横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

実験データと研究リソースのクラウド上での統合管理を実現する「OpreX Informatics Manager」を開発・発売

2023年6月22日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Connected Intelligenceのラインアップとして、ライフサイエンスや化学などの研究における実験データを統合管理する新たなプラットフォーム「OpreX Informatics Manager」を開発しましたのでお知らせします。本製品はドキュメント管理機能、プロジェクト管理機能、スキル管理機能、スケジュール管理機能などをもち、研究リソースの効率的な管理とラボオートメーションを支援します。発売は7月下旬の予定です。

OpreX Informatics Manager 管理者用ダッシュボード
OpreX Informatics Manager 管理者用ダッシュボード
拡大

開発の背景

 研究開発の現場ではさまざまな実験や検証に関連するデータが文書化されます。以前はこれらのデータは研究室内で紙に記録されてきましたが、品質に対する要求の高度化などにより、電子化とデータの利活用、生産・品質保証など他部門への共有が望まれています。従来のラボラトリー・インフォマティクス・システムでは、他部門との情報共有のためには品質情報管理システム(LIMS)、電子ラボノート(ELN)、製造実行管理システム(MES)など他のさまざまなシステムと連携させる必要がありました。今回、当社はライフサイエンス分野向けの実験装置、医薬品生産・品質管理ソリューションを提供してきた実績と、各種業界でのシステムインテグレータとしてのノウハウをもとに、一つのシステムで情報を統合管理し、ラボの自動化を支援する本製品を開発しました。

新製品の特長

  1. 情報のクラウド上での統合管理により情報共有が容易に
    ドキュメント管理機能を通して、全てのデータやドキュメントと関連情報を統合します。文書や図の作成、インポート、バージョン管理、文書承認ワークフローを実行し、クラウド上に保存します。また、実験・検査データごとに参考文献、規格文書などを紐づけて管理することも可能です。これにより全てのタスクのデータの電子化を実現し、研究開発部門だけではなく、生産、品質管理、品質保証などの部門間での情報の連携が実現できます。レポート機能により、さまざまなデータをリスト化し、必要に応じてエクスポート、印刷することもできます。また、クラウドのセキュリティ対策として、多段階のユーザー認証、データの自動バックアップ、マイクロサービスによるセキュリティ連携などを導入しています。
  2. ヒト・モノ・プロジェクトのリソース管理が可能
    プロジェクト管理およびタスク管理機能により、実験、標準手順、文書化の各タスクの実行を管理します。実行時には個人の保有スキルやスケジュールの空き状況に応じて管理者はユーザーに対して各タスクの依頼を行います。依頼するタスクと使用する機器、試薬、検体の情報を紐づけることで、リソース使用の最適化を支援します。管理者はダッシュボードで、ユーザーの各タスクの進捗状況を簡単に管理できます。また監査証跡として、いつ、誰が、どのようなことを行ったのかをシステムレベル、プロジェクトレベル、タスクレベルで管理し、リスト化することが可能です。

    ユーザーのスキルに応じた担当者のアサイン
    ユーザーのスキルに応じた担当者のアサイン
    拡大

  3. ワークフローのカスタマイズとテンプレート化が可能
    本製品は規定のテンプレート運用またはカスタマイズ運用が可能です。さまざまな研究開発の現場で求められている柔軟な運用ができ、業務の標準化を支援します。WordやExcelファイルなどのインポート・エクスポートにより、各種の実験方法、手順、ドキュメントやワークフローのテンプレートを簡単に作成できます。ワークフローに変更が生じた場合は、各手順をブロック化し、ドラッグ&ドロップによる簡便な操作で画面やワークフローをカスタマイズできます。テンプレートは版管理され、アップデートされた場合は最新版がテンプレートリストに表示されます。

 発売にあたり横河電機執行役員 ライフ事業本部長 中尾 寛は次のように述べています。「OpreX Informatics Managerは、データ、業務、人をつなぎ、お客様のDXに貢献します。研究室のみならず、生産、品質保証などの部門でデータを共有し、一つのシステムでの統合運用を可能にすることで、ラボオートメーションおよびSmart manufacturingを実現します」。

主な市場

医薬品、食品、化学、ライフサイエンス、石油化学など

用途

ドキュメント管理、プロジェクト管理、スキル管理、タスク管理、在庫管理など

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation 、OpreX Control 、OpreX Measurement 、OpreX Execution 、OpreX Lifecycle の5つのカテゴリーから成り立ち、新製品の「OpreX Informatics Manager」は、Oprex Transformationを構成する製品・ソリューション群の一つであるOpreX Connected Intelligenceに属します。OpreX Transformationは、企業全体を俯瞰し、生産・サプライチェーンから経営を含む、卓越したオペレーションを実現する中核となる包括的ソリューションを意味します。

以上

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、横河電機株式会社の登録商標または商標です。

本件に関するお問い合わせ

関連業種

  • 化学

    化学品製造の新しい“あたりまえ”を創出する DX ~ ワークキングスタイル変革の実践 ~

    私たちの暮らしと日本のものづくりを支える化学産業。石油化学、機能性化学、ライフサイエンスなど分野も広く、製造現場が抱える課題や解決方法は多様化しています。「人」を中心として化学品製造業を取り巻く環境も大きく変わりつつある今、YOKOGAWA はDigital Transformation (DX) により実現される「新しい働き方」についてお客様と共有し、共にプラントの価値最大化を目指します。

    さらに見る
  • 食品

    食品製造業では、「食の安心・安全の確保」と「コストダウン」の両立といった従来の課題に加え、感染症や省力化への対応などに取り組まれていることと思います。
    YOKOGAWAは、お客様が抱える課題に寄り添い、お客様の運用に適した工場のあるべき姿をご提案していくことで、働きやすい現場づくりを支援いたします。

    さらに見る
  • 医薬品

    変化の激しい現代では、今迄以上に経営判断には、スピードと正確性が求められています。
    医薬品業界においても、ICT技術を活用したパラダイムシフト(QbD、連続生産)が起き、そうした潮流の中で如何に情報をキャッチアップしていくかが企業の課題です。
    YOKOGAWAは、原薬・製剤・バイオ領域への1000を超えるシステムの導入実績を礎に、これからも医薬品産業の更なる発展に貢献して行きます。

    さらに見る

関連製品&ソリューション

  • OpreX Informatics Manager

    横河電機の OpreX Informatics Manager は、ヒト・モノのリソース管理をスキル、スケジュールの観点から最適化し、電子ラボノートの枠を超えた部署間をつなぐ情報統合ソリューションです。

    さらに見る

トップ