コジェネレーションにおけるフィールド機器の活用

はじめに

蒸気は、産業の血液とよく言われています。ボイラーの熱を、オフィスの暖房からタービン発電機を駆動させる機械エネルギーに至るまでさまざまなサービスとして供給できるよう、搬送しやすい形に変換する媒質が蒸気です。現在でも、蒸気は、プロセスとその関連作業にエネルギー源を供給するもっとも一般的な手段です。蒸気を生成するコストは、発生機の最適化の程度や、生成した蒸気を搬送する効率に依存し、設備ごとに異なります。エネルギー効率の改善には、エネルギー消費量の計測が必要であるということは広く受け入れられています。過剰な消費を検知するには効率的で正確な計測が不可欠であり、蒸気がどこでどれだけ用いられているかを正しく把握することが、部門を超えたエネルギー充足に必要です。健全なエネルギー管理策こそが、企業の純利益増大に効果をもたらします。蒸気のモニターと管理を一種のプロセスと見なすことは、製造プロセスの他の部分をモニター・管理するのと同様に意義あることです。計測が正確で信頼性があるほど、コストと製品品質に影響するより精度の高い決定を下すことができます。

ここでは、比較的少額の投資ですぐに効率向上が期待できる分野をご紹介します。

 

蒸気計測

現在もっとも一般的な蒸気計測法は、オリフィス板と差圧伝送器を用いるものです。この計測法の主な問題点は、オリフィス板が摩耗して計測精度が落ちること、オリフィス板がシステムに比較的大きい圧損を与えること、また計測レンジが狭い(一般に 3 : 1 )ことです。その他の課題として、漏出危険箇所が場合によって30にもなるということがあります。さらに、差圧伝送器自体が不正確さの原因になることもあります。スマート差圧伝送器と呼ばれるものでさえも、いまだにアナログセンシングシステムを使用しています。アナログセンサは、静圧と高温によってドリフトを生じやすいという欠点があります。これらの要因に加えて、低圧レンジでは明らかに不正確な計測となることから、計測全体が疑わしいものになっています。伝送器の性能は、当社のDPharpシリーズ伝送器を用いることによって改善することができます。このシリーズのディジタルセンサ形伝送器は、世界中の多くの施設でその性能が確かめられ、市販品ではもっとも正確なメンテナンスフリー伝送器であることが明かとなっています。

蒸気計測

 

DPharpの優れた特長

EJXの高性能

  • クラス最高の性能
  • 最大200:1の実測定レンジ
  • 精度0.04%
  • 長期安定性±0.1%/10年
  • マルチセンシング出力
  • マルチバリアブル形伝送器をラインアップ
     
DPharpの優れた特長

蒸気計測のもう一つのアプローチは、渦流量計を用いる計測です。当社のYEWFLO渦流量計は、30年以上にわたり世界中の何千もの蒸気計測現場で活躍してきました。オリフィス式流量計の精度がフルスケールの 3 ~ 5 %であるのに対し、YEWFLOの精度は指示値の 1 %未満です。低い圧損、プロセス配管への接続2か所のみで足りること、高い信頼性、メンテナンスフリーなどの特徴が、数多くのYEWFLOが世界中で導入されている理由です。YEWFLOの呼び径は15mmから400mmまであり、最高使用温度は400°Cです。ご依頼によって、SIRA/WIB分析結果をご報告いたします。

digitalYEWFLOの優れた特長

  • 高精度で低圧損
  • 最大35:1の測定レンジ
  • 世界初のマルチバリアブル渦流量計で、流量と温度を同時出力
  • 立入りが難しい場所はリモート形で対応
  • 事前校正済み、レンジ再調整可能
  • 業界標準の出力
  • 世界で45万台を超える導入実績
digitalYEWFLOの優れた特長

蒸気計測のほとんどは、いまだに容積測定です。ボイラーの出力は時間当たりのトン、kg、あるいは重量ポンドで測定し、需要に応じてライン圧力が変化すると、容量測定に基づく蒸気質量流量計算に大きな誤差を生じることになります。たとえば、動作圧力が10barでライン圧力が0.5bar変動すると、質量流量計測に 5 %の誤差が生じます。ストリームコンピュータ を設置、また(飽和蒸気か過熱蒸気かによりますが)温度または圧力、またはその両方を計測すると、ライン圧力の変動に起因する誤差を取除くことができます。

