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YOKOGAWA

横河電機株式会社

2007年6月プレスリリース


独自の集積型カートリッジによる世界初の全自動・連続動作に成功
- “個の医療”実現に向けた遺伝子解析システムを試作 -



 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市  代表取締役社長:海堀  周造)は、このたび個人の遺伝的特性に応じて適切な医療を行う“個の医療”の実現に向けた「遺伝子解析システム」を試作しました。独自に開発した画期的な「集積型カートリッジ」を使用して、生きた抗酸菌※1からDNAの抽出、増幅、精製、DNAチップによる検出までの遺伝子解析の全工程を全自動・連続で行うことに、世界で初めて成功しました※2。
 この「遺伝子解析システム」により、従来習熟した作業者と専用ラボが必要だった遺伝子解析作業が、医療の現場で安全かつ確実に行えるようになります。
 当社は、個々人によって異なる治療薬の効果・副作用の予測や、生活習慣病の発症リスクを予測し、それぞれに合った治療を処方する「個の医療」の実現に向け、医療現場で容易に使用できるシステムを、3年後の実用化を目処に開発します。

 なお、この「遺伝子解析システム」を6月20日から東京ビッグサイトで開催される“第6回国際バイオEXPO”に参考出品します。

試作した遺伝子解析システムの概要と特長 】

 今回試作した「遺伝子解析システム」は、従来手作業で行われていた遺伝子診断の前処理から検出までの工程を全自動で行うシステムです。検体を処理し内蔵されたDNAチップで遺伝子を検出する「集積型カートリッジ」と、DNAチップの遺伝子データを読み取る「バイオチップ読取装置」 で構成しています。

1.集積型カートリッジ:安全・確実な測定  
 
測定終了後に廃棄可能な集積型カートリッジで、検体の前処理から検出までを全自動で行います。
あらかじめ試薬が封入され、また廃液を出さない集積型の構造とすることで、外界とカートリッジ内部の処理系との隔離を実現しました。これによって危険な菌やウイルスのカートリッジ外への漏出と、ノイズとなる外部の生体分子のカートリッジ内部への混入を防止できます。また、全自動のため、作業者のスキルの影響を受けない安定した測定を実現できます。
さらに測定終了後は、検体や廃液を含む集積型カートリッジ全体を焼却・廃棄可能です。これらによって医療の現場に普及させるために必要な、安全で確実な測定が可能となりました。

2.バイオチップ読取装置:高感度・広いダイナミックレンジ
 
一度に複数のレーザ光を検体に当てて同時に読み取るマルチビーム方式を採用したことで、走査のために検体を動かさずに済みます。この結果、読取装置の振動発生を抑えることができ、医療現場で要求される測定の安定性を確保しました。また、共焦点スキャナで培った高感度蛍光検出技術を応用することで、高感度、広ダイナミックレンジを実現しました。その結果、研究用途だけでなく、医療分野で活用することも可能になります。更なる性能向上に向けて、本年度から研究現場での評価テストを開始しました。

【 開発の背景 】

 遺伝子診断を利用した「個の医療」の実用化は、既に米国では台頭し始めており、治療薬の効果や副作用を予測するDNAチップが米国食品医薬品局(FDA)の認可を受け、医療分野で使用され始めています。この遺伝子検査の国内市場は、今後10年で、1,500億円以上になると予想されています。
 当社は、これまで食品・薬品分野での計測制御、また医療分野における画像等の医療情報システムや脳磁計、そして研究用途における高速・高感度の共焦点スキャナを開発しており、世界トップレベルの実績を積んでいます。同時にMEMSによる微小流路を形成する技術を培ってきました。
 この高感度の検出技術や微小流路の形成技術などを組み合わせることにより、画期的な「遺伝子解析システム」を開発しました。
 この成果は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術開発事業(平成14年~17年)「バイオIT融合機器開発プロジェクト/結核菌・抗酸菌・結核治療薬耐性菌等向け全自動臨床用遺伝子診断システムの実用化開発」の研究開発を活用して実現したものです。

以上

※1: 抗酸性をもつ分裂菌の総称で、結核菌などが含まれる。
※2: 当社調べ(2007年6月)