横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

一体型ジルコニア式高温湿度計 ZR202G

一体型ジルコニア式高温湿度計ZR202Gは、検出器と変換器が一体化された構造となっています。サンプリング装置を全く必要とせず、高温空気中の湿度を、連続的に測定するもので、蒸気や電熱を熱源とする乾燥機などに使用されます。各種工業の乾燥機や加湿機などの湿度の管理・制御に最適で、生産性向上に大きな成果を上げることができます。

検出器は多種類取り揃え、最適な測定を行うために補助用品も準備されています。また、校正を自動化するための機器類もいろいろと揃っています。操作部は光スイッチを採用し蓋を開けずに現場で操作することができます。また、HART通信によるリモートメンテナンスが可能です。

特長

  • 配線・配管および設置コストが削減可能
  • 光スイッチにより蓋を開けずに現場操作可能
  • 環境にやさしい現場交換型
  • 現場でジルコニアセンサとヒータ・アセンブリ一式の交換が可能

 

アプリケーション

  • 繊維工場の発色工程
  • コンクリート製品の蒸気養生工程
  • タバコ、食品、紙・パルプ工業などの製造工程
  • 建材、木材、石膏ボード、食品などの各種製造乾燥工程
  • 食品などの各種製造加湿工程 

 


About OpreX

OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Measurement配下のOpreX Analyzersに属します。 

詳細

仕様

測定対象 混合ガス(空気+水蒸気)中の水蒸気vol%
測定方式 ジルコニア式
測定範囲 0.01~100 vol%O2、0-100 vol%H2 O
測定ガス圧力 -5 ~+2 kPa
測定ガス温度 0~700 °C

 

特性 (大気中の酸素濃度測定からの換算値)

繰返し性 ±1 vol%H2O
直線性 ±2 vol%H2O (使用圧力±0.49 kPa以内)
ドリフト ゼロ、スパン共 ±3 vol%H2O/月
応答速度(90%) 5秒以内

測定原理

固体電解質(ジルコニア素子)は高温で酸素イオンに対して導電性を示しますので、ジルコニア素子の内外面に白金系の電極を付けて加熱し、素子内外に酸素分圧の異なるガスを接触させますと、酸素イオンが分圧の高い方から低い方へ流れて電圧を発生します。ジルコニア素子の測定電極面に試料ガスを導入し、基準電極面に空気(21.0 vol%O2)を流通させますと、両電極間に生ずる起電力E(mV)は次のNernstの式で与えられます。

