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1998年3月11日
報道関係各位

フィールドバスの国際統一仕様に世界市場で初めて対応
フィールドバス対応の分散形制御システム/差圧・圧力伝送器
開発・発売のお知らせ

 当社(横河電機株式会社 本社:東京都武蔵野市中町2-9-32 社長:美川 英二 資本金:323億600万円)は、フィールドバスの国際統一仕様に世界市場で初めて対応した、フィールドバス対応の分散形制御システムおよび差圧・圧力伝送器を開発、3月12日より全世界同時に発売いたします。これを第一弾として、当社は今後、フィールドバスに対応した制御システム・機器のラインアップを充実させ、フィールドバスビジネスを本格的に展開してまいりますのでお知らせいたします。

フィールドバス技術がもたらす制御システム環境の変化

 '70年代に登場した分散形制御システム(以下DCS)は、その高い信頼性、優れた機能とパフォーマンスにより、'80年代頃から爆発的に普及してきました。このDCSや、DCSに現場の情報を提供するフィールド機器は、従来、各ベンダーが固有の技術を駆使して発展させてきたものですが、近年、この分野においてもオープン化やダウンサイジング、低価格化といった波が押し寄せてきています。最近では、単にオープンなインタフェースをもつのみならず、ネットワーク上にある各々の情報を有機的に統合し、活用する、全体最適を踏まえたシステムを構築することが、制御システムベンダーに求められてきています。
制御システムと現場のフィールド機器を、国際統一仕様のデジタル通信で結ぶフィールドバスは、こうしたオープン化の流れの中で、制御現場のオープン化の要となる技術です。現在普及している4〜20mA標準のアナログ通信方式に代わり、国際統一仕様のデジタル通信方式を採用することによって、伝達する情報量の飛躍的な拡大、配線コストの大幅な削減、マルチベンダー環境、制御のダウンサイジング化などを実現し、制御システム環境に革新をもたらします。

フィールドバスの導入による主な効果

  • フィールド機器同士で通信ができ、フィールド機器による自律分散制御が行える。
  • アナログ通信での伝送に比べ、高精度に情報を伝達できる。また、多重通信が可能なので、指示値、操作出力以外の多くの情報をフィールド機器から伝送できる。
  • 相互運用性が保証されており、これまでは不可能だったフィールド機器のマルチベンダー化が図れる。
  • 従来、制御システムとフィールド機器は1対1対応で結ばれていたが、フィールドバスではマルチドロップ接続(1本のケーブルで複数のフィールド機器をシリ アルに接続する方法)が可能なため、配線コストを大幅に削減できる。
  • フィールド機器の調整や点検の一部を、計器室から行える。
  • フィールド機器の自己診断結果を、正常か異常かではなく、状態情報として把握できるため、時系列的に傾向分析して故障診断が行える。

 以上のことから、今後の制御システムの在り方を大きく変え、生産現場に革新をもたらす技術であると期待されています。

フィールドバス対応の製品ラインアップ

 このたび発売するフィールドバス対応製品は、統合生産制御システム「CEN-TUM CS」および差圧・圧力伝送器「DPharp EJA」です。両製品とも、国内トップ、海外でも高いシェアをもつ製品であり、これらの製品においてフィールドバスへの対応機種をラインアップしたことにより、実際のプラントへのフィールドバス技術の展開を高い信頼性をもって実現します。フィールドバス対応製品は各社が開発を急いでいますが、一部フィールドテストとして導入されているものを除けば、フィールドバス対応のDCSを製品として市場に投入するのは当社が初めてであり、フィールドバス対応センサを全世界で発売するのも当社が初めてです。今後も、当社の生産制御システム「CENTUM CS 1000」、渦流量計「YEWFLO」をはじめ、電磁流量計、温度伝送器、プロダクト分析計など、フィールドバス対応製品を増強していく予定です。

