バイオマス発電・廃棄物発電は、燃焼で生じた熱を使ってボイラーで蒸気を作り、蒸気タービンで発電します。化石燃料に代わってバイオマス資源や廃棄物を利用することでCO2の排出量を削減することができ、クリーンで安定的な電源として期待されています。
YOKOGAWAはシステムの設計からエンジニアリング、システム・機器の据え付け、プラントの立ち上げ、さらには稼働後の改修や変更を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたり最適なソリューションを提供するパートナーとして、持続可能な社会の実現を支援してまいります。
詳細
統合生産制御システム: CENTUM VP

CENTUM VPは、プラントのライフサイクル全体を支える分散形制御システム(DCS: Distributed Control System)です。
柔軟なI/O構成を可能にするN-IOの採用、エンジニアリング環境の革新、OPC UA対応、セキュリティ強化などを通じて、工数削減・工期短縮・安定操業を実現。多くのバイオマス・廃棄物発電プラントで採用されています。
プラント情報管理システム: Exaquantum
Exaquantum は、幅広い業種に対応可能なプラント情報管理システム(PIMS)です。制御システムから取得した操業データを、最適な形に加工・蓄積し、上位の基幹業務システムへ提供することで、ギャップドメインにおける間接業務の工数を削減し、製造現場と基幹業務をシームレスに結合させるソフトウェアパッケージです。
製造現場を熟知するYOKOGAWAだからこそ、プラント制御を担うDCSやPLCなどの制御システムから、データをオフィス環境や基幹業務に提供するPIMS、さらにSCMやERPなどの企業経営システムまで、全社統合に必要なソリューションを一貫したコンセプトのもとで提供することが可能です。

ガス分析計
ボイラーの燃焼管理において、燃焼用空気が少ない場合、燃料は不完全燃焼となって黒煙が発生します。一方、燃焼用空気を過剰に供給した場合、燃焼効率が悪くなり、大気汚染や温暖化の原因となるNOxおよびSOxの発生が増加します。この燃焼用空気の過不足は、排ガス中の酸素濃度で判断することができます。
YOKOGAWAでは、排ガス中の酸素濃度測定に使われるジルコニア式酸素濃度計のほか、レーザーガス分析計、排ガス監視システムなどさまざまなガス分析計をラインアップしています。

差圧伝送器・微差圧伝送器

ボイラー炉内は、燃焼ガスや排ガスが外へ出ないように、負圧の状態で運転しています。この負圧は、空気を送り込む押込ファンと排出する誘引ファンを調整して作り出しています。
ボイラー内部、空気封入口、排気口等の圧力測定には、微差圧伝送器が使用されています。
YOKOGAWAの差圧伝送器/微差圧伝送器は、高性能シリコンレゾナントセンサにより、高精度で長期に安定した測定を可能としています。
設備保全: eServ

eServは、保全員の“考える保全”を支援します。 いつでも、どこでも、誰にでも使えてすぐに効果を実感できる、現場で働くひとりひとりが考え、行動する日本の保全スタイルを目指して作り上げたソリューションです。
eServでは作業手順、メンテナンス方法、点検のポイントを記録することで、予防保全の計画を作ることもできます。従来の事後保全中心のスタイルから、戦略的な予防保全スタイルへ変革し、安心、安全、持続可能なプラントを実現します。
eServなら、過去に発生した故障やトラブルの事例や対処方法を簡単に参照できるようになり、 保全現場での迅速なトラブル対応を可能とします。それにより、設備トラブル、ライン停止による生産機会損失、無駄な作業を削減することができます。更に、タブレットを活用することにより迅速な復旧を可能にします。
Dublix紹介ビデオ
デンマーク発の廃棄物発電・バイオマス発電プラント効率改善のプロフェッショナルであるDublix Technology社が、2022年に弊社グループに加わりました。YOKOGAWAはDublixとともに、より包括的で付加価値の高いソリューションを提供してまいります。
プラント運転状況と操業分析:Dublix™ PlantAudit

Dublix™PlantAuditは、バイオマス発電・廃棄物発電の専門家が独自開発のツールと数十年間にわたるノウハウを活用し、プラントのプロセス・設備・運転データを包括的に分析するサービスです。現地調査も踏まえ、運転効率の改善可能性を定量的に評価。さらに、コスト削減、運転の安定性向上、CO・NOxなどの排出量削減といったお客様の課題に応じて、最適なソリューションをご提案いたします。
高度燃焼制御システム:Dublix™ CombustIQ

Dublix™ CombustIQは熟練運転員の操作をシステムで再現し、分散形制御システム(DCS)とシームレスに統合可能なソリューションです。安定運転、ボイラー効率の向上、環境規制への対応などを支援し、運転員の負担を軽減。経験の浅い運転員でも効率的な運転が可能になります。多くの場合、オンラインで導入でき、稼働停止が必要な場合も最小限に抑えられます。
ボイラー洗浄システム:Dublix™ JetClean

Dublix™ JetCleanはバイオマス発電・廃棄物発電プラント向けに開発された、最先端の自動洗浄技術です。フルロード運転中でも高精度にファウリング(灰や煤など)を除去し、ボイラーの腐食抑制と燃焼効率を維持することで、プラント停止期間の短縮とメンテナンスコストの削減に貢献します。
ファウリング・腐食対策:Dublix™ SulfGen

Dublix™ SulfGenはボイラーのファウリング・腐食対策として開発された化学処理システムです。硫黄系反応剤を二次空気ノズルから注入し、塩化物による腐食を化学的に抑制。これにより火炉の清掃性が向上し、機器寿命の延命、メンテナンス頻度の低減、燃焼効率の改善が可能になります。
関連情報
経済産業省よりバイオマス発電所における安全確保の徹底に関する文書が発行されています。設備・燃焼温度異常監視や一酸化炭素、メタンガス濃度検出など、バイオマス発電所の安全運転に対応する横河電機のソリューションをご紹介します。
ドキュメント&ダウンロード
カタログ
- Dublix パンフレット (3.1 MB)
ニュース
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プレスリリース | 受注 2023年10月24日 ポーランド最大のごみ焼却発電所で効率改善によりごみ焼却量を最大で年間5,500トン相当 増加
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プレスリリース | 経営 2022年5月25日 廃棄物・バイオマス発電所向け効率改善技術をもつデンマークのDublix社を買収
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