測定原理

本湿度計の場合、試料ガスは、水蒸気と空気との2成分ですので

測定原理

測定原理
 

関連情報

一体型ジルコニア式酸素濃度計のシステム構成は、校正方法により3種類に分けられます。 また、比較ガスの取り入れ方には、検出器付近の空気を自然対流で取り入れる方法と、計装空気を使う方法とがあります。 検出器付近の空気を使う方法は手軽ですが、下記に示すような問題がありますので、計装空気が用意できる場合は、計装空気を使うことを推奨します。 自然対流方式の場合: 取り入れる空気の湿度や気圧変動の影響を受けます。 湿度や気圧が大きく変動すると、測定誤差を生じますので注意が必要です。 計装空気を使う場合:...
暖機中、校正中およびエラー発生などのとき、出力信号を直前の測定値またはあらかじめ設定した値に保持することができます。 下表に、機器の状態と設定可能なアナログ出力の保持値の関係を示します。 ...
一体型ジルコニア式酸素濃度計は、接点入力を2点まで接続できます。 接点入力は、外部からドライ接点信号(無電圧接点)受けることによって、あらかじめ設定された機能を実行します。 下表に設定項目および機能の一覧を示します。 ...
一体型ジルコニア式酸素濃度計には、接点出力が2点用意されています。 接点出力1は、常時励磁にするか常時非励磁にするかを選択することができます。また、設定項目も選択することができます。 接点出力2は常時励磁で、検出器ヒータ電源の安全スイッチと連動しています。そのため、接点出力2が出力されると、検出器ヒータへの電源供給が止まり、その結果、「Err-01」(セル起電力異常)または「Err-02」(ヒータ温度異常)が発生します。 設定できる項目は下記のとおりです。 アラーム関係 上上限警報...
測定時のジルコニア式酸素濃度計のセンサ(ジルコニア素子)は、700~750℃に加熱されています。 一酸化炭素、水素およびメタンなどの可燃性ガスが存在していると、これらのガスは検出器内で燃焼して酸素を消費するため、酸素濃度計の測定値は実際より小さな値を示します。 したがって、ジルコニア式酸素濃度計は、共存する可燃性ガスの影響を無視できる場合、あるいは影響分を補正できる場合に採用してください。 一般に、ボイラや工業炉などの熱設備から排出される燃焼排ガスは完全燃焼しているので、酸素に比べて一酸化炭素な...
ジルコニア式酸素濃度計では、酸素濃度値が明確で常に一定しているガスを比較ガスにします。通常は、比較ガスとして空気が用いられます。 乾燥空気の酸素濃度は20.95%の一定値ですが、一般に空気には水蒸気が含まれており、この水蒸気が含まれた空気の酸素濃度は温度や湿度によって変わります。 ジルコニア式酸素濃度計は、比較ガス(空気)の温度および湿度が、校正時と測定時とで大きく異なっていると測定誤差が生じます。 計装用空気を比較ガスとする場合は、この誤差は無視することができますが、比較ガスとして計装用空気を...
プラントの運転休止時にジルコニア式酸素濃度計の運転も停止させてしまうと、検出器の接ガス部で結露が生じ、ダスト等を付着させることがあります。この状態で運転を再開すると、センサに付着していたダストが固着して、センサの性能を著しく劣化させてしまいます。 また、凝縮水が溜まっていると、熱ショックでセンサが破損し使用不能となってしまいます。 ジルコニア式酸素濃度計の運転を止めるときは、次の処置を行うことが大切です。 ジルコニア式酸素濃度計の電源は、供給したままにしておきます。 また、比較空気も流し...
定期的に運転、休止を繰り返すようなアプリケーションで使用する場合は、ジルコニア式酸素濃度計には電源を連続して供給してください。センサ周りに不要な温度変化がかかるのを避けるためです。 また、校正用ガス(計装空気)を流しておくことを推奨します。 ...
ジルコニア式酸素濃度計の校正の概要
(an-zr-06-calibration-overview)
ジルコニア式酸素濃度計のセンサ(セル)起電力は、ネルンスト(Nernst)の式によっています。 センサ(セル)を700~750℃に加熱し、比較ガスに空気を用いたときの測定ガスの酸素濃度とセンサ(セル)起電力の関係は、下図のようになります。 しかし、これは理論上のことであり、実際のセンサ(セル)起電力は理論値からずれているのが普通です。 また、使用時間の経過とともにセンサが劣化し、起電力も変化してきます。そのため、校正用ガスを使った校正を行い、理論値とのずれを補正する必要があります。 測定...
ジルコニア式酸素濃度計の校正には、酸素濃度の明確なガスを使用します。 通常は、酸素濃度の低い「ゼロガス」と酸素濃度の高い「スパンガス」の2種類のガスを用いて行います(2点校正)。 また、どちらか一方のガスを用いて校正する1点校正もできますが、この場合でも初回またはセンサ交換後、必ず2種類のガスを用いた2点校正を行ってください。 通常、「ゼロガス」および「スパンガス」は、下記のガスを使用します。 ゼロガス :酸素濃度0.95~1.0vol% O2で、残りがチッソガス(N2) スパンガス:計...
