は 2 線式計器であったため、比較対象として検討されていた質量流量計(4 線式計器)を採用した場合、 既設の配線を活用できずに、工事費が高くなる懸念がありました。
一方、digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形は 2 線式計器のため、配線工事や配電盤工事を抑えることができ、 質量流量計に比べて 25 % 近いコスト低減を実現しました。
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形では、内蔵の温度計による補正をすることで、より正確な供給空気量の管理が実施できます。
これにより、今後の生産性向上が期待されます。
従来の蒸気測定では、質量流量を測定するために温度計や演算器などの補正用機器が必要でした。
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形をご採用頂きました。
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形は、温度計を渦発生体に内蔵しています。そのため、配管への温度計の設置は不要です。
工事を簡略化できるためコスト低減に貢献できるだけでなく、工事個所を減らせるため、プラントの安全性確保に寄与できます。
digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形の質量出力は、内部で保持している蒸気表を用いて、常時測定している温度値から演算しています。
digitalYEWFLO 渦流量計 標準形に温度計と圧力計で補正演算出力した結果と、digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形の出力が、ほぼ一致していることが確認できます。digitalYEWFLO 渦流量計 マルチバリアブル形は、リアルタイムに流体温度を測定し、温度の急激な変動にも瞬時に応答し、高精度な出力を実現します。
これまで当社渦流量計 YEWFLO シリーズの初期機種をお使い頂いておりました。
しかし、長年の配管振動の影響により、低流量測定には調整が必要でした。
digitalYEWFLO 渦流量計 標準形をご採用頂きました。
digitalYEWFLO 渦流量計 は「スペクトラル・シグナル・プロセッシング」( SSP )機能の搭載によってさらに耐振動性を向上させました。
これにより、低流量域でも優れた効果を発揮し、更なる高精度測定が可能になりました。
YEWFLO シリーズで実証済みの長期安定性に加え、高精度を保持することにより、コスト低減や省エネルギーに大きく貢献します。
振動の影響を抑え、定流量域でも安定した出力を実現しました。 digitalYEWFLO 渦流量計 標準形の導入により、お客様には「流量を高精度に把握できるようになった」と実感頂きました。 また、今後の省エネルギー計画の立案、実行に向けた大きな役割を果たすことが期待できます。
横河エレクトロニクス・マニファクチャリング・青梅事業所殿において、約 60 槽あるプリント基板のめっき槽加温と、クリーンルーム加湿のため、2 台のボイラーから蒸気を供給しています。このめっき槽は温度管理をするうえで、常時約 100 ~ 850 kg/h の流量変動があります。これまではボイラによって蒸気量を自動管理するのみでしたが、今後の省エネ対策の一環として、燃料の削減と利用効率向上のための蒸気流量の管理機種として digitalYEWFLO 渦流量計を導入いただきました。
digitalYEWFLO 渦流量計 標準形をご採用頂きました。
精度 1 % の digitalYEWFLO 渦流量計と、精度 2 ~ 5 % のオリフィス計装それぞれで蒸気測定した場合の年間損失金額を算出し、オリフィス計装に対する digitaLYEWFLO 渦流量計の「年間原料節約量」の効果を調べてみました。その結果、年間 33.5 万円を節約できることがわかりました。
digitalYEWFLO | オリフィス計装 | |
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精度 | 指示値の ± 1 % | 指示値の ± 3 %(平均) |
口径 | 40 mm | |
流量 | 850 kg/h | |
誤差による日当たり損失蒸気量 | 204 [kg/day] (= 850 [kg/h] × 0.01 × 24 [h/day]) |
612 [kg/day] (= 850 [kg/h] × 0.03 × 24 [h/day]) |
年間損失蒸気量(稼働率 90 %) | 67,014 [kg/year] (= 204 [kg/day] × 365 [days/year] × 0.9) |
201,042 [kg/year] (= 612 [kg/day] × 365 [days/year] × 0.9) |
年間損失金額(蒸気単価 2.5 [円/kg]) | 167,535 [円] (= 67,014 [kg/year] × 2.5 [円/kg] × 1 [year]) |
502,605 [円] (= 201,042 [kg/year] × 2.5 [円/kg] × 1 [year]) |
年間原料節約費(対オリフィス計装) | -335,070 [円] (=167,535 [円] - 502,605 [円]) |
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蒸気供給量の急激な変化にも追従し、常に安定した出力を実現しました。
YOKOGAWA は製品のライフサイクル全体をサポートします。
確かなセンシング技術と卓越した現場ナレッジを融合することにより、お客様とともにコトを洞察し、ライフサイクルを通して新しい価値を提供します。
購入からメンテナンス・サービスまで、ご使用のフェーズにあわせた充実の機能
Sensing Selection : - 機種選定 -
分かりやすいラインナップと豊富な規格対応により、機種選定を容易にします。
Easy Installation : - 設置・設定 -
様々な機器の設定手段により、設置・設定の工数削減に貢献します。
Rich Information : - 運転・監視 -
充実した診断情報の活用により、プロセスの運転効率の改善につなげます。
