エッジコンピューティングによるオンライン機械学習を活用し、装置の「いつもと違う」をリアルタイムに検知
従来の設備診断は、ベテラン保全員が現場に赴き五感による設備の異常や異常発生前の微かな予兆を発見する現場志向かつ属人性の高い領域でした。昨今、ベテラン保全員の勇退による技術伝承不足が深刻な問題となりつつあり、人の技能に依存しない設備管理の仕組み化に対するニーズが高まっています。
DUCSOnEX(ドゥークス・オン・イー・エックス)はエッジコンピューティング(*1)と機械学習(*2)を用いて「いつもと違う状態」を検出するパッケージソフトウェアであり、人の技能に過度に依存しない新しい設備診断を実現します。
*1 現場の機器や端末の近くで演算や処理を行うことで、通信遅延の短縮や端末の負荷を低減する技術
*2 人間の学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術
設備管理の仕組み化における課題:形式知化が困難
DUCSOnEXの特長
このような課題への対策として、エッジコンピューティングと機械学習を用いた「異常予兆検知ソリューション」をご提案します。
データ収集しながら監視(自動モデル構築/状態分析)し、必要なデータのみ蓄積することで、「通信インフラ構築コストの最適化」と「監視モデル作成にかかる時間の大幅短縮」を実現しました。
装置の突発的な異常発生やその予兆検知をする際、情報を即時に共有することで迅速かつ的確なアクションを起こすことが可能となり、設備稼働率や安全性への寄与につなげることができます。このようなソリューションを具体化するための仕組みとして、価値共創環境「GRANDSIGHT」、設備保全管理システム「eServ」、およびアフターサービス基幹業務ソリューションパッケージ「ServAir」を提供しています。DUCSOnEX とこれらのソリューションを連携することで、装置メーカ様はエンドユーザーに納入した設備の異常予兆を把握し、設備が停止する前にしかるべき措置を提案することができます。それにより、「突発的な設備異常発生による生産ロスの低減」という付加価値をエンドユーザーに提供することができ、「攻めのサービス」が可能となります。
エッジコンピューティングは設備管理だけではなく、製品品質の安定化など様々な業界の関連設備で、IoT ソリューションを実現していくためのツールとして高いポテンシャルを持った技術です。
さらには、エッジコンピューティングとクラウドコンピューティングを活用することで各種システムの統合が可能となり、つながる工場を加速していくための基盤ともなりえます。
YOKOGAWA ではこれらの取り組みをさらに加速し、製造業ユーザの付加価値創出、そして「安心」「安全」「将来にわたって持続可能」な生産の実現に貢献していきます。