横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

ジルコニア式酸素濃度計の予防保全機能について

日常のメンテナンスに必要な下記の情報を表示できます。
これらの情報を基に、校正の周期を決めることやジルコニアセルの準備などをタイムリーに行うことができます。

(1)スパン点補正率およびゼロ点補正率
センサ(セル)の劣化度合いの目安となるデータです。
下図の補正可能範囲を超えたとき、そのセンサは使用不可能となります。
スパン点補正率およびゼロ点補正率は、各校正を行ったときのデータを基にして求めます。

スパン点補正およびゼロ点補正

スパン点補正およびゼロ点補正

(2)セル応答時間
校正時に、下図に示す要領で求めます。ただし、ゼロまたはスパンのどちらか一方の校正だけしか行われなかった場合は測定されません。また、手動校正の場合も測定されません。
応答時間は、補正検量線を求めてから計算します。
アナログ出力のスパンの10%に相当する時点を応答時間のスタート点として、アナログ出力のスパンの90%に到達するまでに要した時間を算出します。
つまり、ここで言っている応答時間は、10~90%応答です。

セル対応時間

セル対応時間

(3)セル健康度
セル健康度は、セル(センサ)の寿命を予測するための指標です。
セルの使用可能時間を「1年以上」、「6ヶ月以上」、「3ヶ月以上」、「1ヶ月以下」の4つのランクで表示します(予防保全の目安であり、性能を保証するものではありません)。
セル健康度は、校正時に調べるセルの応答時間や内部抵抗値、ゼロ補正率およびスパン補正率などのデータを総合的に評価して決められます。

(4)セル起動力
セル(センサ)の起電力は、センサの劣化度合いなどを知るための指標となります。
画面には、現在、測定している酸素濃度のセル起電力が表示されます。この値が理論値に近似していれば、センサは正常と判断できます。
750℃で温度コントロールされている場合のセル起電力Eは、次式で表すことができます。
  E = -50.74 log (Px/Pa) [mV]
ただし、Px:測定ガス中のO2濃度
     Pa:比較ガス中のO2濃度(21%O2

下表に、セル温度750℃における酸素濃度とセル起電力の関係を示します。

セル温度750℃における酸素濃度(%02)とセル起電力(mV)の関係

(5)セル内部抵抗
新しいセル(センサ)の内部抵抗は200Ω以下ですが、使用時間の経過とともに抵抗値は大きくなります。
セル内部抵抗値だけでセルの劣化の程度を判断することはできませんが、劣化度合を知る目安とはなります。画面には、最新の校正時の値が表示されます。

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