Expert Solution:- メンテナンス・サービス -
タイムリーな保守情報を提供する事により、メンテナンス費用の削減に貢献します。
当社 Web サイト上で動作する製品選定支援ツール「Product Finder」をお使いいただくことで、流量測定の目的や条件に最も適した製品を選定できます。
また、仕様選定支援ツール「PF コンフィギュレーター」をお使いいただくことで、仕様の比較やお問い合わせなどにおいて、より簡単に仕様をご確認いただけます。
近年のグローバル化の加速に伴い、多くの国際規格および各国規格への迅速な対応が求められます。digitalYEWFLO 渦流量計は、多様なアプリケーションに対応するために、各種防爆、EMC、CE マーキング、RoHS 指令などの規格だけでなく、HART や FOUNDATION フィールドバスといった通信プロトコルなどの認定を取得しています。
規格名 | 標準形 | レデューサ形 | マルチバリアブル形 | 高温用・極低温用 | |
---|---|---|---|---|---|
CE Marking | 欧州EMC指令 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
RCM Mark | オーストラリア・ニュージーランド 電気機器安全基準 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
KC Mark | 韓国電磁波適合性基準 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
規格名 | 標準形 | レデューサ形 | マルチバリアブル形 | 高温用・極低温用 | |
---|---|---|---|---|---|
TIIS | 耐圧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
IECEx | 耐圧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇(高温用のみ) |
本質安全 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ATEX | 耐圧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇(高温用のみ) |
本質安全 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
FM | 耐圧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
本質安全 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
CSA | 耐圧 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
本質安全 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
通信プロトコル | 標準形 | レデューサ形 | マルチバリアブル形 | 高温用・極低温用 | |
---|---|---|---|---|---|
HART | 7 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
5 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
BRAIN | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
FOUNDATION フィールドバス | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator(FSA120)は、フィールド機器の質量流量パラメータを容易に設定するために必要な様々な機能を提供するソフトウェアパッケージです。
流量演算設定ソフトウェアは以下の 2 種類のプログラムからなります。
流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator は FDT 技術を使用しており、「フィールド機器/環境機器 調整・設定ツール FieldMate」および「統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRM 」上で動作します。
FSA120 流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator の詳細はこちら
フィールド機器/環境機器 調整・設定ツール FieldMate の詳細はこちら
一般的に渦流量計は、管内の流速分布に偏りが生じると、流量測定精度に影響が出ます。
代表的な設置例と合わせて、必要直管長や主なポイントを示します。
上流側 10D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
上流側 5D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
上流側 10D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
上流側 10D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
上流側 10D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
上流側 20D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
バルブは digitalYEWFLO の下流側に設置してください。直管長の上流側は上記を参照し、下流側は 5D 以上を確保してください。
やむをえずバルブを digitalYEWFLO の上流側に設置する場合、直管長は上流側 20D 以上、下流側 5D 以上を確保してください。
管内が常時流体で満たされていれば、取付姿勢は水平・垂直・傾斜を問いません。
ただし、水平配管並びに傾斜配管の場合、分離形検出器の端子箱および一体形の変換器への浸水を避けるために、必ず配管位置より上側になるように取り付けてください。
