横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

安全計装システム ProSafe-RS Lite

国際的な安全度水準SIL2(※1)認証の「ProSafe-RS Lite」は、安全計装システム「ProSafe(プロセーフ)」シリーズを拡充します。現場で要求されるSILに見合った導入コストで、安全計装システムをSIL2(ProSafe-RS Lite)、SIL3(ProSafe-RS)、SIL4(ProSafe-SLS)まで選択できます。「ProSafe」シリーズの継続的な機能強化により、プラントの安全な運転に貢献します。

※1 : 安全度水準(Safety Integrity Level:SIL)は、国際電気標準会議(IEC)が制定した電気・電子・プログラマブル電子機器の機能安全に関する規格IEC61508で導入されている安全性評価の尺度。SIL1からSIL4までレベルが区分されています。プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いをSIL2は1/100から1/1,000の範囲に、SIL3は1/1,000から1/10,000の範囲に、SIL4は1/10,000から1/100,000の範囲に低減できます。

ProSafe-RS Lite R4.10機能アップ概要 (2023年11月)

  • Windows 10 Enterprise LTSC 2021、Windows Server 2022 Standard対応

ProSafe-RS Lite製品概要

ProSafe-RS Liteは、ProSafe-RSで長年培った高信頼性技術を継承、CENTUM VP/ProSafe-RSとの組み合わせで、プロセス制御、ESD、ユーティリティを含んで統合オペレーションが可能になることにより、プラントの安全性と信頼性に大きく貢献できます。

シングルモジュール構成でSIL2を実現

市場にある多くのSIL2対応の安全計装システムは、モジュールを多重化することでSIL2を実現していますが、「ProSafe-RS Lite」は、シングルモジュール構成でSIL2を実現します。シンプルにシステムを構成できるため、エンジニアリングを含めた導入コストやメンテナンスなどのランニングコストを抑えることができます。 さらに、二重化モジュール構成にすることで、片方のモジュールが故障してもSIL2を維持し、高稼働率で高い安全性を実現することができます。

制御システムとの統合環境

統合生産制御システム「CENTUM VP」や「ProSafe-RS」との統合が可能です。運転員は、見慣れた「CENTUM VP」の監視操作端末(HMI)で、プロセスの監視制御に加え、緊急遮断、防消火設備、およびボイラーなどに装備された安全計装システムを一元化して監視できるようになり、非定常時には、安全計装システムが発するアラームから状況を迅速に把握して的確な対応を可能にします。

既設システムにSIL2システムの追加が容易

「CENTUM VP」や「ProSafe-RS」と同じ制御バスVnet/IP(※2)に対応しています。Vnet/IPで構築された既設のシステムに、「ProSafe-RS Lite」を容易に追加することができます。また、「ProSafe-RS」の安全エンジニアリングツールを使用できますので、新たなツールを導入・学習する必要はありません。

※2: Vnet/IPは、YOKOGAWAが開発した、高信頼性と即応性を両立させた制御ネットワークで、プロセス産業用の通信規格として国際標準IEC61784-2に準拠しています。

 


About OpreX

OpreXは、YOKOGAWAのテクノロジーとソリューションの卓越性を集約した、制御事業の包括ブランドで、カテゴリーとその配下のファミリーから構成されています。本製品はOpreX Control配下のOpreX Control and Safety Systemに属します。

詳細

エンジニアリング環境の革新

ProSafe-RS Liteは、安全計装システムの重要な要素である入出力装置のラインアップを追加するとともに、エンジニアリング環境の革新を図りました。これにより、安全計装システムの構築、設置の際の工数の短縮、工期の削減に貢献します。

安全計装 ProSafe-RS システム構成例

 

エンジニアリング品質と効率の向上

長期に及ぶプラントライフサイクルでは、プラントの増設・改造、担当者の変更などが発生し、設計情報と実際のシステムとの乖離が起こり、品質の低下を招きます。

ADスイートは、長期間に及ぶプラントライフサイクルに渡り、システムの設計情報の一貫性を保ち続けます。お客様の設計資産を最新かつ長期に維持でき、変更によって影響を受ける範囲の明確化ができるため、システムの増改造や保守の際に設計情報と実際のシステムでの乖離が無く、無駄な工数を抑えられます。

