横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

Exapilotによる作業負荷の削減と安全操業、安定品質の実現

サムスン石油化学株式会社 大山工場様 Samsung Petrochemical Co. Ltd. logo
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韓国主要産業の発展に貢献するPTAメーカ-

  サムスン石油化学株式会社(Samsung Petrochemical Co. Ltd.: SPCL)は、韓国の大手石油化学会社です。大山にある工場では、年間70万トンの高純度テレフタル酸(Purified Terephthalic Acid: PTA)を生産しています。
  PTAは白色の粉末で、パラキシレンを酸化精製することによって導出されます。もともとは、天然綿繊維の代わりとなるポリエステル繊維の原材料として開発されました。
現在では、優れた耐熱性と耐摩耗性を活かし、フィルム包装、PETボトル、炭酸水・ビール用の容器、タイヤコード(タイヤ用資材)、塗料、接着剤など幅広く使用されます。
  2010年時点で、全世界におけるPTAの年間需要は3900万トンに達し、2016年まで、年7%で成長を続けると期待されています。特にアジア諸国は成長率が高く、とりわけ中国とインドの成長率は顕著です。( Source from Petrochemical Industries in ASIA 2013 issue)

SAMSUMG, South Korea

Company Profile
会社名:サムスン石油化学株式会社
本社住所: 大韓民国ソウル特別市草瑞区草瑞大路74キル11 (草瑞洞)
サムスン電子ビル20階
設立:1974年(昭和49年)7月
事業内容:PTAの製造

Exapilot導入の背景

SPCL は、プラントをより安全に操業するための努力をしており、オペレータの作業負荷を軽減するため、複雑な操作手順を自動化したいと考えていました。横河韓国は、運転効率向上支援パッケージ『Exapilot』を納入し、既存の統合生産制御システム『CENTUM CS 3000』と統合しました。

導入と効果

1. 2000年まで、SPCL は、統合生産制御システム『CENTUM CS』と高度制御(Advanced Process Control:APC)パッケージを使用していました。この時期、各部門の品質管理を向上させ、より効率的な生産をするための努力の一環として『Exapilot』は試験的に導入されました。社内の品質管理(QC)活動で、4つの異なる生産グループが、手動手順を自動化するためにこのパッケージを使用し、社内コンテストで受賞しました。 SPCLは『CENTUM CS』を『CENTUM CS 3000』にアップグレードした際に、3基ある酸化反応器のスタートアップ/シャットダウン操作を含むプラントの全ての操作に『Exapilot』を適用しました。

Overview of PTA production process

PTA製造プロセス

 

2. 『Exapilot』の導入以前は、リアクターの緊急シャットダウンをするとき、オペレータは、リアクター温度調節計の設定値を徐々に下げるランプダウンや、バルブの開閉操作、半製品の一時貯蔵タンクへの移送、様々な再生処置の実行のような多くの異なる手動操作を集中的に行わなくてはなりませんでした。 同様に、リアクターをスタートアップする際にも多くの異なった手動操作をする必要がありました。 『Exapilot』はこれらすべての手順を自動化し、オペレータが、進行中の運転状況の監視や、確認をすることができるようにしました。今では、より安全に運転されるようになり、製品品質も均一化されました。 また、工場の廃水処理に関しても、集中的に行われる作業があります。分離プロセスに使用されるフィルターはカーボン浄化によりクリーニングを行う必要があります。手動で行う作業は、最大8時間かかり、1日に2、3回行う必要がある上、フィルターごとに約15台のバルブ操作を必要としました。このプロセスも『Exapilot』によって自動化され、その結果、オペレータの作業負荷が削減されました。

Graphic display

 

お客様の声

私たちの会社では、品質管理に細心の注意を払っており、すべての部門が担当分野での改善に努めています。私達のグループは、手動手順を可能な限り自動化することによって生産効率を高めることを目標としています。この目標を実現することは、24時間の安全運転、オペレータの作業負荷を低減、製品品質の均一化につながっています。

 運転は、全て『Exapilot』によって管理されていますが、インターロックだけは、『CENTUM CS 3000』に実装されています。『APC』およびイベント解析パッケージ『Exaplog』は、効率の付加的な改善をもたらすために導入されています。保全員は『Exapilot』の構築のために160個の内部スイッチを割り付け、全てのロジックが熟練オペレータにより実装されました。 『Exapilot』を通じて熟練オペレータのノウハウを若いオペレータに伝承しています。
  当社の中央制御室は静かで、生産は清々と進められています。

Jun Ho Hwang 大山保全チームチームリーダ

 

Central control room

Central control room (CENTUM CS 3000 and Exapilot displays)

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