1999年横河技報[Vol.43 No.4]

ディジタルLSIテスタ用チップセット

  • 今 村 誠 *1
  • 遠 山 晃 *1
  • 河 野 淳 *1
  • 有 水 毅 *2

*1デバイス設計センター
*2中央研究所 エレクトロニクス研究室

20 MHzディジタルLSIテスタ向けに,5種のカスタムLSIによるチップセットを開発した。パーピンタイミング発生用の2チップとピンエレクトロニクス用の2チップ,それにDA変換器である。これらは省スペース化のため全てテストヘッドに内蔵されることを前提とした。そのために解決すべき課題は,高集積化,低消費電力化である。
タイミング発生器は,独自のタイミングバーニア方式を開発し,1μmCMOSプロセスを使って実現した。
CMOSプロセスにより消費電力が抑えられる反面,クロストークや温度特性が犠牲になるが,これらは高精度アナログカスタムIC設計技術により解決した。
またピンエレクトロニクスにはパーピンDC測定機能も集積した。機能テスト前のコンタクトチェックを高速に実行できるためスループットの向上が実現できる。DC測定および,各テスト条件設定のためには高分解能,多チャンネルのDA変換器を開発した。12.7ビット,28チャンネルのDA変換器で,トリミングや校正が不要である。


単結晶シリコンマイクロボロメータの設計と試作(PDF: 64KB / 4ページ)

  • 岸 直 輝 *1
  • 原 仁 *1
  • 蒲 原 敦 彦 *2
  • 山 岸 秀 章 *1

*1中央研究所 マイクロマシン研究部
*2IA事業本部 環境機器事業部 技術部

単結晶シリコンを用いた非冷却型マイクロボロメータを開発した。マイクロ赤外分光デバイスの検出器に応用できる。ボロメータの構成要素である吸収体,測温抵抗体を単結晶シリコンのみで構成し,不純物濃度の制御による,吸収率,抵抗温度係数,雑音電圧の設計方法,及びマイクロマシン技術によるエアブリッジ構造を利用した熱的特性の設計方法を開発した。
試作結果では,D*(500 K,10 Hz,1Hz)=1.1×108[cmHz1/2 /W]と高感度を得た。


イメージセンサテストシステムTS6600シリーズ

  • 石 橋 昌 宏 *1
  • 江 藤 友 明 *1
  • 谷 村 大 輔 *1
  • 成 川 健 一 *1

*1テスタ事業部 技術部

我々はメガピクセルCCD,高機能CISなど,最新イメージセンサのテスト時間の大幅な低減を目的とし,2DUT同時テスト,高速ミックスドシグナルテスト,画像データ転送と画像処理の並列実行,システムノイズ低減を実現したテストシステムを開発した。
これらの手法により,テスト時間は従来比4分の1に短縮することが可能となった。


工場現場向き画像処理装置i・Zoo(PIP-2001)(PDF: 111KB / 6ページ)

  • 藤 木 憲 英 *1
  • 岡 崎 信 弘 *1
  • 兜 金 哲 也 *1
  • 重 田 誠 *1

*1横河エー・ディー・エス株式会社

工場の現場で使用可能な画像処理装置i・Zoo(PIP-2001)を開発した。本装置は,電源投入後のシステムの自動起動,ハードディスクを持たないため,耐震性にすぐれ,24時間稼働に耐える,また強力な防塵対策をもつ。当社の今までの製品に比べ,5倍から10倍高速であり,演算量の大きいフィルタ演算も数十msで実行できる。また,工場の現場で重要なプログレッシブビデオカメラ入力も可能(2倍速も可能)で,4百万画素のディジタルビデオカメラ10ビット入力にも対応している。また,LAN経由でデータやコマンドの通信が可能なため,i・Zooのリモートメンテナンスも可能である。アプリケーション開発にはコマンド形式の画像処理用言語(PIPL)を用意しており,C言語の様なコンパイラ形式と異なり取り扱いが簡単であるため短期間にソフト製作が行える。


全天候型パンチルト式CCDカラーカメラFIELDEYE(PDF: 181KB / 4ページ)

