横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

当社のグローバル販売網でガスセキュア社の無線ガス検知器を販売する契約を同社と締結

2014年7月3日発表

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、ノルウェーのGasSecure AS(以下、ガスセキュア社)と、ISA100 Wireless™※1に準拠した同社の無線ガス検知器をYOKOGAWAグループが全世界で販売する契約を締結しましたのでお知らせします。
 この契約により、横河電機は、プラントで広く使用されるガス検知器を無線フィールド機器のラインアップに加え、お客様の安全で環境に配慮したプラント操業に貢献してまいります。一方、ガスセキュア社は、YOKOGAWAの販売網を通じてグローバル市場で無線ガス検知器の普及を図ってまいります。

提携の目的と概要

 フィールド無線システムは、プラントに設置されるフィールド機器と、監視・制御システムなど上位のシステムとの間の通信を無線化するシステムです。無線通信には、配線が困難な場所にフィールド機器等を設置できる、通信ケーブルや敷設コストが削減できるなど多くのメリットがあります。
 YOKOGAWAは、ISA100 Wireless に準拠した無線技術および無線対応機器の開発に取り組み、各種の無線対応機器や、有線機器に取り付けて無線機器として使用できるアダプタ等を提供しています。一方、ガスセキュア社は、石油・ガス掘削の海上プラットフォーム、備蓄設備、プラントなどで使用する産業用途の無線ガス検知器を開発、製造、販売する専業メーカであり、同社のガス検知器は大手石油会社をはじめとする各国のお客様に採用されています。
 YOKOGAWAは、今回の販売契約により、ISA100 Wirelessに準拠した同社の無線ガス検知器を無線フィールド機器のラインアップに加え、グローバルに販売します。安全に対する意識の高まりから、配線が不要で設置コスト・工数を抑えられる無線ガス検知器の需要は増加しており、YOKOGAWAはフィールド無線システムとガス検知器を組み合わせたソリューションを提供することでお客様のニーズにお応えします。
 一方、ガスセキュア社は、YOKOGAWAのグローバル販売網を通じて無線ガス検知器のビジネス拡大を図るとともに、2014年2月に締結した販売契約に基づき、同社ガス検知システムと合わせて横河電機の無線フィールド機器を提供していきます。

ガスセキュア社の無線ガス検知器の特長

 ガスセキュア社の無線ガス検知器は、爆発の原因の一つである炭化水素※2の漏れを監視するものです。低消費電力の赤外線センサによって炭化水素の濃度を測定し、無線システムを経由して上位システムに情報を送ります。主な特長は次のとおりです。

  1. 信頼性の高いガス漏れ監視が可能
    ガス漏れはプラントの事故に直結しますので、ガス検知システムは高信頼であることが必須です。ガスセキュア社の無線ガス検知器は、赤外線センサを採用し、5秒の更新頻度でデータを更新します。ガス検知器と上位システムは、二重化されたISA100 Wirelessのフィールド無線システムで結ばれており、有線システムと同様の信頼性が確保されています。
  2. 優れた耐環境性
    センサの表面を温めて結露を防ぐ機能を搭載しているため湿度の高い場所でも使用でき、北極圏から熱帯までの地域での使用に耐えられます。また、測定は、安定した3つの波長の赤外線を利用して行うため、通常のセンサには不可欠である校正が不要です。
  3. 低消費電力
    MEMS(Micro electro mechanical system:微小電気機械システム)技術を用いたセンサを採用しているため、平均5ミリワットという低消費電力を実現しています。他の電池駆動型のガス検知器に比べ、電池交換頻度を大幅に下げることが可能です。

主な用途

石油、石油化学、化学などの生産工程における炭化水素の漏えい検知

フィールド無線分野における横河電機の取り組み

 横河電機は、高度な制御技術が必要な連続工程への無線通信技術の導入と最適なフィールド機器をお客様が自由に選択できる環境を整えることを目指し、2010年7月にISA100 Wireless 準拠のフィールド無線システム機器と無線フィールド機器を世界で初めて製品化しました。
 2013年4月にはフィールド無線ソリューションのコンセプトとして「Wireless Anywhere」を策定し、ISA100 Wirelessに準拠した無線フィールド機器の拡充と無線通信技術の普及に取り組んでいます。今後もこのコンセプトに基づき、お客様により高い価値をご提供する“ベスト・イン・クラス”のソリューションの開発に努めてまいります。

※1 ISA100 Wireless:
ISA(国際計測制御学会)が定める工業用無線ネットワークの標準規格(規格番号はISA 100.11a)。高い信頼性、アプリケーションの多様性、ネットワークの拡張性、FOUNDATIONフィールドバス™、HART®、PROFIBUSなどの有線通信規格との高い整合性を持つという特長をもつ。現在、国際標準規格案「IEC62734」としてIEC(国際電気標準会議)で審議されている。

※2 炭化水素:
炭素、水素から成る化合物の総称で、石油、天然ガスなどの主成分。メタン、エタン、ベンゼン、トルエンなど。

ガスセキュア社の概要

 2008年にベンチャーキャピタルによって設立された無線ガス検知器の専業メーカ。売上高は 約3億円。 本社:ノルウェー オスロ市  CEO:Knut B. Sandven

本文中で使用されている会社名、団体名、商品名等は、各社又は各団体の登録商標または商標です。

以上

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