エンジニアリング品質と効率の向上

 

防消火システム(FGS: Fire & Gas System)としての導入・運用の効率化

防消火システム(FGS)

煙/熱検知器を再起動する機能をIOモジュールに内蔵しており、再起動用の周辺機器と回路が不要になります。
また、ガス/炎/煙/熱検知器を監視制御する標準のソフトウエア機能ブロックとHMI部品を使用することにより(デュアルフェース・フェースプレート)、最適なエンジニアリングと運転を支援します。

フレキシブルなシステム構成

ProSafe-RS Liteの最小システムはCPUノード1台で構成します。この場合、最大8枚のI/Oモジュールまで実装できます。
また、1台のCPUノードには最大13台のI/Oノードを拡張することができ、各I/Oノードには最大8枚のI/Oモジュールを実装できます。
CPUノード1台の小規模システムでは約100点の入出力チャネルを実装できます。また、1台のCPUノードに最大13台のI/Oノードを接続した場合には、約1500点の入出力チャネルを実装できます。

安全計装 ProSafe-RSの最小システム
小型化、省スペースを実現する安全計装システム

ProSafe-RS Liteは、CENTUM VPのフィールドコントロールステーション(FCS)と同一サイズで、従来の安全計装システムに比べ小型化を実現し、設置スペースを削減できます。また、高性能CPUの採用により高速スキャンも実現しています。

ProSafe-RS Liteは、CENTUM VPで採用している制御バスインタフェースをもち、CENTUM VPのフィールドコントロールステーション(FCS)やヒューマンインタフェースステーション(HIS)との通信、CPUノード間でのセーフティ通信などフレキシブルな通信を行います。セーフティ通信は横河電機が独自に開発した安全専用のプロトコルです。

制御バスインタフェースでフレキシブルな通信

仮想化システム

1台の仮想化ホストコンピュータ上で、複数のコンピュータの機能・動作をもたせる、プロセス制御システム用の仮想化システムを提供しています。

仮想環境を構築するために必要なハードウェアとソフトウェアをプラットフォームとして提供することで、コンピュータの台数を削減し、維持コストを低減します。
仮想化されたサーバー環境では、ハードウェアとソフトウェアそれぞれを適切なタイミングで拡張・更新することが可能になり、TCO(Total Cost of Ownership)の削減に寄与します。
また、高可用性(High Availability: HA )クラスター構成を利用することで、故障時の復旧時間を短縮することができるなど、プラントのOPEX削減にも貢献します。

※HAクラスター構成とは、可用性を高めるために複数台の仮想ホストコンピュータを専用ネットワーク(HAクラスター用ネットワーク)で相互接続することで、システムの冗長化を可能とした構成です。

システムの仮想化でTCOの削減に寄与

FIO (Field network I/O)

  • 豊富な実績を持つ、多様な入出力信号に対応するモジュールをラインアップしています。
  • 通信モジュールを用いることで、Modbus TCP/RTU(マスター/スレーブ)通信が可能です。
  • ノード間を接続するバスに光ケーブルを用いることで50Kmまで延長できます。
  • シングル構成でSIL2を実現します。冗長化構成も可能です。
  • 専用ターミナルボード(M4端子等)、ケーブルを用意しています。
  • 19インチパネル取付けに最適です。
FIO

安全性と信頼性

ProSafe-RS Liteは安全性を第一に設計していますが、プラント操業においては稼働率を重視することも不可欠です。いざと言う時に確実に動作し、さらに稼働率向上のために高度なフォルトトレラント技術も取り入れました。

シングル構成でSIL2の安全性を実現

ProSafe-RS LiteのCPUモジュール、I/Oモジュールは、安全計装システム専用のモジュールで、豊富な自己診断機能を持ち高信頼性を実現しました。
これにより、シングル構成での安全度水準SIL2が可能となりました。

シングル構成でSIL2の安全性実現

 

