横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

OpreX Control and Safety Systemのラインアップである安全計装システム「ProSafe」シリーズに安全度水準SIL2対応の「ProSafe-RS Lite」を開発・発売

2020年10月14日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿)は、OpreX™ Control and Safety Systemのラインアップである安全計装システム「ProSafe™(プロセーフ)」シリーズの拡充として、国際的な安全度水準SIL2※1認証の「ProSafe-RS Lite」を開発し、2021年1月下旬から発売しますのでお知らせします。
 新製品により、当社の安全計装システムのラインアップがSIL2からSIL4までそろったことになります。お客様は、現場で要求されるSILに見合った導入コストで安全計装システムを選択できるようになります。当社は「ProSafe」シリーズの継続的な機能強化により、プラントの安全な運転に貢献します。

※1:安全度水準(Safety Integrity Level:SIL)は、国際電気標準会議(IEC)が制定した電気・電子・プログラマブル電子機器の機能安全に関する規格IEC61508で導入されている安全性評価の尺度。SIL1からSIL4までレベルが区分されています。プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いをSIL2は1/100から1/1,000の範囲に、SIL3は1/1,000から1/10,000の範囲に、SIL4は1/10,000から1/100,000の範囲に低減できます。

安全計装システム「ProSafe-RS Lite」
安全計装システム「ProSafe-RS Lite」

開発の背景

 安全計装システムは、プラント操業時の異常を検出して、あらかじめ決められた安全な状態に導く制御や安全に停止するための制御を自動的に行います。そのため安全計装システムは、プラントの人、設備、環境の安全を守る最後の砦といわれています。
 当社の安全計装システム「ProSafe」シリーズには、磁気コアを用いたソリッドステートタイプでSIL4までに対応した「ProSafe-SLS」と、プログラマブルタイプとして最高のSIL3までに対応した「ProSafe-RS」の2種類あり、プラントの主要設備の緊急動作を安全に行う緊急遮断システムとして導入されてきました。プラントには、SIL4やSIL3クラスの高いSILを求めない防消火システムや、ボイラーなどのユーティリティ用安全計装システムが必要です。このたび当社は、現場で要求されるSILに見合った導入コストで安全計装システムを選択できるよう、SIL2までに対応した「ProSafe-RS Lite」を開発、安全計装システムのラインアップを拡充しました。

ProSafe-RS Liteの特長

「ProSafe-RS Lite」は、コントローラと豊富なI/Oモジュールおよび通信モジュール、周辺機器で構成されます。

  1. シングルモジュール構成でSIL2を実現
     市場にある多くのSIL2対応の安全計装システムは、モジュールを多重化することでSIL2を実現していますが、「ProSafe-RS Lite」は、シングルモジュール構成でSIL2を実現します。シンプルにシステムを構成できるため、エンジニアリングを含めた導入コストやメンテナンスなどのランニングコストを抑えることができます。
     さらに、二重化モジュール構成にすることで、片方のモジュールが故障してもSIL2を維持し、高稼働率で高い安全性を実現することができます。
  2. 制御システムとの統合環境
     「ProSafe-RS Lite」は、統合生産システム「CENTUMTM VP」や「ProSafe-RS」との統合が可能です。運転員は、見慣れた「CENTUM VP」の監視操作端末(HMI)で、プロセスの監視制御に加え、緊急遮断、防消火設備、およびボイラーなどに装備された安全計装システムを一元化して監視できるようになり、非定常時には、安全計装システムが発するアラームから状況を迅速に把握して的確な対応を可能にします。
  3. 既設システムにSIL2システムの追加が容易
     「ProSafe-RS Lite」は、「CENTUM VP」や「ProSafe-RS」と同じ制御バスVnet/IP※2に対応しています。Vnet/IPで構築された既設のシステムに、「ProSafe-RS Lite」を容易に追加することができます。また、「ProSafe-RS」の安全エンジニアリングツールを使用できますので、新たなツールを導入・学習する必要はありません。

    ※2 Vnet/IPは、当社が開発した、高信頼性と即応性を両立させた制御ネットワークで、プロセス産業用の通信規格として国際標準IEC61784-2に準拠しています。

主な市場

石油・天然ガス、石油化学、化学、電力、紙パルプ、薬品、食品、鉄鋼、上下水道、非鉄、金属、セメントなど

用途

緊急プラント遮断システム(ESD)、および防消火システム(FGS)の構築、バーナー管理システム(BMS)

「ProSafe」シリーズについて

「ProSafe-RS」

 2005年2月に発売した安全計装システムで、安全規格認証機関TÜV Rheinlandから、PLC(プログラマブルコントローラ)としては最高水準である安全度水準SIL3レベルを実現する機器として認証を取得しています。「ProSafe-RS」と統合生産制御システム「CENTUMシリーズ」と組み合わせて使用することで、制御システムの監視画面でプラントに異常が発生する兆候を把握して、迅速で適切な対処をしながらプラントを安全に運転できるなど、制御システムと安全計装システムを統合して運用できるという特長があります。当社は、「ProSafe-RS」を国内外の約2,800プロジェクト※3向けに納入し、安全計装システム市場におけるシェアは業界トップクラスです。
 YOKOGAWAは、2017年からは、持続的な安全操業を支援するアプローチを体系的にまとめた「Sustainable SIS (Safety Instrumented Systems) Solution(サスティナブル・SIS・ソリューション)」というコンセプトのもとに、関連するサービスやシステムおよびソフトウエアパッケージを包括的に提案しています。
 ※3 2020年9月現在

「ProSafe-SLS」

 1997年に当社が販売を開始した、安全度水準SIL4を実現する磁気コアを用いたソリッドステートタイプの安全計装システムです。国内外の約800プロジェクトで採用され、主に高品質圧力保護システム(HIPPS:High-Integrity Pressure Protection System)で使われています。

OpreXとは

 OpreXとは、制御事業の包括的ブランドです。お客様との価値共創を通じて培ってきたYOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を表し、YOKOGAWAの全ての制御関連製品、サービスとソリューションを包含しています。OpreX Transformation、OpreX Control、OpreX Measurement、OpreX Execution、OpreX Lifecycleの5つのカテゴリーから成り立ち、「ProSafe-RS Lite」はOpreX Controlの製品・ソリューション群の一つであるOpreX Control and Safety Systemに属しています。OpreX Controlは、お客様の経営、操業、業務の変革に迅速に対応し、高効率、高品質、安全で安定した操業基盤を支える高信頼の制御テクノロジーを意味します。
 YOKOGAWAはこのブランドのもと、お客様のビジネス課題解決の視点で、お客様の変革と成長を支援する統合ソリューションを提供していきます。

以上

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  • 安全計装システム

    ProSafe-RSはIEC 61508で定められた安全度水準SIL3(SIL:Safety Integrity Level)を満たす安全計装システムとしてTÜV Rheinlandに認められています。CENTUMと組み合わせプロセス制御システムと安全計装システムを統合します。

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  • 安全計装システム ProSafe-RS Lite

    国際的な安全度水準SIL2認証の「ProSafe-RS Lite」は、安全計装システムProSafe(プロセーフ)シリーズを拡充、現場で要求されるSILに見合った導入コストを選択できます。ProSafe-RSで長年培った高信頼性技術を継承、プラントの安全性と信頼性に大きく貢献します。

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