横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

可変速駆動装置の生産効率化

お客様の課題

プラントに欠かせない可変速駆動装置

石油・ガス業種をはじめとするさまざまな工業プラントでは、ポンプやコンプレッサなどの主要な装置を駆動させるために、可変速駆動装置(VSD: Variable Speed Drive)が用いられています。従来のガスタービン等を用いた方法に比べて、エネルギー効率が高いことが特長です。

高効率運転の妨げとなる送電ケーブルの過熱

しかし、高い生産性を得ようとVSDの出力レベルを上げ過ぎると、接続されている高圧の送電ケーブルが過熱し、電圧が低下してプロセス効率が下がったり、機器の停止や火災発生といったリスクが生じます。主な過熱の原因は高周波歪みなどによるものです。 多くの場合、送電ケーブルの温度や異常過熱しているホットスポットを正確に把握することができないので、ユーザは経験値をもとに、負荷がかからないようVSDの出力レベルを決定しており、ポンプやコンプレッサなど装置の最適なパフォーマンスを得られていません

プラントイメージ2

プラントイメージ1

 

ソリューションとベネフィット

送電ケーブルの温度を見極めて、VSDの出力を最大化

YOKOGAWAのDTSXの光ファイバ温度センサケーブルを高圧送電ケーブルに敷設することで、ケーブルの温度分布を、正確かつリアルタイムに測定することができます。これにより、ケーブル温度およびホットスポットの状況を監視しながら、VSDの出力レベルを動的に制御することが可能となりますので、安全な状態を維持しながら、生産性を飛躍的に向上させることができます。
たとえばお客様のガスギャザリングシステムでは、ケーブルの温度が85℃に達した場合にアラームを発報するように設定し、90℃を限界値として、温度が超過しないよう監視しながらVSDを運転することで、天然ガス生産量を1ユニットにつき日あたり120,000ドル分、増産することに成功しました。

光ファイバセンサケーブル

光ファイバ温度センサケーブルは、長距離でも1メートル単位で温度を正確に測定することができます。設備が置かれた環境や、地理的・気候的な環境などで、送電ケーブルの温度が高温になりやすい過酷な運転環境においても、VSDの安全かつ最適な高効率運転をお手伝いします。

ホットスポット監視により、送電ケーブルの異常過熱を迅速に検知

長距離を1メートル単位で温度測定できる光ファイバ温度センサケーブルにより、送電ケーブルの劣化などによる異常過熱を、発生箇所とともに迅速に検知することができます。異常発生時に素早く初動対応できることで、火災の発生を未然に防ぎ、予期せぬプラントの稼働停止を防止します。

グラフ

設備状態の傾向を監視し、効率的な保全を実現

DTSXを用いて送電ケーブルの温度を24時間365日監視し、データを蓄積することにより、設備の通常時の状態を可視化できます。データの比較によって、経年変化で送電ケーブルの劣化・損傷が進み、本来のパフォーマンスが発揮されなくなってきている状態も把握することが可能です。これらのデータは、設備の状態に応じた保全の計画立案・実施に活用することができます。

 

DTSXによる温度モニタリングの仕組み

ラマン散乱光の強さを利用して温度を測定

光ファイバケーブル中に照射された光は、後方にラマン散乱光 ~照射された光と異なる周波数を持つ光~ を発しながらケーブル内を進むことが知られています。 DTSXは、このラマン散乱光の強さが、温度と相関があることを利用して、光ファイバケーブルが敷設されている箇所の温度を測定(*) します。 

たとえば6kmの光ファイバケーブルで、6,000点の温度が測定可能

光の往復時間と光速とを計算することで、温度を1メートル毎に測定します。 測定ポイントも、1メートル単位のピンポイントで特定することができます。

後方ラマン散乱光

炉の鉄皮

(*) 1メートル毎の平均温度を測定

業種

  • ガス・LNG

    メタンを主成分とする天然ガスは他の化石燃料に比べ、CO2の排出量が少ないため、温暖化効果ガスの発生が少なく、また世界中に産出地があり安定した調達ができる事から、重要な1次エネルギーを担っております。
    LNG (液化天然ガス)を主体としたガス事業は、 社会を支える重要基盤として安定供給を第一の使命とし「安全・安心」を確保した操業が常に求められています。多くのガス事業者様は、安定供給を前提にしながら需要増・供給域拡充に対する設備増強計画や事業における燃料調達戦略・ CO2削減、LNG基地運用の最適化・効率化を目指すなど様々な課題に取り組まれています。
    YOKOGAWA は、これまでLNGをコアとしたガス工場やガス広域導管ネットワーク設備に「安全・安心」をキーとした様々なソリューションを提供してきました。
    これからも最新の最適化・管理・制御・監視・支援システムや現場機器・分析計や計測器、保守サービスなどの最適ソリューション・製品・保守を通じて、お客様のビジネスパートナーとして総合エネルギー事業の発展に貢献します。

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  • 石油

    日本の石油産業の各お客様は、プラントの老朽化や運転員の世代交代といった運転リスクの増大に対して、現場の保安力強化をはじめとする様々な取組みを進められています。
    当社は、計測・制御・情報の分野で長年培ったノウハウと最新・最高の技術をベースに、日本の産業基盤を支えるお客様の課題解決ソリューションを提供し、お客様の将来の発展に向けた新たな価値を共創していきます。

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関連製品&ソリューション

  • 光ファイバ温度センサ DTSX200

    DTSX200 は、温度測定対象や領域が小中規模で、光ファイバケーブルが短距離の場合に最適な、普及版機種です。低消費電力であることと、温度測定環境に左右されることが少ないため耐環境性に優れています。

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  • 光ファイバ温度センサ DTSX3000

    DTSX3000 は、「 1台で、もっと長距離で、もっと広範囲に渡っての温度分布監視がしたい」というご要望に応えて開発した光ファイバ温度センサです。長距離温度測定と、高い温度分解能に対応できる機能を備えたフラグシップモデルです。

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  • 線形熱感知器 DTSX1

    DTSX1 は、熱検知に必要な機能を 1ボックスに収納した熱感知器です。光ファイバケーブルで測定して温度データを高精度に解析し、高温の熱検出を行います。

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  • 光ファイバ温度センサ DTSX

    温度センサーに光ファイバを使用した光ファイバ温度センサ DTSXは、長距離・広範囲の生産設備を24時間もれなく温度監視することで、設備異常を素早く検知し、発生場所を特定します。精度の高い予知保全でダウンタイムを回避して工場の安定稼働を実現します。

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