高稼働率の実現

ProSafe-RS LiteはCPUモジュール、I/Oモジュールともに冗長化が可能です。冗長化構成をすることによりプラントの稼働率向上を実現します。さらに、冗長化方式はフレキシブルな組み合わせが可能です。例えば、扱う信号の目的に合わせて、入力モジュール、出力モジュールを部分的にシングル構成とすることも可能です。

安全計装システム冗長化構成で高稼働率を実現

部分作動検査(PST: Partial Stroke Test)

  • 統合機器管理ソフトウェアパッケージ PRM(Plant Resource Manager)を使用して、SCSに接続されたセーフティバルブのPST(Partial Stroke Test)ができます。
  • PSTを定期的に行うことにより、安全ループのSILレベルを維持しながらProof Testの間隔を延ばすことができ、プラントの保守コストを削減できます。
  • PSTのスケジュール機能により、スケジュールに合わせて自動的にPSTを実施することができます。

部分作動検査(PST)

Prosafe-RS Lite 認証と適合規格

ProSafe-RS Liteが取得している認証

ProSafe-RSが適合している規格

ProSafe-RSシステムのハードウェア機器は、以下に示す規格の規定に従い、工業環境向けに設計しています。工業環境下でご使用ください。

  • プログラマブルコントローラ規格 IEC 61131-2
  • 機能安全規格 IEC 61508 , IEC 61511-1, IEC 62061
  • アプリケーション規格 EN 54-2, EN 298, EN 50156-1, NFPA85, NFPA86, NFPA72
     
  • 安全規格
    CSA
    CE Marking
    EAC Marking
    Morocco Compliance Marking
    UKCA Marking

  • EMC規格
    CE Marking EMC Directive
    RCM
    KC Marking
    EAC Marking
    Functional Safety
    Morocco Compliance Marking
    UKCA Marking
     
  • 防爆規格
    FM Non-Incendive
    ATEX Ex “ec”
    IECEx Ex “ec”
    ECAS-Ex “ec”
    UKEX-Ex “ec”
     
  • 船級規格
    American Bureau of Shipping (ABS)
    Bureau Veritas (BV)
    Lloyd’s Register
    DNV

従来のリレーシステムからProSafe-RSへのマイグレーションのご提案

リレーによる緊急遮断システムでは、制御システムとのデータの連携がよくなかったり、定期修繕時にリレー回路の保守作業に予想以上の時間がかかったり、トリップが発生しても要因の解析に手間がかかったり、と問題がありました。
安全計装システムProSafe-RS Liteは、これらの問題を解決できます。

従来のリレーシステムからProSafe-RSへの更新

 

Prosafe-RS リレーシステムとの違い

緊急遮断システム、インターロックシステムで従来使用されているリレーシステムでは、次のようなことがいえます。

  1. 安全度水準(SIL: Safety Integrity Level)での安全性認証取得が困難です
  2. 配線診断などループでの健全性チェック機能がありません
  3. リアルタイムにシステムの健全性チェックが行えません
  4. トリップ発生時の要因調査に手間がかかります
  5. 制御システムなど他システムとのデータ取り合いのために信号取り合いが必要です
  6. トリップなどの非定常動作が発生した場合に制御システムなどとフレキシブルな監視操作が行えません

従来のリレーシステム

 

ProSafe-RSはこれらの問題点を解決します。

  1. 機能安全規格(IEC 61508/IEC 61511、JIS C 0508/JIS C 0511)に適合した安全性を実現します
  2. 安全認証(TÜV、SIL2)を取得しています
  3. 配線診断などループ全体の健全性を常時診断します
  4. リレーシステムのような定期検査は不要です
  5. 冗長化構成による高稼働率を実現します
  6. 冗長化構成により、CPUモジュールとI/Oモジュールのオンライン交換が可能です
  7. イベント記録によるトリップ要因の調査が容易です
  8. CENTUM VPでの本格的な監視操作が可能です

ProSafe-RSのリレーシステム

関連情報

概要:

タービン発電機 水素冷却装置からの水素リークの無線検知ソリューション

業種:

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