横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Analyzersのラインアップとして4線式液分析計「FLXA402」とSENCOMスマートアダプタ「SA11」を開発・発売

2018年10月5日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、OpreX™ Analyzersのラインアップとして、測定項目を任意に選択できる4線式液分析計「FLXA402」と、変換・伝送・校正・診断機能を持つSENCOM™スマートアダプタ「SA11」を開発しましたのでお知らせします。工業用液分析計SENCOMシリーズに、「FLXA402」、「SA11」を追加し、新たに「SENCOM 4.0」シリーズとして販売します。「FLXA402」は10月17日、「SA11」は10月下旬に発売します。
 当社は新製品により、校正作業などの保守効率向上と、液体分析データ監視システムの柔軟な設計・運用を支援します。

左:4線式液分析計「FLXA402」右:SENCOMスマートアダプタ「SA11」
左:4線式液分析計「FLXA402」
右:SENCOMスマートアダプタ「SA11」

開発の背景

 液体分析計は変換機能を持つ伝送器とセンサで構成され、電力、上下水道、工業用水、半導体、食薬、鉄鋼、紙パ、石油、石油化学、化学などの各種プラントで、原料や製品の品質管理、排水処理工程の水質管理などに利用されています。伝送器には、電源ラインと出力ラインとで別々のケーブルを使用する4線式と、電源ラインと出力信号ラインとで同一のケーブルを使用する2線式があります。当社は、pHなどの測定項目ごとに専用で用いられる4線式の伝送器と、1台の伝送器で測定項目を4種類から任意に選択できるマルチセンサ入力機能をもつ2線式の伝送器である「FLXA21」「FLXA202」を販売してきました。今回当社は、4線式の伝送器に対する、マルチセンサ入力機能、機器診断機能や上位機器との通信機能のニーズに対応した4線式液分析計「FLXA402」を開発しました。
 液体分析計が用いられる現場によっては、センサと伝送器を一体化して制御システム、レコーダ、指示計、タブレットなどに直接接続し、データ監視システムを柔軟に構築したいというニーズがあります。これら一体形のデジタルセンサは各種データを保存でき、校正作業などの保守効率の向上も図ることができます。一方で、センサ部は分析対象の液体の特性によって劣化が進行したり汚れが付着したりするため定期的な交換が必要で、一体形センサではコストがかかります。そこで当社は、伝送器の機能を有する、センサ取り付け用のアダプタを開発し、センサ部分のみ交換することで維持費の抑制と廃棄物の削減を可能にしたSENCOMスマートアダプタ「SA11」を開発しました。

製品の特長

 今回発売する新製品は、4線式液分析計「FLXA402」、SENCOMスマートアダプタ「SA11」、および「SA11」用センサ(測定項目はpHとORP)と、周辺機器であるジャンクションボックス「BA11」、インターフェースボックス「IB100」です。

  1. 4線式液分析計「FLXA402」
     (1) コスト削減と省スペース化を実現
     従来のアナログセンサ(pH/ORP、導電率、電磁導電率、溶存酸素)と蛍光式溶存酸素センサや、SENCOMスマートアダプタ「SA11」とその専用センサで構成されたデジタルセンサから任意の種類を選択できる伝送器です。「SA11」とジャンクションボックス「BA11」と組み合わせることで、最大5本のセンサとの接続が可能です。1台の伝送器を有効に活用できるため、コスト削減と省スペース化に貢献します。また、上位機器との通信プロトコルとして、HART7とModbusに対応しました。機器情報、各種診断データを監視システムに送ったり、クラウドに接続してIndustrial IoT(IIoT)環境を構築したりすることができ、現場のメンテナンス性改善に貢献します。
  2. SENCOMスマートアダプタ「SA11」
     (1) シンプルで柔軟なシステム構成を実現
    変換・伝送・校正・診断機能を持ち、専用センサと組み合わせて活用するアダプタです。通信プロトコルにModbusを採用し、「FLXA402」に加え、ディジタル指示警報計「UM33A-S」※1、機器調整・設定・管理ソフトウエア「FieldMate」※2、Modbusに対応した制御システム、レコーダ、指示計、と直接接続できるため、シンプルなシステム構成で、データ監視、校正、設定、調整作業が可能になります。
     (2) 保守作業効率に貢献
     センサに関する校正データなどのデジタルデータを内部に保存できるため、取り外して実験室など作業のしやすい安全な場所で校正することが可能になります。現場に設置された伝送器と組み合わせて行う現場での保守作業が削減され、さらには校正作業による測定中断時間を短縮できます。

※1:「UM33A-S」は、「FLXA402」専用のディジタル指示警報計で、10月下旬に発売の予定です。
※2:「SA11」に対応した「FieldMate」は、10月下旬に発売の予定です。

液分析システム構成
液分析システム構成
拡大

主な市場

電力、上下水道、工業用水、半導体、食薬、鉄鋼、紙パ、石油、石油化学、化学などプロセス製造業全般

用途

原料や製品の品質管理、排水処理工程の水質管理など

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation 、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、新製品の「FLXA402」と「SA11」は、OpreX Measurement を構成する製品・ソリューション群の一つであるOpreX Analyzersに属します。OpreX Measurementは、高精度な測定、データ収集、分析を可能にする現場機器やシステムを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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