100周年記念誌「時代を超えて-Always Reaching Higher-」
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19YOKOGAWA 100th Anniversary YOKOGAWAのソリューション ビジネスは本格化してまだ20年余、100年の歴史においては新しい事業であるが、すでに次なる展開も始まっている。 プロジェクトの中心になって制御 部分を担当するMACとしての役割をさらに広げ、完成後の生産設備のライフサイクルを見据え、メンテナンスも設備設計・構築時に同時提案していく試みである。お客様にとってはプラント運営の効率化、YOKOGAWAにとっては提供価値の拡大とお客様との継続的関係の 確立を図ることが可能になる。 さらにYOKOGAWAは、そのソリューションを提供する領域を、生産プロセスのみならず、技術開発、調達・物流、サービスといった事業プロセス全体へ、さらには製造業以外の産業や社会イン フラまで広げ、お客様の課題を発掘し 解決する企業となることを目指している。 YOKOGAWAのソリューションが持つ力でお客様とともに価値を創造し明日 を開いていく。この戦略においても、 お客様に誠実に向き合うYOKOGAWAのスピリットへの信頼は、不可欠の要素となっているのである。「できない」とは断らないのがYOKOGAWAである。まずお客様の ご要望に合ったプラントを完成・稼働させることを優先させ、しかる後にYOKOGAWAが提供した価値、得意先が得た価値を理解していただくことに よって、対価はきちんと払っていただく。 こうした姿勢の実践は、社内的には資格認定制度や成功事例の共有、国際的にはグローバル・エンジニアリング・スタンダードという業務標準の策定とたゆまざるグレードアップなど、制度や仕組みづくりによって、組織的に担保されている。 YOKOGAWAがお客様との約束を守る姿勢を貫徹できる背景には、充実したソリューションと高信頼の製品群がある。各種のフィールドセンサ、CENTUMを代表とする自社の制御 システム・機器と制御のエキスパート人財、そして生産現場と経営システムを結ぶMES(Manufacturing Execution System〈製造実行システム〉)などのシステムを実現するインテグレー ション力。さらには納入後にもお客様にきめ細かに対応するサービス体制。とくに、生産現場に対する幅広い知識が必要で、汎用・標準化が容易に できない製造実行・管理について、豊富なソフトウエアパッケージを取り揃えている企業は少ない。情報系を得意とする大手のITベンダーやシステムインテグレータがYOKOGAWAにコラボレーションを申し入れてくる大きな理由がここにある。 こうしたYOKOGAWAの幅広い ソリューションにより実現していく理想のプラントを示したビジョンが、「VigilantPlant」である。「油断なく警戒する」「寝ずの番」という意を表す「vigilance」におさまらない、生産施設全体の不断の制御と情報収集・ 分析・共有と、不測の事態にも止まらない体制の構築――ここにはお客様のトラブル・要望に徹底して応え、万全を期すというYOKOGAWAのマインド、プロジェクト遂行力が織り込まれている。MACの先を見据えるYOKOGAWAのビジネスモデルの進化基盤幅広い共通ニーズを捉え、汎用性の高い商品を提供する(“モノ”を売る)応用業種・お客様の固有ニーズを捉え、最適な解を提供する(“コト”を創る)発展潜在的な課題の発掘・解決を通し、イノベーションを共創する(“夢”をかなえる)2015年5月発表の長期経営構想で示した、今後のビジネスモデルの進化。お客様との共創のなかで潜在ニーズに応えていく生産現場の豊富な知識に基づく充実したソリューション

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