横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

金沢エナジーのスマートマニュファクチャリング実現に向けたコンサルティングサービスの提供

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背景

金沢エナジー株式会社(EGK様)は、金沢市のガス・発電事業を譲り受ける会社として、北陸電力、東邦ガス、北國銀行、北國新聞社、松村物産、小松ガス、および金沢市の出資によって2021年に設立されました。
EGK様は、「100年続く地域密着の総合エネルギー企業」を目指し、全社でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めています。DX後の姿である安定供給・保安確保の高度化を実現するための第一ステップとして、YOKOGAWAは都市ガスを製造する港エネルギーセンターを対象としたスマートマニュファクチャリングワークショップ(SMワークショップ)を実施しました。

金沢エナジー 港エネルギーセンターのガス製造設備
金沢エナジー 港エネルギーセンターのガス製造設備

このSMワークショップの主な目的は、EGK様の現在のDXの準備状況を評価し、今後のDX活動における注力分野と改善すべき業務を特定し、スマートマニュファクチャリングロードマップを作成することです。また、今後の進め方として、ソリューションの導入に向けた準備活動の体制、役割分担について提案しました。

 

スマートマニュファクチャリング実現に向けたEGK様の取り組み

EGK様はDXの取り組みとして、デジタルテクノロジーの導入に向けた各種インフラ整備の実施と効果の検証を進めるとともに、DX推進に必要なIT人材の育成を図っており、「安定供給・保安の確保」「低廉な料金と魅力あるサービスの展開」「積極的な地域貢献の実施」を基本方針としています。

また、EGK様は安全・効率化を重要評価指標(KPI)として、操業ノウハウの形式知化、知識継承、更なる自動化を進めて、高効率且つ経験の浅い人材でも都市ガスを安定供給できる組織能力の確保を目指し活動を進めています。

YOKOGAWAはプロセスオートメーション、テクノロジーコンサルティングにおいて、長年培ってきたドメイン知識、最先端のIT/OT技術の活用力が評価され、SMワークショップのコンサルティングサービスを提供するパートナーとしてEGK様に選ばれました。

 

スマートマニュファクチャリングワークショップ

YOKOGAWAは、「発見 - 設計 - 開発」アプローチを用いて、お客様の現状の評価からロードマップ案の提示までのコンサルティングを実施するだけでなく、その後のステム開発・実装でお客様と一緒に活動し、確実にスマートマニュファクチャリングを実現・維持できるためのコンサルティングサービスをワンストップで提供しています。

今回のSMワークショップは、スマートマニュファクチャリング実現のための全体工程の内、発見フェーズを対象としています。発見フェーズでは下記の3点を明確化し、さらに、企業が優先的に注力すべき領域の選定とスマートマニュファクチャリングロードマップを作成することがスコープです。

  • ビジネス優先度:KPIと、企業の損益に影響を与えるコスト要因を明確にします。
  • デジタル成熟度:企業の現在のデジタル成熟度を評価します。YOKOGAWAはスマートマニュファクチャリング準備指標S.I.R.I. (Smart Industry Readiness Index) の評価フレームワークを活用し、プロセス、テクノロジー、組織の観点からお客様の工場を包括的に評価します。
  • 機能領域別パフォーマンス評価:お客様の操業課題についてヒアリングします。

スマートマニュファクチャリング準備指標の評価フレームワーク
スマートマニュファクチャリング準備指標の評価フレームワーク
出典:International Centre for Industrial Transformation (INCIT)

 

スマートマニュファクチャリングワークショップレポート

YOKOGAWAは、EGK様のビジネス優先度、デジタル成熟度、機能領域のパフォーマンスの各評価と分析を行いレポートにまとめました。

ビジネス優先度評価では、事業所運営におけるKPIと、企業の損益に影響を与えるコスト要因についてディスカッションをし、ビジネス目標達成のために重要な項目の確認をしました。デジタル成熟度評価では、S.I.R.I.フレームワークを使用して、EGK様のデジタル成熟度レベルを評価し、産業全体のベンチマークとの比較やガス製造プラントが属するユーティリティ業界の平均値データとの比較、分析を行いました。また、機能領域のパフォーマンス評価では、操業管理、生産管理、設備メンテナンス管理、エネルギー管理、サプライチェーン管理、サイバーセキュリティなどプラントの運営にかかわる6つの機能分野に焦点を当ててヒアリングを実施しました。

各評価の結果を分析することにより、注力するべきS.I.R.I.次元を特定し、各機能領域に対する3年間に亘って導入すべきソリューションのスマートマニュファクチャリングロードマップを提案しました。ロードマップには、各機能領域における改善ポイントと、貢献できる推奨技術要素も含め、個々のソリューションはEGK様のビジネス目標達成に向けて体系立てた構成となっており、実効性のある提案となっています。

YOKOGAWAが提供したレポートには、事業運営に最も影響を与える即効性のあるソリューションとこれらがもたらす価値が明確にされています。これらの情報は、EGK様 の取り組みの優先順位付けや、投資の意思決定を支援し、リソースを効率良く割り当てるのに役立ちます。

ワークショップ後のステップは、スマートマニュファクチャリングロードマップをもとに、機能領域毎にフィジビリティスタディを行い、スコープと要件を定義することです。ワークショップのレポートには、ソリューションの導入に向けた準備活動の体制、役割分担、今後の進め方を含めており、EGK様は現状に合わせた具体的なアクションにつなげることができます。

YOKOGAWAは、今後もパートナーとしてEGK様のスマートマニュファクチャリングの実現・維持を確かなものにするため、コンサルティングサービスを提供していきます。

 

お客様の声

小林 英典様 (ガス製造課統括リーダー)

スマートマニュファクチャリングワークショップを通じ、デジタル成熟度の現状評価結果と当社の状況を反映した港エネルギーセンターのスマート化ロードマップを作成することができました。YOKOGAWAがワンストップで提供するソリューションサービスは当社が目指すガス工場のスマート化に貢献できると考えます。今後も、港エネルギーセンターのスマート化に向けて更なるご支援を期待します。

スマートマニュファクチャリングワークショップ報告会後の集合写真
スマートマニュファクチャリングワークショップ報告会後の集合写真

業種

  • ガス・LNG

    メタンを主成分とする天然ガスは他の化石燃料に比べ、CO2の排出量が少ないため、温暖化効果ガスの発生が少なく、また世界中に産出地があり安定した調達ができる事から、重要な1次エネルギーを担っております。
    LNG (液化天然ガス)を主体としたガス事業は、 社会を支える重要基盤として安定供給を第一の使命とし「安全・安心」を確保した操業が常に求められています。多くのガス事業者様は、安定供給を前提にしながら需要増・供給域拡充に対する設備増強計画や事業における燃料調達戦略・ CO2削減、LNG基地運用の最適化・効率化を目指すなど様々な課題に取り組まれています。
    YOKOGAWA は、これまでLNGをコアとしたガス工場やガス広域導管ネットワーク設備に「安全・安心」をキーとした様々なソリューションを提供してきました。
    これからも最新の最適化・管理・制御・監視・支援システムや現場機器・分析計や計測器、保守サービスなどの最適ソリューション・製品・保守を通じて、お客様のビジネスパートナーとして総合エネルギー事業の発展に貢献します。

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    YOKOGAWAのコンサルティング/プロジェクト遂行能力、スマートマニュファクチャリングに向けた準備状態の評価能力を活用し、正しい方法でDX活動を加速させ、スマートマニュファクチャリング/IA2IA目標を実現するためのソリューションです。

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