電力消費量の大幅削減

高度制御の事例

電力消費量の大幅削減に貢献

住友化学工業株式会社殿(以下、住友化学殿と省略)は日本を代表する化学会社の一つです。2003年度の連結売上高は約1兆1,158億円です。1913年に現在の愛媛県新居浜市において銅精錬から排出される副産物を原料として肥料の生産を開始したのが住友化学殿の事業の始まりです。住友化学殿現在、各種基礎化学製品を生産しています。

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住友化学愛媛工場殿の全景
住友化学愛媛工場殿の全景

プラント概要

Exasmoc はShell Global Solutions International と横河電機が開発した多変数モデル予測制御パッケージで、全世界の石油や石油化学プラントで広く使われ、多大な利益をもたらしています。Exasmoc は愛媛工場の電解ソーダプラントに導入され、電解槽の省エネ運転に寄与しています。電解ソーダプラントは下記の図に示すように、塩化ナトリウム水溶液(以下、塩水と省略)を電気分解して苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、水素ガス、塩素ガスを生産します。愛媛工場の塩素ガス生産量は年間約10万トンで、各種プラントの主要原料として使用されています。

概要図

Exasmoc導入理由

住友化学殿は旧制御システムを横河電機の最新DCSであるCENTUM CS 3000に更新し、このDCS更新を機に更なる運転の高度化のため、新たにExasmocとExapilot(運転支援パッケージ)を導入しました。Exasmoc は他の多変数予測制御パッケージと比較して以下のような特長があります。

  1. Exasmoc とExapilotの運転を1台のオペレータコンソールに統合できる。
  2. Exasmoc はチューニング方法が簡単で多彩な最適化機能が実現できる。

Exasmoc導入効果

Exasmoc制御システムの設計ご担当者様からは
「期待以上の消費電力削減が実現し、プロセスの安定化につながった」と高い評価を受けています。

Exasmoc による省エネ運転の実現

Exasmoc による省エネ運転の実現

図2 Exasmocによる電解槽温度の制御

Exasmocによる電解槽温度の制御

図3 Exasmocによる循環水温度の制御

電解ソーダプラントは大量の電力を消費するためにその電力削減が重要な課題となります。住友化学殿のプラントには電解槽が複数あり、各電解槽の電流を最適に分配する最適化制御を構築して省エネ運転を実現しました。電解槽の電流は電解槽の温度で変化するため、各電解槽の温度を安定化させることが重要です。電解槽はプロセスの遅れが大きいので、十分な制御性能を得るためにはExasmocのような高度制御が必要になってきます。また、Exasmocに内臓された最適化機能を活用して、電流を最適に分配する最適化制御を実現しました。電解ソーダプラントでは次の3つのExasmocコントローラが動作しています。

  1. 電解槽電流バランス最適化コントローラ
  2. 電解槽温度安定化コントローラ
  3. 熱交換器温度安定化コントローラ

電解槽電流バランス最適化コントローラは、各電解槽の状態に応じて最適な温度設定値を電解槽温度安定化コントローラに与えます。電解槽温度安定化コントローラは与えられた温度設定値に基づいて電解槽温度を安定に制御します。熱交換器温度安定化コントローラは電解槽への外乱を防止しています。最適化制御により従来よりも少ない電力で運転でき、省エネ運転が実現されました。図2は電解槽温度安定化制御の結果で、図3は熱交換器温度安定化制御の結果を示しています。Exasmocを導入後、安定した制御性が得られ、電解槽温度の標準偏差は従来と比較して約1/5に低減されています。

システム構成

Exasmoc に加え、横河電機の運転支援システム(Exapilot)が導入されています。

システム構成

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