安定した高い製品品質と一貫性で顧客満足度を高める
醸造メーカにとって、お客様に満足していただける味を追求し、ブランド価値を守るためには、品質への絶え間ない努力が必要です。中でも、ビール酵母の状態を正確に把握することが、品質向上と味の一貫性を維持する鍵となります。
酵母の生存率と状態を最適化することで、安定した発酵、風味のコントロールが可能となり、高品質で味わい豊かなビールを生産することができます。酵母の生存率と状態は、様々な点からビール発酵プロセスにおいて重要となっています。
発酵効率: 酵母は発酵過程において麦汁に含まれる糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する重要な役割を担っています。酵母の生存率と状態は、糖を効率的に発酵させる能力に直結します。
風味開発: 酵母は発酵中に様々な香気成分を生成し、個性豊かなビールの風味を作り出します。健全な酵母細胞は、好ましい風味と香りを生み出しますが、ストレスを受けた酵母はオフフレーバーを発生させ、ビール本来のおいしさを損なう可能性があります。
安定性と再現性: 酵母の生存率と状態を管理することで、安定した品質を実現することができます。またバッチごとに一貫した酵母の発酵力性能を維持することによって、風味、香り、全体的な品質が長期にわたり一定に保たれます。
課題
醸造生産において、酵母の正確な定量・評価は極めて重要なプロセスとなります。酵母細胞のカウントには、血球計算板を使用して顕微鏡下で手動で測定する方法が広く使われていますが、検査員に頼るところが大きい作業であるなど、さまざまな課題があります。
・前処理が煩雑
・色素がデトリタス(酵母の残骸)に吸収され、間違いが生じやすい
・顕微鏡観察によるストレス
・ヒューマンエラーが起こりやすい
・限られた狭い視野から細胞数を計算するため、細胞数の計算値の再現性がまばらになる
ソリューション
YOKOGAWAのFlowCamで酵母計数を自動化。
より正確かつシンプルに。
FlowCamは流体サンプルの粒子解析に特化したイメージング装置です。フローサイトメトリーと顕微鏡検査の利点を併せ持ち、フローセルを通過する個々の粒子を高解像度で撮像することができます。また撮像と同時に、サンプル中の個々の粒子に対して、サイズ、形状、特徴量を出力することができます。
サンプル採取・注入 液体中の酵母の撮影 粒子画像の抽出及び画像解析 数値化・統計解析
・複数種の菌、酵母生存数を同時に計測・評価
・酵母の生死、および増殖中の酵母を自動的に分析
・大量の粒子情報を色で分類。数、濃度、画像が数分で取得・解析可能
・圧倒的なサンプル量のため、統計的有意性が向上
・ヒューマンエラーと計測する人による誤差を低減。再現性のあるデータを取得可能
・10μm以下の酵母だけが必要なので、物理フィルターは1回でOK
・サンプルを装置に注入して測定スタートするだけのシンプル操作
YOKOGAWAのライフ事業ビジョン
YOKOGAWAは長年にわたり食品・飲料製造業のお客様をサポートしてきた経験と知見をもとに、業界の課題解決や業務の最適化を実現し、お客様とともに新たな価値の共創を目指します。私たちの強みである「はかる・みる・つなぐ」の技術で、世界に先駆け“Bio Industrial Autonomy (BIA)” を実現し、笑顔で暮らせる社会の発展に貢献し続けます。
業種
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