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横河電機株式会社
横河ソリューションサービス株式会社

Japan

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2010年6月プレスリリース

2010年6月28日発表

世界初 「絶対蛍光量計測方式」によりバイオ計測の絶対値測定を実現
~測定値の共通利用を実現する"共通プラットフォーム化"を提案~

遺伝子計測システム

奥左:駆動装置

奥右:バイオチップ読取装置

手前:集積型カートリッジ

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:海堀 周造)は、DNAチップ解析などバイオテクノロジー分野の計測に適用する「絶対蛍光量計測方式」を開発しました。この方式は蛍光の測定結果を国際単位系(SI系)で表すことができ、これまで困難だった測定結果の絶対値比較が可能になります。

 当社は、この成果を電気学会バイオ・マイクロシステム研究会(2010年6月17日、18日/東京)で発表しました。また、6月30日~7月2日まで東京ビッグサイトで開催される"第9回国際バイオEXPO"に参考出品します。

開発の背景

 DNA、RNA、たんぱく質など生体関連物質の計測では、測定対象物を蛍光物質などでラベリングし、レーザ光などを照射して、そこで発生する蛍光を測定する蛍光計測方式が活用されています。この方式では、測定値(階調値)は相対的な値です。従って、別々の機会に測定したデータや違う測定装置で測定したデータは測定読取値を直接比較する事が困難でした。

 測定対象物の定量的な評価を行うには、1回の測定ごとに、標準サンプルを用いて比較するか、装置の状態を基準サンプルによって補正する必要があります。しかし、これらの測定値も、測定対象の蛍光の階調を指標としていることから、電圧(V)や長さ(m)のような国際単位系に準じた絶対的な尺度ではありません。

 このため、測定対象を、国際単位系に準じた世界共通の単位で定量情報として表現するためには、それを共有・活用する手法、つまり絶対蛍光量を測定する技術とその測定値のトレーサビリティを保証する仕組みがポイントとなります。

 当社は、これらの課題を解決するために、絶対蛍光量を計測するための計測技術とトレーサビリティを保証するための校正システムを開発しました。

今回開発した技術

  1. 計測技術
    絶対蛍光量を測定するためには、測定装置そのものが高い再現性を持っていることが重要です。当社がバイオチップ読取装置に採用している独自のマルチビーム方式は構造がシンプルで、かつ一度に複数のレーザ光を試料に照射して同時に読み取るため、振動の少ない安定した測定が可能です。また、光電子倍増管等と異なり検出した信号を非線形増幅していないため、検出感度の定量把握に有利です。
  2. 校正システム
    試料に照射する励起光を「単位面積当たりの励起光量(W/m²)」で値付けし、その光で励起される蛍光を同様に「単位面積当たりの蛍光量(W/m²)」で表現します。
    励起光源は自社で実績のある光パワーメータにより校正し、絶対蛍光量を測定するための受光デバイスであるCCDカメラを基準光源と光パワーメータによって校正します。
    この校正された励起光源とCCDカメラにより、絶対蛍光量計測が可能になりました。CCDカメラが検出した画像をそのまま絶対蛍光量に換算することが可能です。当社は、校正されたCCDカメラを「イメージングパワーメータ™」と名付け、今回の測定技術の鍵を握る装置として位置づけています。

共通プラットフォームの提案

当社は、この技術を開発中のバイオチップ読取装置に搭載する予定です。

また、集積型カートリッジとカートリッジ駆動装置を新たに開発しました。このカートリッジ・システムは「メカニカルドライブ方式」により、試料の前処理から検出までを全自動で行うことを可能にします。

この「バイオチップ読取装置」と「集積型カートリッジ・システム」を組み合わせて、測定値の共有を可能とし、確実で安全なバイオ処理を実現する共通プラットフォームとして提案してまいります。

これまでの取り組み

遺伝子診断を利用した「個の医療」の実用化は、既に米国では台頭し始めており、治療薬の効果や副作用を予測するDNAチップが米国食品医薬品局(FDA)の認可を受け、医療分野で使用され始めています。この遺伝子検査の国内市場は、近い将来、1,500億円以上になると予想されています。

当社は、これまで食品・薬品分野での計測制御、また医療分野における画像等の医療情報システムや脳磁計、そして研究用途における高速・高感度の共焦点スキャナを開発しており、世界トップレベルの実績を積んでいます。また同時に、MEMSによる微小流路を形成する技術を培ってきました。

この高感度の検出技術や微小流路の形成技術などを組み合わせることにより、画期的な「遺伝子計測システム」を開発しました。あらかじめ試薬が封入され、廃液も出さない集積型構造のカートリッジ・システムと、高感度で定量的なバイオチップ読取装置からなる「遺伝子計測システム」は、臨床現場のみならず微生物検査、環境、食品などの産業応用などの分野での使用も視野に入れ、早期実用化を目指しています。

以上


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