横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

自律型コントローラ FCN-500

自律型コントローラ FCN-500

「高信頼」「機器統合」「ネットワーク」「エンジニアリング」「運用・保守」の5つのコアコンピタンスを引き継ぎ、さらに「より速く、より強く、よりスマートに」をコンセプトに進化した二重化システムを実現した最新コントローラです。

自律型コントローラFCN-500 は、連続制御とシーケンス制御の融合による高い機能性と、堅牢かつ高い信頼性を持つハードウェアにより、さまざまな装置やプロセス制御システムにおいて高い稼働率による安定操業、生産性向上に貢献します。
さらに、オープンなネットワーク環境をサポートするため、FCN 間はもちろんさまざまな設備や生産管理システムなどと接続し、情報共有や連携を行うことができます。
また、効率的なエンジニアリング環境により設備導入から増改造まで迅速な対応が可能となり、高い保守性と合わせてお客様のTCO削減に貢献します。

高信頼

  • DCSのノウハウを活かした高信頼設計により、堅牢で高い信頼性と保守性を持ち、高い稼働率による安定操業を実現
  • ECCメモリを実装した高速CPUと豊富なI/Oモジュールを準備簡単に二重化(CPU、電源、ユニット拡張バス、Ethernet)が可能で、さらなる信頼性と保守性を実現
  • 高い耐環境性(低温/高温対応、耐腐食性ガス対応)

機器統合

  • オープンなネットワーク環境で、様々な生産管理システムと接続でき、情報の共有・連携が可能
  • 分散配置された様々な機器との連携・統合が可能

ネットワーク

  • 各種フィールド機器との接続も可能
  • Ethernet の二重化も可能

エンジニアリング

  •  ツール
    • 国際標準規格 IEC 61131-3(JIS B 3503)に準拠したコントローラ開発言語
    • ロジックの部品化/構造化/再利用も簡単
    • 二重化を意識したエンジニアリングは不要
  • デバッグ
    • シミュレータを用いたターゲットレスデバッグ
    • ソフトワイヤリング
    • ループチェック機能など充実のデバッグ機能
  • PASポートフォリオ
    • 「制御の横河」のノウハウを蓄積した高機能部品

運用・保守

  • モジュールの活線挿抜が可能
  • 二重化専用モジュールなし、モジュールの増設だけで二重化が可能
  • パソコンが無くてもメンテナンスが可能

 


OpreXとは

OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、ProSafe-RSはOpreX Controlの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control and Safety Systemに属しています。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。


 

詳細

高信頼

自律型コントローラFCN-500 は 「簡単二重化」、「高信頼設計」により、さらなる安定操業を実現するコントローラです。

簡単二重化

CPUモジュール二重化
  • 制御しているCPUが停止したら、即CPU切り替え
  • CPU切り替え時も制御は継続
  • オンラインでCPUモジュール交換可能
  • CPUモジュールは、二重化用もシングル用も同一
  CPUモジュール二重化
制御ネットワーク二重化
  • コントローラ間通信や弊社 SCADA(VDS)との通信を二重化可能
  • 通信異常発生時に通信経路を自動切り替え可能
電源モジュール二重化
  • 100V AC と24V DC など、別系統電源への対応も可能
バス二重化
  • ベースモジュールの内部バス(SBバス)は標準で二重化
  • ユニット拡張バス(E2バス)の二重化も可能
  制御ネットワーク 電源モジュール 内部バス 二重化

高信頼設計

DCS 譲りの故障を少なくする設計、故障の影響を少なくする設計(ECCメモリなど)、故障したときの保守性を高めた設計で、高い信頼性を実現しています。

CPUモジュール
  • 充実した自己診断機能を搭載
  • ECCメモリの採用で、RAMの1ビット故障を自動修正。不再現トラブル激減
  • フェイルセーフファイルシステムを搭載
  ECCメモリ採用 RAM 1ビット故障 自動修正
I/Oモジュール
  • 自己診断によるフォールバック機能を搭載(CPUモジュール故障時動作定義)
  • 実績豊富なAI/O
    • 各種アナログ入出力信号に対応
      (電流、電圧、測温抵抗体、パルスなど)
    • チャネル間絶縁、絶縁、非絶縁
  • 実績豊富なDI/O
    • 各種デジタル入出力信号に対応
      (DC入力、DC出力、リレー出力など)
  豊富なI/Oモジュール

耐環境性

  • 広温度環境に対応(-20~70℃)
  • 腐食性ガス対応(G3コーティング)
  耐環境性 広温度対応 腐食性ガス対応 G3コーティング

高速制御

  • 高速CPU モジュールで新たなソリューション提案が可能に
高速制御 高速CPUモジュール
intel ATOM inside
インテル® Atom™
プロセッサ搭載

