2000年2月15日
報道関係各位
最先端の磁気センサSQUID(スキッド:超伝導量子干渉素子)※を
測定部の160ヶ所(世界最多)に配置した世界最高レベル性能の脳磁計
「脳磁計測システム PQ1160C」(愛称:MEGvision エムイージービジョン)について
厚生省の薬事承認を取得し、2月16日から発売のお知らせ
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当社(横河電機株式会社 本社:東京都武蔵野市中町2-9-32 社長:内田 勲 資本金:323億600万円)は、当社で開発した「脳磁計測システム PQ1160C」(MEGvision)がこのたび厚生省の薬事承認を取得したことを受け、2月16日から販売を開始しますのでお知らせします。
脳磁計測システムの概要
脳は未解明の部分が多い領域です。高齢化が進む現代社会では、痴呆、アルツハイマーなどがますます重要な問題になると予想されます。脳の研究が進むなか、視覚、聴覚をはじめとする五感や言語の認識など脳の働きが明確になっていない領域は、まだ多く存在します。「脳磁計」は、脳の機能を無侵襲で検査できる装置として、21世紀の脳研究分野や臨床分野における強力な手段として注目されています。
「脳磁計測システム PQ1160C」(MEGvision)は、最先端の超伝導磁気センサSQUIDを被験者の頭部の周囲160ヶ所という世界最高の密度で配置し、脳神経細胞の発する極めて微弱な磁場を外部から測定することで、脳内の活動部位や活動の程度を検査する装置です。
従来の脳波計による脳の電気生理学的活動の検査は、電位として計測するため、頭蓋骨や髄液など電気抵抗の異なる部分の影響を受けます。これに対し、脳磁計測システムは脳の電気生理学的信号を磁気として直接とらえるため、頭蓋骨や髄液、頭皮などの影響を受けません。また、脳神経活動を直接計測できるため、被験者に対する負荷が非常に小さく済みます。
製品の特長
「脳磁計測システム PQ1160C」(MEGvision)は、脳機能研究・臨床研究領域はもちろん、臨床分野での実用を前提に、省スペースを考えたコンパクト設計、Windowsパソコンで解析できる簡便性、など医療現場における実用性を考慮した製品で、以下の特長を持っています。
- 被験者の全頭を高密度で計測
グラディオメータ型SQUID磁気センサを頭部全体に160ヶ所に配置しました。センサ間隔が25mm以下で、世界最高密度の配置となっています。従来の脳磁計より多くの情報が得られるので、高精度の計測ができます。
- 世界初の完全横型構造
超電導磁気センサに使われる液体ヘリウムを収納する容器として、横形デュワーという斬新な構造を世界で初めて開発しました。このため、
| (1) | 構造がコンパクトになり、設置スペースが小さくて済みます。 |
| (2) | 被験者はベッドに横たわったままで検査を受けることができるため、座位に比べ長時間の検査でも負担が軽くなります。乳幼児・高齢者・重傷者の検査にも、負担が小さく、患者にやさしい構造となっています。
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- 高精度の測定が可能
脳磁計は脳の電気生理学的信号を磁気として直接とらえるため、
| (1) | 1000分の1秒単位の高い時間分解能を持ち、脳活動の早い変化もとらえることができます。 |
| (2) | 空間分解能が高くmm(ミリメートル)単位で活動場所を測定することができます。 |
- 操作性に優れたシステム
オペレーションシステムは汎用のWindowsを採用していますので、操作性や拡張性に優れています。
- 外部磁気雑音の影響を除去するエンジニアリング技術
地磁気の10億分の1という微弱な脳磁場信号を正確に測定するためには、地磁気や鉄道、自動車などの外部磁気雑音の影響を受けないように、磁気シールドルーム内で測定します。このため、脳磁計測には高性能な磁気シールドルームを含むトータルエンジニアリングが重要です。
| (1) | 事前の環境磁場計測を通して、最適な磁気シールドルームを提案します。 |
| (2) | 外部磁気雑音を除去するハードウエア及びソフトウエアを有しているので、磁気雑音の多い都市型病院においても、安定した計測ができるようトータルの計測環境を実現するエンジニアリングを行います。
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開発の背景
横河電機は得意とする計測、制御、情報の技術をベースに、20年に渡りSQUIDの基礎開発を行ってきました。1990年には国家プロジェクト「高度生体磁場計測システムの研究開発」(1990〜1996)に参画し、世界最高256chのシステムの開発に貢献しました。
製品化にあたっては金沢工業大学(金沢市 石川憲一学長)先端電子技術応用研究所(所長:賀戸久教授)と産学共同研究を行い、同研究所の低温工学技術やセンサ技術などの要素技術を導入しました。この共同研究の成果は、今後もますます要求が高まる高度な生体検査装置の開発に活かしていきます。
脳磁計の市場と利用例
脳磁計は、近年大学病院、国立病院、国立研究所を中心に導入が高まっており、現在は海外メーカの製品が国内で20数台稼働しています。これまでは脳機能研究や臨床研究分野が脳磁場計測の主な利用分野でしたが、今後は臨床分野への利用が高まっていくと予想されます。
脳磁計は次のような使用目的で、今後の医学、医療に貢献することが期待されています。
| (1) | 脳外科手術での脳機能の術前や術後の検査 |
| (2) | てんかん病巣位置の推定 |
| (3) | 従来、被験者の自覚・応答をもとに検査していた視覚機能や聴覚機能の診断方法を、乳幼児から成人まで、被験者の応答なしに客観的に診断 |
| (4) | 言語、知覚、思考など高次の脳機能研究
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〈 販売目標 〉
| | 脳磁計の市場は国内5〜6台(98年度推定)とまだ小さく、今後が期待される製品ですが、2000年度で10台、2005年度には50台の市場規模になると予想し、シェア50%を目指します。
販売目標: 2000年度 5台 |
以 上
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SQUID:超伝導量子干渉素子。薄い絶縁膜をはさんだ超伝導体のあいだで、トンネル効果(極めて薄いエネルギーの壁を、それより低いエネルギーを持った粒子が通りぬけてしまう現象)によって電流(ジョセフソン電流)が流れる。この電流が磁束に対して敏感に反応することを応用し、脳内で発生する微弱な磁場によって電流に変化が起こることから、磁束を検出する素子。磁気を検出するセンサとしては、現状では最高の感度を有する。 |
製品の詳細は,こちら