分離型ジルコニア式酸素濃度計のシステム構成は、大別して一般用検出器(測定ガス温度700℃以下)を用いたタイプと高温用検出器(測定ガス温度1,400℃以下)を用いたタイプとに分けられます。 さらに、それぞれ校正方法により3種類、合計6種類に分けられます。
システム構成の種類
比較ガスの取り入れ方には、検出器付近の空気を自然対流で取り入れる方法と、計装空気を使う方法とがあります。検出器付近の空気を使う方法は手軽ですが、下記に示すような問題がありますので、計装空気が用意できる場合は、計装空気を使うことを推奨します。
自然対流方式の場合:
取り入れる空気の湿度や気圧変動の影響を受けます。
湿度や気圧が大きく変動すると、測定誤差を生じますので注意が必要です。
計装空気を使う場合:
露点温度-20℃以下で除湿し、オイルミストおよびダスト類を除去した空気を使用してください。
(1)タイプ:L1 (検出器:一般形、校正方法:簡易形)
最もシンプルな機器構成で、パッケージボイラなどで使用されます。
比較ガスは、設置場所付近の空気を取り入れます。
校正は手動で、ゼロガスおよびスパンガス(空気)は、スタンダードガスユニット経由で検出器に導入します。
タイプL1の場合のシステム構成図
(2)タイプ:L2 (検出器:一般形、校正方法:手動校正)
制御目的および高精度測定用として、大型ボイラや加熱炉などで使用されます。
比較ガスは、計装空気を使用します。
校正は手動で、ゼロガス(ボンベ)およびスパンガス(計装空気)は、流量設定器経由で供給します。
タイプL2の場合のシステム構成図
(3)タイプ:L3 (検出器:一般形、校正方法:自動校正)
制御目的および高精度測定用として、大型ボイラや加熱炉などで使用されます。
比較ガスは計装空気を使用します。
校正は変換器からの指令に基づき、自動校正ユニットを作動させて実施します。
タイプL3の場合のシステム構成図
(4)タイプ:H1 (検出器:高温形、校正方法:簡易形)
高温形で最もシンプルな機器構成です。パッケージボイラなどで使用されます。
比較ガスは、設置場所付近の空気を取り入れます。
校正は手動で、ゼロガスおよびスパンガス(空気)は、スタンダードガスユニット経由で検出器に導入します。
タイプH1の場合のシステム構成図
(5)タイプ:H2 (検出器:高温形、校正方法:手動校正)
制御目的および高精度測定用として、大型ボイラや加熱炉などで使用されます。
比較ガスは、計装空気を使用します。
校正は手動で、ゼロガス(ボンベ)およびスパンガス(計装空気)は、流量設定器経由で供給します。
タイプH2の場合のシステム構成図
(6)タイプ:H3 (検出器:高温形、校正方法:自動校正)
制御目的および高精度測定用として、大型ボイラや加熱炉などで使用されます。
比較ガスは、計装空気を使用します。
校正は変換器からの指令に基づき、自動校正ユニットを作動させて実施します。
タイプH3の場合のシステム構成図
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