機器統合

自律型コントローラFCN-500 は、各設備の用途やニーズに応じて分散配置されたさまざまな機器とオープンネットワーク環境によるシームレスな連携・統合を容易に実現でき、コントロール領域の統合化を図ります。

機器統合

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ネットワーク

自律型コントローラFCN-500 は、制御ネットワークの二重化をはじめ、多彩なネットワーク構成に対応できます。

選べるポート数

  • ネットワーク構成に応じて2 ポート/4 ポートを選択でき、さまざまなネットワーク構成に対応可能
  • 1 Gbps 対応したEthernet をCPU モジュールに実装
選べるポート数

多岐なネットワーク構成

構成例1
  • 制御ネットワークは二重化、機器ネットワークは1系統、
    1系統は保守用パソコンを接続した構成例
    • 制御ネットワークは二重化
    • 機器ネットワークは1 系統(シングル)で通信
    • 1系統を保守用パソコン専用に
  ネットワーク構成
構成例2
  • 制御ネットワークを二重化し、機器ネットワークも二重化に対応した機器と接続した例
  ネットワーク構成
構成例3
  • 4ポートを個別のネットワークに接続した構成例
  CPUモジュール二重化

二重化CPU のIP アドレスは1つ

  • 制御側CPU がダウンしたら、即、待機側CPU に切り替えて稼働を継続
  • IP アドレスも自動的に待機側CPU に移行
  • FCN との通信は、二重化されたCPUを 意識不要
  1つのIPアドレスで通信可能

多種の通信をサポート

  • Ethernet ポート/シリアルポート(*1) でFA-M3 通信/Modbus 通信/ DNP3 通信などが可能です。
  • 多種の通信をサポートしているため、通信のゲートウェイとしても利用できます。

*1: CPU 二重化時は、CPU モジュール上のシリアルポートを使用できません。

  多種の通信をサポート

エンジニアリング [ツール]

2つのツールで優れた移植性 (物理と論理の分離)

制御アプリケーション開発ツール 「ロジックデザイナ」

  • 国際標準規格IEC 61131-3 (JIS B 3503) に完全準拠した
    コントローラ開発言語
  • メーカ固有の言語を習得する必要なく設計の効率化が可能
  制御アプリケーション開発ツール ロジックデザイナ

制御アプリケーション環境設定ツール
「リソースコンフィギュレータ」

  • 制御アプリケーションとI/O との接続設定、IPアドレスの設定など制御アプリケーションの環境を設定するツール
  • 制御アプリケーションと実I/O 設定の分離により、I/O モジュールの実装位置の変更を制御アプリケーションの変更なしで可能
  制御アプリケーション環境設定ツール リソースコンフィギュレータ

IEC 61131-3 (JIS B 3503) 準拠のプログラム開発

5 種類の開発言語をサポート、ループ制御もシーケンス制御も同じツールで構築

  • ファンクションブロック、ラダー、SFC など5種類の言語を用途や好みに応じて使い分けできます。
  • ループ制御とシーケンス制御を同一の開発環境で構築できます。
機能ブロック図 (Function Block Diagram)   ラダー図 (Ladder Diagram)
機能ブロック図 (Function Block Diagram)   ラダー図 (Ladder Diagram)
     
シーケンシャルファンクションチャート
(Sequential Function Chart)
  構造化テキスト言語 (Structured Text)
シーケンシャルファンクションチャート  (Sequential Function Chart)   構造化テキスト言語 (Structured Text)
     
命令リスト言語 (Instruction List)    
命令リスト言語 (Instruction List)    

CPU二重化を意識しないエンジニアリング

  • アプリケーション開発時、ハードウェアの二重化を意識する必要がありません。
  • リソースコンフィギュレータで設定するだけで、シングルCPU から二重化CPU に切り替え可能です。

工業量データ処理で直感的なエンジニアリングが可能

  • アナログの内部データは、工業量データを使用しています。正規化 (0 ~100 %) データから工業量データへ変換する必要がありません。
  • デバッグ時の内部データ確認も直感的に認識できます。

定形化し、再利用可能なプログラミング

  • アプリケーションポートフォリオを用意
    • YOKOGAWA が長年培った制御のノウハウを活かした高機能、 高品質の制御ロジックを部品化したものです。
    • ロジックデザイナ上で必要な部品を選び、プログラムに張り付けて使用します。
  • 作成したプログラムの部品化が可能
    • 作成したプログラムを機能単位に階層的に部品化が可能です。
    • 部品化によりプログラムの再利用が行えます。
    • 部品をパスワードロックすることにより、部品のブラックボックス化が可能です。
  定形化し 再利用可能なプログラミング