ストリームコンピュータの設置

ストリームコンピュータの設置

 

圧力と温度の計測

アプリケーションは、単純なライン圧力モニタリングから凝結物差温制御まで広範囲にわたります。システム内で何が起きているか正確に把握するために、さまざまな圧力・温度計測機器がご利用いただけます。

 

燃料油の計測

燃料油の計測には、これまで機械式流量計が用いられてきました。機械式流量計の問題は、流路の閉塞や、システム内の混入物による機械的摩耗を起こしやすいということです。またシステム内での圧損が大きく、そのため輸送コストの増加につながります。
 
近年は、機械式に代わって、ROTAMASSシリーズのコリオリ質量流量計が用いられています。この種の流量計でボイラー燃料を計測すると、次の利点があります。

  • 高精度(液体の場合0.1%)
  • 広い測定レンジ
  • 出力はkg、トン、重量ポンドなど選択可能
  • 密度を出力可能
燃料油の計測

 

水の流量モニタリング

電磁流量計ADMAG AXFは、導電率が1μS/cmより大きい導電性流体に用いることができます。フルボアデザインのため圧損は実質ゼロで、あらゆる流量計の中でもっとも広い動的流量レンジを誇ります。ADMAG AXFは、指示値の0.35%(付加仕様で0.2%)という高精度に加え、メンテナンスフリーであるため、機械式流量計のリプレースにお勧めです。

 

蒸気回路の導電率とpHのモニタリング

蒸気回路の導電率とpHのモニタリング

ボイラーを流れる水は、沈殿や腐食を生じないように、厳しく管理する必要があります。沈殿も腐食も、配管、バルブ、熱交換器の損傷の原因となり、これらの交換が必要になります。部品交換は時間も費用もかかるうえ、その間蒸気が使えないという損害も生じます。導電率とpHの計測が、蒸気回路の見張り役になり、不純物レベルをモニターし、薬剤添加を制御します。

導電率計測によって、水中に溶解した固体の量をモニターすることができます。一般的なボイラー給水の溶解固体量は0.2ppm未満であり、導電率に換算すると約0.055μS/cmになります。このような高純度水の計測は温度に左右されます。その影響は大きく(1°Cあたり最大15%)しかも非線形であるのが特徴です。この影響を補償しないと、どんな計測も無意味なものになってしまいます。
 
当社の導電率計は、このような条件を考慮して設計されています。感度を最適化するための大面積センサと、マトリックス温度補償が、超純水の非線形性を正確に反映します。あまり知られていませんが、付着物で覆われるか分極したセンサは、実際よりも低い導電率を示します。つまり、水の品質が実際には許容限界外なのに、限界内と報告することがあります。当社の導電率計には自己診断機能があり、破損、測定液面低下、電極の汚れ、分極、ケーブルの不具合などをチェックすることができます。

ボイラーの腐食速度

ボイラーの腐食速度

導電率計測は水質をモニターするものであり、当社の高性能導電率計は正確な計測を行い、総合診断システムがこれを支援します。
 
ボイラー給水の適正な処理は、ハードウェアが損傷する可能性を減らすのに不可欠です。適正な処理として第一に必要なのは、給水のpH値を狭い範囲に収まるよう制御することです。図は、ボイラーの腐食速度がpH10で最低となり、それより酸性側にずれてもアルカリ性側にずれても腐食速度が増すことを示しています。
 
超純水のpH計測は、基準ジャンクションの不安定性、ガラス電極の応答、電気的ノイズに対する感度、プロセス温度の影響などの問題があるため困難な作業です。低抵抗ガラスなどの電極を慎重に選び、正圧基準とステンレス鋼ホルダを組合わせると、上記の問題を解消することができます。
 
ベストな性能を発揮するために、当社のEXAシリーズ伝送器はノイズ除去用差動アンプを備えており、この機能は総合自己診断にも役だっています。自己診断では、ガラスの破損、電極の汚れ、測定液面低下、ケーブルの不具合を検出することができます。不具合を検知した場合には、オペレータに直ちに知らせるとともに、電極寿命を算出します。このため、不具合が起きる前に保全を計画することができ、予定外の保全作業を避けることができます。