ジルコニア式酸素濃度計の校正は、ゼロガスおよびスパンガスを用いた2点校正とスパンガスだけを用いて行う簡略的な1点校正があります。 (1)2点校正: 下図に、ゼロガスおよびスパンガスを用いた2点校正の場合を示します。 酸素濃度p1のスパンガスに対するセル起電力と酸素濃度p2のゼロガスに対するセル起電力を測定し、これらの2点間を通る検量線を求めます。 その後、この補正前検量線を、理論値に基づく理論検量線と一致するように補正します。 なお、図に示すA、B、Cから、 B/A×100 (%)...
炉内圧が高い場合、あるいは炉内圧力変動がある場合は、炉内と比較空気との圧力バランスがくずれ、酸素濃度を正確に測定することが困難になります。このような場合は、検出器の圧力補正機能を使用して、比較空気を炉内に戻すことにより、炉内と比較空気側との圧力バランスを保ち、信頼性の高い測定をすることができます。この機能を使用することで、炉内圧力250kPaまでの測定が可能になりました。 圧力補償方式 ...
ジルコニアセルを交換した場合は、必ず、「ゼロガス」および「スパンガス」を用いた2点校正を実施してください。 なお、校正は通常測定している状態(炉に取り付けている場合は、炉の運転状態)で行ってください。 ...
回収ボイラやセメントキルンなどのように、測定ガス中に多量のダストを含んでいる場合、プローブの目詰まりが短時間で生じます。これを防ぐためには、ダストの除去を空気圧で行うブローバックが有効です。 ジルコニア式酸素濃度計のブローバックの動作モードには、次の2通りの方法があります。 半自動ブローバック: タッチパネルからの操作、または接点入力信号によってブローバックをスタートさせ、その後、あらかじめ設定してあるブローバック時間および安定時間に基づいて、一連のブローバック動作を行います。 自動...
日常のメンテナンスに必要な下記の情報を表示できます。 これらの情報を基に、校正の周期を決めることやジルコニアセルの準備などをタイムリーに行うことができます。 (1)スパン点補正率およびゼロ点補正率 センサ(セル)の劣化度合いの目安となるデータです。 下図の補正可能範囲を超えたとき、そのセンサは使用不可能となります。 スパン点補正率およびゼロ点補正率は、各校正を行ったときのデータを基にして求めます。 スパン点補正およびゼロ点補正 (2)セル応答時間 校正時に、下図に示す要領で求めます...
ジルコニア式酸素濃度計の校正の動作モードには、次の3通りの方法があります。 手動校正: ゼロ校正およびスパン校正、またはそのどちらか一方を順次手動で行います。 半自動校正: タッチパネルからの操作、または接点入力信号によって校正をスタートさせ、 あらかじめ設定してある校正時間および安定時間に基づいて、一連の校正動作を行います。 自動校正: 設定した周期で自動的に校正を行います。 校正時間などの設定は、下記のように行います。 (1) 手動校正の場合 「出力安定時間」を設定します。 「出力...
酸素濃度計の校正証明書は、下記製品について発行できます。 対象製品 TDLS8000 レーザガス分析計 TDLS8200 プローブ形レーザガス分析計 ZR802G 分離型ジルコニア式酸素濃度計 変換器 ZR202G 一体型ジルコニア式酸素濃度計 ZS8C 防爆形ジルコニア式酸素濃度計 変換器 AV550G ジルコニア式酸素濃度計 アベレージングコンバータ OX400 低濃度ジルコニア式酸素濃度計 MG8G 磁気式酸素濃度計 MG8E 防爆形磁気式酸素濃度計 校正証明書...
酸素濃度の測定方式 現在市販されている酸素濃度計の測定方法を分類すると下記のようになります。 レーザ分光式: レーザ分光式(弊社製品形名:TDLS8000, TDLS8200) ジルコニア式: 濃淡電池式 (弊社製品形名:ZR22G/ZR802G, ZR202G, ZS8D/ZS8C, OX400) 限界電流式 磁気式: 磁気流量比式 (弊社製品形名:MG8G, MG8E) 磁気風式 磁気力式ダンベル形 電極式: ガルバニ電池式 ポーラログラフ式 測定方式により、それぞれ長所...
空気比とは、燃料を完全に燃焼させるために理論的に必要な空気量(理論空気量)と実際に燃焼用として送り込まれた空気量との比をいいます。 空気比mは、次式によって算出されます。 このように、空気比は排ガス中の酸素濃度を測定することで求めることができます。 図1.空気比と熱効率の関係 図に空気比と熱効率の関係を示します。 燃焼制御において、燃焼用空気が少ない場合(空気比が小さい領域)、燃料は不完全燃焼となり、黒煙が発生します。これによりエネルギー損失が起こり、公害の問題も発生します。 ...
燃料の燃焼による排ガス中には、燃料中の炭化水素や水素の燃焼で生じた水蒸気が含まれています。 ジルコニア式酸素濃度計のように、煙道中のガスを直接測定するような場合は、水分を含んだままの排ガスを測定しています。このような条件での測定値は、「湿りガスベース」の値と呼ばれます。 一方、排ガスをサンプリングして測定するタイプの濃度計では、試料ガスは濃度計に導かれる過程で常温までガス温度が下げられ、凝縮水となった水分も試料ガスから除去されます。このように、水分を除去して測定した値は、「乾きガスベース」の値と...

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