回路図の雛形でエンジニアリング工数を削減

  • YOKOGAWA が提供する 回路図の雛形 (ネットワークテンプレート) を用いることで、 “簡単に”、“手早く”、“品質の高い” アプリケーション開発が行えます。

ネットワークテンプレート エンジニアリング工数を削減

エンジニアリング [デバッグ]

自律型コントローラFCN-500 のエンジニアリング環境は、高機能で豊富なデバッグ・メンテナンス機能により、システム導入から増改造に至るまで、 工数削減に貢献します。

ターゲットレスデバッグ

パソコン上で、コントローラのシミュレータが動作します。コントローラなしで制御ループの構築・デバッグが可能です。   ターゲットレスデバッグ

ソフトワイヤリング機能

  • FCN-500 に外部信号を入力しなくても、入出力モジュールへの結線定義をソフト的に配線 (ワイヤリング) するソフトワイヤリング機能を備えています。
  • ループチェックやラダーシーケンスのテストをキャリブレータやテストスイッチを使用すること無く実施できます。
  ソフトワイヤリング機能

オンラインダウンロード機能

  • 制御を止めることなく、制御アプリケーションの修正・変更、I/O の割り付け変更などが行えます。
  • オンラインダウンロード時に二重化を意識する必要がありません。
  オンラインダウンロード機能

ループチェック機能

  • FCN-500 の配線チェック (ループチェック) を支援するツールです。
  • 現在の入力値の確認や指定値の出力ができ、I/O モジュールの動作確認を行うことができます。
  ループチェック機能

ロジックアナライザ

  • ロジックデザイナを用い、コントローラのスキャン周期に同期させて変数データを収集、トレンド表示します。
  • 取得したデータをエクスポートし、調査・解析に活用できます。
  ロジックアナライザ

オンラインヘルプ機能

  • 充実したオンラインヘルプを用意しています。
  オンラインヘルプ機能

パラメータの保存

  • デバッグから試運転まで、重要なパラメータを簡単にバックアップできます。
  • SDカードを使えば現場にパソコンが無くても、バックアップ/リストアが可能
  パラメータの保存

メンテナンス

FCN-500 のシステムログだけでなく、CPUモジュールやI/Oモジュールの情報もウェブブラウザで確認でき、メンテナンス効率を飛躍的に改善します。

  • システムオーバービュー
    メモリサイズ、OSのリリース/レビジョン、IPアドレスをオンラインでチェックできます。
 
  • システムログ
    システムログは、アプリケーション・エラーの要因を特定するのに役立ちます。
 
  • CPUステータス
    シングルまたは二重化されたCPUモジュールのシリアル番号やリリース/レビジョンを確認できます。
システムオーバービュー   システムログ   CPUステータス

エンジニアリング [エンジニアリング部品集(APPF)]

アプリケーションポートフォリオ(APPF)は、FCN-500のエンジニアリング環境である ロジックデザイナ上で使用する「エンジニアリング部品集」です。
また、FCN-500では 標準の制御機能の組合せで実現する複雑な機能を、POU(Program Organization Unit)として、1つの部品にまとめることができます。
アプリケーションポートフォリオは、当社が用意した様々なPOUをプロセスや用途ごとにまとめて、高品質・高機能な部品として提供するものです。
こちらを使用することで、アプリケーション構築の品質向上と短納期化を実現します。

アプリケーションポートフォリオ(APPF)

アプリケーションポートフォリオ (APPF) には下表のものがあり、用途により FCN-500 のコントローラタイプを選択します。

アプリケーションポートフォリオ(APPF) コントローラタイプ (CPU モジュール)
FCN-500 基本形
(NFCP501-S□□, NFCP502-S□□)
FCN-500 高機能形
(NFCP501-W□□, NFCP502-W□□)
PAS ポートフォリオ
FA-M3 通信ポートフォリオ
MELSEC 通信ポートフォリオ
SYSMAC 通信ポートフォリオ
Modbus 通信ポートフォリオ
DNP3 通信ポートフォリオ
時刻同期サーバポートフォリオ

PASポートフォリオ

制御の横河がノウハウを蓄積した、プロセス制御を簡単に実現するための高機能部品(POU: Program Organization Unit)です。
連続制御POUやシーケンス制御POU、数値演算POUなどをご用意しております。
主なPOU一覧は下表をご覧ください。