センサのチェック

センサのチェック

 

ボイラーの燃焼計測

ボイラーの燃焼を制御するには、精度の高い酸素計測が必要です。また燃焼効率を最適化して排出を減らすには、空燃比が重要です。酸素が多すぎると排煙管からの熱損失となり、逆に酸素が少なすぎると許容できない濃度の排気ガスを出すことになります。

EXA シリーズのジルコニア式酸素濃度計をご利用のお客様によってますとと、当社独自の堅牢なセンサ設計によって校正間隔が長くなります。さらに、通常 2 ~ 3 時間を要する現場でのセンサ交換がわずか30分で済みます。こうした特徴は、保全時間と労力の大きな節約になります。

 

モニタリングと制御

ボイラープロセスについて質の高い計測を行う利点には、有用な情報を効率的に集め制御システムをさらに最適化できるという点もあります。データの記録は、紙のレコーダーでも、PCメディアに記録するペーパーレスレコーダーでも、モニタリングとログ機能のある総合データ収集システムでも構いません。

制御の最適化を進める方法として、シングルループ方式から、Microsoft Windowsベースの分散制御システムまでさまざまなアプローチがあります。

下記は、一般的なアプリケーション例です。

  • ボイラーの三要素式レベル制御
  • ボイラーの空燃比制御
  • ドラムレベル圧力補償
  • 自動燃焼制御
  • 主蒸気圧制御
モニタリングと制御
 発電機ボイラー

制御を成功させるカギは、要求事項を明確にすることです。当社は、この分野でのコンサルティングに対応しています。

 

FOUNDATIONフィールドバス™対応フィールド機器

世界初のFOUNDATIONフィールドバス™対応機器を発売して以来、当社は幅広い機器を開発してきました。現在の製品ラインアップを以下に示します。それぞれのモデルに、付加仕様として、リンクアクティブスケジューラ(LAS)やPIDブロックがご利用いただけます。防爆形や本質安全モデルもあります。

FOUNDATIONフィールドバス™対応のCENTUM CS 3000 R3とSTARDOMコントローラは、これらの機器間をシームレスにつなぎ、リアルタイムでデータをモニターします。  英文にはsteamとstreamの表記がありますが、後者を採用しました(図参照)。
 このシリーズは見あたりません。

EJX: 差圧・圧力伝送器
EJA: 差圧・圧力伝送器
digitalYEWFLO: 渦流量計
YVP™: バルブポジショナ
YTA™: 温度伝送器
ADMAG™ AXF: 電磁流量計
SC202, ISC202: 導電率計
PH202: pH計
DAQSTATION DX: ペーパレスレコーダ

FOUNDATIONフィールドバスTM対応フィールド機器 

業種

関連製品&ソリューション

ADMAG AXF

電磁流量計ADMAG AXFシリーズは、スラリーなどの流体ノイズに強い当社独自の二周波励磁方式を採用した電磁流量計です。
電極の状態をリアルタイムで監視できる電極付着診断機能、カバーを閉じたままでも操作可能な赤外線スイッチ、現場で向きを変更できる配線口、材質や構造の豊富なラインアップなどの特長を持ち、真のユーザーフレンドリーを追求した製品です。
 

digitalYEWFLOシリーズ 標準形

当社の標準渦流量計です。当社独自のデジタル信号処理技術(SSP)で常に最適な測定条件へ自動調整します。

YTA110/YTA310/YTA320 温度伝送器

YTA110/YTA310/YTA320 温度伝送器は、温度をIEC/ASTM/DIN規格の熱電対(Type K、E、Jなど12種類)あるいはIEC/JIS規格等の測温抵抗体(Pt100、JPt100など5種類)の信号として入力し、4~20 mA DCに変換する2線式温度伝送器です。

渦流量計

渦流量計の発売以来、その長期安定性と高精度によってお客様の生産性向上に貢献してきました。高温用、極低温用、マルチバリアブル形、デュアルセンサ形、レデューサ形など、さまざまなモデルをご提供しています。

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