
モバイル放送へのデジタル通信技術・監視診断サービスの提供について

横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市中町2-9-32 社長:内田 勲 資本金:323億600万円)は、2004年春に営業放送の開始が予定されている、わが国初の移動体向けデジタル衛星放送(モバイル放送)の実現において、デジタル無線技術および監視診断サービスの両技術をもって協力することになりましたので、お知らせします。
モバイル放送の概要
モバイル放送は、モバイル放送株式会社(本社:東京都中央区銀座5-2-1 社長:町井徹郎 資本金:2002年10月現在 257億2,795万円)が、いつでも、どこでも、様々な番組が全国で楽しめる放送の実現を目指して準備を進めている移動体向け多チャンネルデジタル放送です。
全国どこでも同じ周波数で、高速道路を走行する自動車や高速バス、さらに列車など、時速100Km以上の高速で走る移動体でも安定受信を可能にするため、大型アンテナを搭載した放送衛星や地上で電波を中継するギャップフィラーなどに最先端のテクノロジーが採用されます。
モバイル放送実現に貢献する
当社のデジタル通信技術および監視診断サービス
放送センターから発射された放送波はKuバンド(12~13GHz帯)を使用して静止軌道上の放送衛星局に送信され、そこでSバンド(2.6GHz帯)に変換され、更に電力増幅されて大口径送信アンテナで日本全国に放送されます。
衛星放送波を直接受信できる場所ではこの衛星から放送波を受信しますが、都市部のビル陰やトンネル内など衛星放送波が直接受信できない場所ではギャップフィラー(衛星からの電波の陰になる部分を埋める(Fill)地上設置の放送設備)を設置して衛星波と同じ電波を送信し、モバイル放送サービスをどこでも享受できる環境を提供します。
横河電機は、このギャップフィラーのキーコンポーネントである信号処理部を開発し、これを供給することにより、モバイル放送システムの実現に協力します。また、当社製品を24時間365日遠隔監視するレスポンスセンターと、全国に設置される各ギャップフィラーを回線で接続し、機器障害発生の有無や装置の状態を常時監視し、異常発生時には迅速な復旧対応が取れるよう、ギャップフィラー監視診断サービスを供給し、モバイル放送の放送品質の確保・向上にサービス面からも協力します。
なお、ギャップフィラーの設置場所の選定と設置工事、運用開始後の定期点検、保全管理および現地修理作業は、エヌ・ティ・ティ・データ・カスタマサービス株式会社(本社: 東京都中央区新川1-21-2 茅場町タワー3F 社長: 田下佳彦 資本金:20億円)が担当します。ギャップフィラーに異状が発生し、診断の結果現地修理が必要となった場合、エヌ・ティ・ティ・データ・カスタマサービス株式会社は、当社と密接に連携を取り、速やかに修理を行います。
1)ギャップフィラー信号処理部
横河電機は、広帯域CDMA(Wideband Code Division Multiple Access = W-CDMA) 用測定器を世界に先駆けて開発し、W-CDMA対応の携帯電話など各種通信機器の開発と生産に貢献しています。
ギャップフィラー信号処理部は、当社のW-CDMA技術を応用し開発に成功したもので、高品質な高周波特性と屋外の高所設置を可能とする優れた耐環境性を特長とします。
ギャップフィラー信号処理部は、衛星からのTDM(Time Domain Multiplexing)信号を受信し、データを復調し、ユーザーの受信端末が受信可能なCDM変調信号に変換して送出する再生中継方式を採用しています。この方式は従来では装置が大がかりになる欠点がありましたが、CDM信号の品質が極めて高く、サービスエリア範囲を広く取れる特長があります。このため、横河電機は再生中継方式の簡易化の実現を提案し、結果として、高い信号品質と性能をもちながら、従来にはない小型化に成功しました。
ギャップフィラー信号処理部は、TDM信号をCDM信号に変換し、再生中継する基本機能の他、下記機能があります。
1. 広域をカバーするギャップフィラー用ハイパワーアンプの制御、監視。
2. 信号処理部単体でもTDMを受信するアンテナとS帯の送信アンテナを
取り付けることで、 中域をカバーする中域ギャップフィラーとしても機能。
3. ギャップフィラー全体の監視と、通信網を使用した監視センターへの通知。
なお、ギャップフィラー信号処理部は、当社の甲府工場で生産し供給する予定です。
2)ギャップフィラー監視診断サービス
横河電機は、産業オートメーションを支えるプラント用計装システムのトップメーカーとして、日本はじめ世界の主要なプロセス産業メーカーに多くの納入実績があります。プロセス産業ではプラント停止が顧客利益の大きな喪失に直結するため、24時間365日の円滑稼働を確保する高い信頼性がプラント用計装システムメーカーに求められます。このような高度なシステムの保全要求に応えるため、当社は世界に先駆け、リモートメンテナンスシステム(Remote Maintenance System=RMS)や予知保全診断技術を開発し、信頼性の高い設備保全環境を提供し、関連技術を蓄積してきました。
これら産業オートメーション分野で培ってきた保全技術ノウハウを駆使して、当社は、以下のギャップフィラー監視診断サービスを提供し、モバイル放送の放送品質の確保に協力します。
1.当社のレスポンスセンター内にギャップフィラー監視診断センターを設置し、
24時間365日の監視を行います。
2.異常が発生した場合は、監視診断センターからの遠隔操作で機能の回復を
図ります。
3.また、遠隔診断技術を駆使して装置の異常発生部位を特定し、修理作業の
迅速化を図ります。
4.将来的には、予知診断を行いギャップフィラーの故障を事前に防止すること
でより品質の高い放送の実現に貢献します。
横河電機における通信・放送分野におけるこれまでの取り組み
当社は、1997年11月に業界に先駆けてW-CDMA方式に対応した信号発生・解析装置である「W-CDMA評価システム」を発売し、測定器メーカが初めて提供したW-CDMA用の評価装置として注目を集めました。
1998年11月には、次世代プロトコルとして様々な信号変調方式が検討されていたことに対応して、ディジタルIQ信号発生器「VB2000」およびディジタル変調信号発生器「VG3000」を市場投入し、W-CDMAに限らず、QPSK、QAMなど様々な変調方式に対応できる測定器をラインアップしました。
さらに当社は、2000年11月には、W-CDMAや、地上波デジタル放送における新しい変調方式であるOFDMなどの変調方式を用いる移動体通信機器や放送機器を開発する際に基準ベースバンド信号を発生させるための信号源として、任意波形発生器「VB8000」を開発、販売しました。
また、同年11月には、BSデジタル放送、CSデジタル放送、地上波デジタル放送など、デジタル放送の放送コンテンツをトランスポート・ストリームのレベルで常時監視・記録するモニタリングステーション「VT3100」を発売しました。
このように、当社は、高速・大容量化する移動体通信機器向けや、急速にデジタル化する放送インフラ向けの最先端測定器の開発・製品化を通じて、デジタル通信およびデジタル放送分野での技術と経験を着実に蓄積してまいりました。
今回のモバイル放送向けギャップフィラー技術の提供は、これまで蓄積してまいりました当社のデジタル通信の技術を最大限発揮するものであり、今後の発展が大きく期待されているデジタル放送インフラ分野に当社が大きく貢献できるものとして大いに期待しています。当社は、今後ともこの新分野での取り組みを積極的に展開し、計測ビジネス分野の強化・拡大を図っていく方針です。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先:
広報室
電話:0422-52-5530 FAX:0422-55-6492

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