22 欧州では1966年に、旧西ドイツに駐在員事務所を開設していたが、1974年、世界でも競争が激しい市場の一つとされたヨーロッパ市場で事業を拡大するため、オランダにYokogawa Electric (Europe) B.V.を設立した。その後、1982年に、歴史のあるpH計、導電率計メーカーで、西欧主要国でトップシェアを誇っていたオランダのELECTROFACTを買収し、工業計器の事業を移管した。この買収は、ヨーロッパの主要都市にあったELECTROFACTの販売網を活用できる点で大いに意義があった。YOKOGAWA製品の生産を押し付けず、分析計による再建を進め、1984年にはYokogawa Electric (Europe)の事業を統合、1990年にはYokogawa Europe B.V. として再発足した。 同社は同年、面積式流量計で世界的に有名なドイツのROTA社に資本参加（後に子会社化）し、流量計の生産拠点を得る。1992年には フランスのエンジニアリング会社CEGELECからDCS事業部門を譲り受けYokogawa Contrôle Baileyを設立（後にYokogawa France S.A.S.に統合）し、お客様基盤をさらに強固なものとした。現地との関係を大切にした欧州での足どりは、欧州での成長にとどまらず、グローバルに強みをもつ欧州企業を通じた事業の発展として示されている。 1950年代から中国への製品輸出を開始しており、1979年には北京にサービスセンターを開設した。同年、西安儀表廠とアナログ 計器のノックダウン生産契約に調印したのを皮切りに、中国各地の企業に記録計、流量計、シングルループコントローラなどの技術移転を次々と実施。西安儀表廠との関係は1985年、中国初となる制御システムのエンジニア リング会社、西儀横河控制系統有限公司を設立するまでに発展した。西安では1979年、大学の計測工学科設立の際にも設備などを寄付して 協力した。その後も、業種や製品ごとに、それぞれ適したパートナーと販売やサービス、生産などの合弁会社を設立。1988年にシンガポールからの移管によりメータの生産拠点として設立された蘇州横河電表有限公司は、今日ではメータを 世界に供給する集中生産拠点に発展を遂げている。また、1994年に設立された上海横河電機有限公司、翌年設立の重慶横河川儀有限公司は、 それぞれ流量計と伝送器を同国に提供する拠点として現在でもその役目を果たしている。2000年には、測定器ビジネスの拡大を目指して上海横河国際貿易有限公司が設立された。 2002年には、初の100％出資子会社として、横河電機（蘇州）有限公司を設立し、翌年、レコーダの生産を開始した。2008年には、中国の販売系子会社3社を統合し、中国内の子会社を統括する拠点として横河電機（中国）有限公司を設立した。現在は、2012年に設立された地域統括拠点、横河電機（中国）投資有限公司と連携し、中国での市場の開拓に取り組んでいる。Yokogawa Europe（オランダ）Yokogawa China（中国） 1976年、イランに駐在員事務所を設立。一度は撤退するが、1981年に中東への本格進出の拠点としてYokogawa Middle East Engineering & Service Centerをクウェートに開設した。1990年には、中東の交通の要で、宗教的な理由による制約が比較的少ないバーレーンに、Yokogawa Middle East E.C.を設立し、販売・サービス体制の強化を図った。 中東は、豊富な資源と資金力を背景に、プラントの建設が盛んに行われている大きな市場であるが、現地の競合がいないという点で欧米の市場とは異なる。YOKOGAWAはお客様への熱心なアプローチを続けて信頼獲得に努め、国営企業をはじめとする有力なお客様への実績を築き、事業を拡大していった。 2005年にバーレーン、2006年にアラブ首長国連邦に制御システムのエンジニアリングを担当する子会社を設立、サウジアラビアには2006年に販売子会社を、翌年にはサービス会社を設立した。サウジアラビアでは現地の大学と連携し人財の育成支援を行うとともに、女性を含めた現地人財の活用に努めるなど、地域とともに歩む姿勢を貫く。こうした取り組みも後押しし、中東でのYOKOGAWAの存在感は増し、今日では最重要地域の一つとなった。2013年にはYokogawa Middle East & Africa B.S.C.(c)に社名変更し、世界の注目を集めるアフリカ地域をも統括して事業拡大を進めている。Yokogawa Middle East & Africa（バーレーン）欧州中国中東世界が認める技術と品質YOKOGAWA’s Strengths
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