  • 大 矢 彰 *1
  • 桂 井 徹 *1
  • 景 虹 *1
  • 松 本 直 樹 *2

*1モーション&メジャメント事業部 技術センター
*2モーション&メジャメント事業部VSセンター

小型(315×365×210 mm),軽量(18 kg),複合一体設計の全天候型パンチルト式CCDカラーカメラFIELDEYEを開発した。従来設置困難な場所にも容易に設置できる。高感度(0.1 lx),高ズームレンズ(光学部18倍,電子ズーム部4倍)である。3種類の制御方式(一同軸多重,RS485,イーサネット)を用意している。一同軸多重方式は,映像信号と制御信号を一本の同軸ケーブルで伝送でき,省配線が特長である。RS485方式はPCやPLCから直接制御でき,自動追尾システム等を構築できる。イーサネット方式は,ネットワーク画像配信サーバを内蔵しており,マルチメディアシステムを容易に構築でき,リモートメンテナンス等に有効である。


安全計装システムとProSafeシリーズの診断機能(PDF: 44KB / 6ページ)

  • 安 藤 忠 明 *1
  • 安 藤 進 清 *1

*1テシステム事業部 安全システム部

1997年4月にYokogawa Industrial Safety Systemsを発足させ,ETSの一翼をになう製品群として安全計装システムProSafeシリーズを発売した。安全計装システム(Safety Instrumented System:SIS)はプロセスの異常を検知した場合にプロセスを安全側に確実に停止させる役割を持ち,この「安全性」は安全度水準SIL(Safety Integrity Level)としてIEC61508で定義されている。「安全性」の観点から安全計装をリレーやDCSで実現することには制限がある。
ProSafe- DSP SLSは独自の磁気コアロジックを用いて自己診断回路が不要な本質的フェールセーフを実現し,その安全性は世界最高水準として認証されている。ProSafe- PLCは共通部を排除した設計とダイナミックかつ徹底的な自己診断を行うことで安全性とともに高いアベイラビリティをもつシステムとなっている。


Java技術と計測制御分野への応用事例(PDF: 48KB / 6ページ)

  • 星 哲 夫 *1
  • 伊原木 正 裕 *2
  • 田 中 美穂子*3
  • 田 中 敦*4

*1IT開発センター 生産情報制御技術部
*2DUONUSセンター.
*3IAシステム事業部 制御開発2部
*4テスト&メジャメント事業部 開発3部

Java技術は,1995年の発表から数年間で,ネットワークとの親和性,マルチプラットフォーム実行環境等の特長を生かして,あらゆるアプリケーションに影響を与え始めた。当社では,Java技術の計測制御分野への応用についてフィールド監視,DCSのユーザインタフェース,データ収集装置のネットワーク化等について商品を既に発売し,実際に稼働している。これらの製品は,Javaの特長を活用し,さらに当社の技術と融合することで,高度な機能やオープンなネットワーク環境での優れた監視・操作を実現している。また,当社は,今後の発展が期待できるリアルタイムJava技術が,製造業向けのシステムや機器のなかでオープンな標準技術となり,より適用のメリットが高まるように,Javaの標準化活動にも参画している。


製油所情報管理システムの再構築(PDF: 48KB / 4ページ)

  • 江 口 孝 *1
  • 武 藤 真 一 *1
  • 横 地 裕 *1
  • 横 山 憲 一 *1

*1IA事業本部SIソリューション推進部

ネットワークの高速化やコンピュータの性能向上と低価格化は,ユーザに大きな夢を与えてくれる。広域に存在する生産拠点の統合管理とビジネスのスピードアップが要求される現在,汎用計算機にて稼動してきた製油所の製造系情報管理システムのリプレース方法は身近に迫った大きな関心事である。
当社は大手石油会社殿の既存システムにクライアント/サーバ方式を採用し再構築を行い,短納期で操作性の良いシステムを完成させた。新しいアーキテクチャの採用により,多くの成果と教訓を得ることができたので、本稿で主にソフトウェア部品の組合せをベースにしたシステムインテグレーションについて紹介をする。

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