100周年記念誌「時代を超えて-Always Reaching Higher-」
46/60

44第1次オイルショックの翌1974年11月、当社は横よこがわ河正しょうぞう三を社長に迎えた。横河社長は創業者横河民輔の三男で、1963年の横河・ヒューレット・パッカード(YHP)設立以来、社長として同社を急成長させていた。横河社長は就任に際し、自身の理念として、労使の相互理解を尊重すること、皆がやりがいをもち能力を存分に発揮することで、付加価値の拡大を生み出し横河電機の永続的発展につなげることを掲げた。 また、現状を打開し発展するための施策を説明し、それらを実現するうえでのポイントを示した。それは、社会的ニーズとその変化を本気で考えること、「計測と制御の発展があって初めて文化の発展がある」という誇りと確信を取り戻すこと、各分野の専門家がお客様の立場で考え互いに協力すること、一人ひとりがコミュニケーションの能力を高めることの4点であり、最後に「私はこの横河電機を、会社で働くすべての人がいつでも、どこでも、誰に対しても話のできる会社にしたい」という想いを社員に伝えた。当社は、独自のデジタル制御技術と経験、ノウハウの粋を集めた世界最初の分散形制御システム(DCS)である「CENTUM」を1975年6月に発表した。従来の集中型システムでは1つのコンピュータの故障がシステム全体に及び、危険分散が困難であったが、これを克服し、またプラントの規模に応じた最適なシステム構成を可能にするものとして、DCSへの期待が高まっていた。マイクロプロセッサの登場がこれらの技術的課題を解決し、DCSはいよいよ世に送り出された。 当社はすでに制御システムの完全二重化という高信頼技術を確立していたので、いち早くDCSの開発に取り組危機克服を目指して安定成長からバブル崩壊へ1975 ≫ 1990YOKOGAWA’s History —— Chapter 3世界初のDCS「CENTUM」の登場横河 正三1975年に発表した初代「CENTUM」

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る