ページ内を移動するためのリンクです。
グローバルナビゲーションへ
本文へ
サイト情報へ

YOKOGAWA

横河電機株式会社

2005年1月プレスリリース

2005年1月17日発表


世界で初めて“光パケットネットワーク”による実用レベルの画像伝送に成功
― 次世代40Gbps光パケットネットワークの実用化に向け大きく前進 ―


  横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市中町2-9-32 社長:内田 勲 資本金:323億600万円)は、このたび「40Gbps光パケットネットワークシステム」を試作し、世界で初めて実用レベルの画像データ伝送に成功しました。
  「光パケットネットワークシステム」によるデータ伝送の成功は、現在のオフィスLAN(Local Area Network) と同様に、パソコン同士が光パケットによって超高速で通信できる環境が整うことを意味します。
  当社は今回の成果を、1月19日から21日に東京ビッグサイトで開催される光通信関連の展示会“ファイバーオプティクスEXPO(FOE)2005”で発表、展示を行います。

開発の背景

 ADSL、FTTH、CATVなどの、いわゆるブロードバンド・インターネット接続サービス利用者数は、2002年から2004年の2年間で3.5倍に伸びています。これに伴い、データ通信量も毎年2倍以上のペースで増えており、現在の基幹系の通信容量では、数年のうちに容量不足になるとも言われています。
  基幹系と同様、企業や地域などのLAN分野においても、現在の通信容量では、早晩回線不足になることは確実です。企業などのLANでも映像情報など大量のデータを扱う時代がすでに到来しつつあります。特に、大量のデータを扱うインターネット・データ・センター(IDC)や放送局などでは、40Gbpsの超高速ネットワーク構築が必須となります。
  従来の光通信技術で40Gbpsの超高速通信を実現するには、サーバとユーザ端末を1対1で接続する必要があります。しかしながら、この方法では、現在のLANのように複数の端末を柔軟に接続できる環境を実現できず、超高速通信ネットワーク実現のボトルネックとなっています。
  LANと同等のシステム柔軟性をもった超高速光通信ネットワークを構築するためには、現在のインターネットと同様、データをある程度小さい塊に分割して、 “パケット通信”化することが必要です。この光パケット通信の実現には、(1)光スイッチ素子*1、(2)光ラベル認識回路*2、(3)光バッファ*3、(4)クロック・データ再生回路*4、の各技術をすべてそろえ、うまく組み合わせる必要があります。それぞれに最先端の技術が要求されるため、1社ですべての技術を開発するのは、非常に困難だと言われていました。
 
製品の特長

 今回の試作ネットワークは、新たに「光バッファ」機能を搭載した「40Gbps光パケットスイッチ」と、新たに開発したイーサネットインタフェース装備の光パケット送受信機「光メディアマネージャ」により、複数の端末をつなぐことのできる円環状のリングネットワークを構成したものです。実際の運用に十分耐えるレベルの信号伝送品質で光パケットネットワークを構成しました。
 今回の試作システムでは、サーバに保存したDVD1枚に相当する映画2時間分のデータを、10ヵ所の端末から同時にアクセスして、合計約10秒で取得することができます。
 
 当社は、20年以上にわたって、光通信用に開発してきた40Gbps化合物半導体技術の成果として、昨年2月に「40Gbps光パケットスイッチ」の開発を発表しました。このスイッチは、光パケット信号を、一旦電気信号に変換することなく、光のまま超高速で切り替える「光スイッチ素子」と、光パケット信号のあて先情報に基づいて光スイッチを制御する「光ラベル認識回路」の組み合わせで構成されています。
 今回の試作システムでは、この「40Gbps光パケットスイッチ」に、同じポートに出力すべき信号が同時に入ってきた場合に信号同士の衝突を防ぐ「光バッファ」機能を持たせました。
  さらに、データ送信元と同期していない受信側で、データを確実に再生するためのクロック・データ再生回路を持つ、「光メディアマネージャ」を開発しました。
 これらすべての要素技術を、実用レベルで実現したのは、横河電機だけです。
 
今後のビジネス展開 

 当社は、今後、今回開発した「40Gbps光パケットネットワーク技術」の運用試験を進め、2006年には製品化する予定です。IDCや放送局、企業などの巨大なLAN市場を対象として事業展開し、同時に周辺機器や更なる高速製品の開発を進めていきます。
 また、他に先駆けて開発してきた光変調器駆動回路やフォトダイオード・モジュールなどの中核技術は、研究開発用測定器や光通信機器に使用されるキーモジュールであり、40Gbps光伝送システムの実現に欠かせない通信用モジュール事業として今後も育てていきます。
  将来的には、これら2つの事業を合わせた光通信機器事業で、2010年に1000億円の売上を目指します。

以上
 
【 用語解説 】
*1

「光スイッチ素子」:化合物半導体に流す電流をオン・オフすることで、光信号を光のままで、経路を切り替える素子。当社は、光経路切替速度2ナノ秒(10億分の2秒)以下を実現。この切り替え速度は、可動ミラーを使用した光スイッチに比べて100万倍高速で、電流注入による導波路型光スイッチとしては世界最速。
 

*2 「光ラベル認識回路」:光パケット信号の先頭部分に記録された宛先情報を読み取る高速受光素子と、その情報を処理する高速電子回路を組み合わせた光電子融合回路。認識した宛先情報で光スイッチ素子を制御する。

*3 「光バッファ」:同じポートに出力すべき宛先情報を持った光パケット信号が同時に光パケットスイッチに入ってきたとき、信号の衝突によるデータの損傷を回避するためには、一方を遅延させる必要がある。しかし、現在、光を光のままメモリする技術は存在しない。このため、光パケット信号を光ファイバに通し、ファイバの長さに比例した時間だけ遅延させる技術。

*4 「クロックデータ再生回路」:従来の光通信では、送信側と受信側が1対1に接続され、通信をしていないときも常にダミーデータを流している。このダミーデータにより、送信側と受信側で、伝送するデータを読み取るタイミング信号(クロック信号)の同期をとっている。一方、光パケットネットワークの場合、いつ、どの経路を通ってデータが送られてくるか分からず、クロック信号の同期を取ることができない。このため、光パケットネットワークでは、受信側で到着パケットごとに非同期でクロックデータ再生を行なう機能が必要となる。

●フォトニックネットワーク事業については:
http://www.yokogawa.co.jp/opt/top/opt-toppage-ja.htm
 
●本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
  広報・IR室
  TEL:0422‐52‐5530  FAX:0422‐55‐6492