PASポートフォリオ一覧

システム構成

自律型コントローラFCN は、ユニット拡張用E2 バスと、3種のベースモジュールにて多彩なシステム構成が実現可能です。

増設ユニットをリモートI/Oとして設置可能

  • ユニット拡張バス(E2バス)の最大伝送距離は、ユニット間100m、総延長800m(増設ユニット8台時)です。
  • サードパーティ製メディアコンバータ(リピータ型)により、光ファイバーケーブルに変換することで、系統ごとに最大5kmまで伝送距離を延長することができます。

増設ユニット リモートI/O

3種のベースモジュールによる自由度の高い設置

  • 3種類のベースモジュール(ロング、ショート、コンパクト)を設置スペースに合わせて選択可能。
  • 2系統のデイジーチェーン接続が可能

自由度の高い設置

運用・保守

自律型コントローラFCN-500 は、高い保守性により運用コストの低減に貢献します。

オンラインモジュール交換

  • CPU/電源/I/O/E2バスインタフェースモジュールは、すべてオンラインで交換可能
  • モジュール交換時に、ツールは不要
  • CPU二重化時は、制御を継続したまま故障したCPUモジュールの交換が可能
  • CPUモジュール内の等値化も自動実行
  • I/Oモジュールは、ワイヤリングを外さずに本体のみの交換が可能

オンラインモジュール交換

オンラインバッテリ交換

  • 制御を継続したまま、バッテリを交換可能
  • バッテリ切れの検知機能を搭載
  オンラインバッテリ交換

最小限の補用品

  • モジュールは、シングル/二重化の区別なく使用可能
  • 補用品は、シングル/二重化のどちらにも使用可能
  最小限の補用品

パソコンレスでメンテナンス

  • SDカードを用いて、制御プログラムや設定情報のバックアップ、リストア、レビジョンアップが可能
    (FUNCスイッチで機能を選び、EXECスイッチで実行)
  • SDカードは、パスワードにより使用制限を設定可能

パソコンレスでメンテナンス

CPU上のスイッチ/SDカードのアクセス保護

  • CPUカバーによる、各種スイッチやSDカードスロットへのダイレクトアクセス防止
  • CPUカバー下部の穴にワイヤを組み付けることで、CPUカバー取り外し防止措置が可能
  CPU上のスイッチ/SDカードのアクセス保護

充実したRAS情報(Reliability Availability Serviceability)

起動時、操業時の各モジュールの状態を監視。RAS情報は、リソースコンフィギュレータで参照可能です。
さらに、RAS情報を制御ロジックで利用したり、弊社SCADA HMI ソフトウェアに表示することが可能です。

  • CPU 自己診断情報
  • I/O 診断情報
  • CPU モジュールの温度情報
  • 主記憶メモリの1 ビットエラー発生回数
  • SRAM の1 ビットエラー発生回数

など

  充実したRAS情報 (Reliability Availability Serviceability)

関連情報

概要:

蓄電池システムにより変動する発電出力を平準化し、系統への一定かつ安定した電力供給を実現しています。発電計画から設備の稼働状況まで風車サイト全体を統合するシステムが稼働しています。

概要:

特殊鋼業界のトップメーカーとして各種産業界の基盤を支える大同特殊鋼株式会社。その中でも最大規模の主力工場となる知多工場において、加熱炉の計装システムにSTARDOMが導入されています。今回は、大同特殊鋼株式会社 知多工場でのSTARDOM導入事例をご紹介します。

概要:

近年多様化する小規模計装システムでも、広域に点在する機器を監視することが多くなってきました。
信号変換器JUXTA VJシリーズの通信機能を利用し、当社のネットワークベース生産システムSTARDOMと接続する例をご紹介します。

ドキュメント&ダウンロード

技術情報

動画

概要:

2018年4月18日、YOKOGAWAはSTARDOMのユニット拡張用「E2バスインタフェースモジュール」を発売しました。
Excellent Scalability and Excellent Reliability、STARDOMは2つのExcellenceとともにさらなる進化を遂げます。

概要:

PLC計装システムとして広く使われているネットワークベース生産システム STARDOMの自律型コントローラ「FCN」の機能紹介動画です。「より早く、より強く、よりスマートに」、STARDOM FCN-500はさらに進化した二重化システムの実現を約束します。

概要:

PLC計装システム として広く使われているネットワークベース生産システム STARDOMの自律型コントローラ「FCN」に新CPUモジュールが登場。「より速く、より強く、よりスマートに」進化したSTARDOM FCN-500をご覧ください。

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