digitalYEWFLO 渦流量計の表示器は上下 2 段のシンプルな構成になっています。
データ表示部の上段には瞬時流量の実メモリ流量やスパンに対する流量%を表示し、下段には流量積算値やアラーム番号を表示します。
さらにマルチバリアブル形の場合は、上段には測定温度のスパンに対する温度%を表示し、下段に実温度を表示できます。
流量監視と温度監視を、digitalYEWFLO 渦流量計 1 台で行えます。
また、設定キーを用いたパラメータ設定の際には、上段には設定項目番号が、下段にはデータの内容が表示されます。
通信経由での設定と同じように、簡単にパラメータへアクセスできます。
digitalYEWFLO 渦流量計はセンサ故障や温度センサ異常などのアラーム番号を、表示器下段に表示します。アラーム番号を確認することで、今、起きている異常を、簡単に把握できます。
合わせて、外からは確認が難しい配管内部で起きている流体異常(CHECK Flow)や、設置している配管に起きている振動異常(CHECK Vibration)なども、自己診断の結果として表示します。
digitalYEWFLO 渦流量計は瞬時流量を電流出力しながら、パルス出力を同時に出力できます。
また、マルチバリアブル形であれば、瞬時流量だけでなく、測定温度を電流出力できます。
digitalYEWFLO 渦流量計が 1 台あれば、瞬時流量や測定温度をモニタリングしながら、同時にパルス出力を利用した流量積算が可能です。
一例として、シールドケーブルを用いた場合の接続方法を示します。
digitalYEWFLO 渦流量計は自己診断の結果アラームが発生した際に、ステータス出力機能により外部に信号を送信します。
この信号を計器室へ送信することで、機器の異常を瞬時に把握することができます。
また、このステータス出力信号をリレーを介して電磁弁に送ることで、緊急時の遮断動作も実行できます。
測定流量が設定した閾値を下回ったときに、ステータス接点出力を実行します。
早い段階で流量低下を検知することで、安定した流量測定を継続できます。
保全作業に必要な機器情報に現場で簡単にアクセスできるモバイルアプリです。
購入された機器の情報とドキュメント(仕様書、マニュアル、試験成績書)をシリアル No. をキーに閲覧できます。
また、2 つの機器間の互換性を確認する機能により、機器が故障した際には、それと最も互換性の近い予備品を確認できます。機器保全に必要な情報に現場で即座にアクセスを可能にすることで、保全作業の効率向上に貢献します。
* 「Device Lifecycle Management Mobile Application」 は、下記よりインストールしてご使用いただけます。
なお、インストールされる前に「YOKOGAWA製品へのQRコード実装について」をご確認ください。
FieldMateを使用して、機器の設定値(データ)を同種のdigitalYEWFLOへコピーすることができます。
簡単な操作で同じ設定を持つ機器を複数台準備することが可能になり、運転立上げにかかる工数を大幅に削減できます。
* フィールド機器/環境機器 調整・設定ツール FieldMate の詳細はこちら
渦流量計は「カルマン効果」を利用して、液体または気体の流量を測定します。
ハンガリー生まれの数学者・物理学者 セオドア・フォン・カルマンは、20 世紀初めに、液体または気体が障害物に垂直に流れる時、その障害物の両側に、交互に渦が発生することを発見しました。これらの渦の列は「カルマン渦列」と呼ばれています。
カルマンは、さらに、渦の発生数がその渦を発生させる流体の流速に比例することも見出しました。この発生数は「カルマン渦周波数」と呼ばれています。カルマン渦周波数と流速との関係は、次の式で表わされます。
ここで、
上 2 式をまとめて、体積流量で表すと、
となります。
ストローハル数(St)とは渦発生体の形状、寸法によって決定される無次元数で、形状を適切に選ぶことにより、広いレイノルズ数範囲にわたって一定の値になります。図1 にレイノルズ数とストローハル数の関係を示します。
図1:ストローハル数(St)とレイノルズ数の関係
したがって、ストローハル数をあらかじめ把握しておけば、渦周波数を計測することにより流量を測定することができます。また、体積流量は流体の圧力、温度、密度、粘度などに無関係に測定できることが判ります。しかし、標準(基準)状態における体積流量や質量流量を測定する場合は、温度補正や圧力補正が必要です。
渦が形成されて渦発生体(障害物)を通過する時、その部分の圧力が、流体の他の部分に比べて低くなります。この低圧が、渦発生体の両側に圧力差(dp)を生み、高圧側から低圧側に向けて渦発生体に応力がかかります。渦発生位置が規則的に切替わることによって低圧部の位置が入替わるとともに、応力の向きが交代し渦発生体が振動します。この振動の周波数が、「カルマン渦周波数」です。
この振動を測定する手段としていくつかの製品が市販されています。もっとも一般的なのは膜センサと容量センサですが、この用途にもっとも適しているのは圧電結晶センサです。圧電結晶センサは、圧縮されると電気信号を生じ、それを流量計の電子回路で処理します。カルマン渦周波数を測定することによって(St と d は既知)、流量計の電子回路の簡単な演算で配管を通る体積流量を求めることができます。
流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator(FSA120)は、フィールド機器の質量流量パラメータを容易に設定するために必要な様々な機能を提供するソフトウェアパッケージです。
流量演算設定ソフトウェアは以下の 2 種類のプログラムからなります。
流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator は FDT 技術を使用しており、「フィールド機器/環境機器 調整・設定ツール FieldMate」および「統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRM 」上で動作します。
FSA120 流量演算設定ソフトウェア FlowNavigator の詳細はこちら
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