●統合生産制御システム「CENTUM CS」

 DCS市場の国内トップメーカーである当社が、主として大規模プラント向けに販売している主力システムで、高い信頼性とパフォーマンス、優れたエンジニアリング環境などから高く評価されている製品です。
 「CENTUM CS」は、計器室でオペレーターが操作・監視に使用するICS、(インフォメーション・コマンド゙・ステーション)とエンジニアリングに使用するEWS(エンジニアリング・ワーク・ステーション)、現場で制御を実行するFCS(フィールド・コントロール・ステーション)およびシステムソフトウエア一式で構成されます。フィールドバス対応モデルでは、これらに加え、現場のフィールド機器の管理およびフィールドバス通信環境のエンジニアリングを行うパソコンを1台備えるとともに、FCSにフィールドバス通信モジュールを1枚追加します。同時に、ソフトウエアとして、パソコン上で使用する機器管理ツールおよびエンジニアリングツール、ICSで収集したフィールド機器のデータをパソコンに転送するDDE(ダイナミック・データ・エクスチェンジ)ソフトを装備します。
 新設システムへの導入はもとより、既設の「CENTUM CS」の機能拡張としてフィールドバスに対応をすることも可能で、従来のシステムとの継続性が保たれます。なお、当製品が実現する環境は1ページ目のとおりです。

主な用途
石油、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、食品・薬品、窯業、上下水道、電力・ガス等、あらゆるプロセスオートメーション分野における、生産ラインの制御

●差圧・圧力伝送器「DPharp EJA」

 世界初のシリコンレゾナントセンサの採用により、±0.1%の高精度、長期安定性、小形・軽量を実現した差圧伝送器です。国内外のあらゆる業種から高い評価を得ており、海外出荷数が半分以上となるグローバル商品です。
 フィールドバス対応モデルでは、測定値を信号に変換して出力するアンプ部が新たに開発されており、すでに「DPharp EJA」をご使用のお客様は、既設の「DPharp EJA」をフィールドバス対応センサにグレードアップすることが可能です。当製品が実現する環境は1ページ目のとおりですが、とくに、差圧と圧力の双方を測定できる「DPharp EJA」では、差圧とプロセス圧力の2つの情報を1本のバスで伝送できるなど、フィールドバスの技術を有効に活用できます。差圧・圧力伝送器は、フィールドで最も多く使用されるフィールド機器の一つであり、DCSと合わせて発売することで、当初はモニタシステムを中心に導入が加速されると予想されます。

主な用途
石油、石油化学、化学、鉄鋼、紙パルプ、食品・薬品、窯業、上下水道、電力・ガス等、あらゆるプロセスオートメーション分野における、プラント配管の流量測定やタンクのレベル測定

フィールドバス標準化への動きと当社の取り組み

 IECにおいてフィールド機器用デジタル通信の標準化構想が提案されたのは、'84年にさかのぼり、実際の標準化作業は、'90年からIECとISA SP50委員会によって進められました。その後、具体的な仕様の開発については、一時、ベンダーが2勢力に分かれ、ISPとWorldFIPの両陣営が平行して作業を進める状況になりましたが、'94年には「フィールドバス協会」として統一、現在では、IECおよびISA SP50委員会が標準化作業を行い、フィールドバス協会が国際的に統一された実装仕様の開発および普及を行うという体制が確立されました。'96年には仕様も決定され、各社が対応製品を開発し、フィールドテストを行う状況となっています。

 当社は、ISP協会の中心メンバーとして早くから仕様統一作業にかかわっており、フィールドバス協会の設立の際にも設立当初から活動に参画、現在も主要メンバーとして活動しています。昨年、中部電力で行われたフィールドバス協会初のマルチベンダー環境でのフィールドテストにおいても、各種フィールド機器と「CENTUM CS」を提供するなど、中心的役割を果たしました。

 このたびの「CENTUM CS」および「DPharp EJA」のフィールドバス対応モデル発売により、当社はフィールドバス・ビジネスを本格的に展開してまいります。当社は昨年、ビジネスコンセプト「Enterprise Technology Solutions(ETS)」を発表し、企業経営レベルから現場レベルまでを有機的に統合したシステムを構築し、効率化、省力化、コストダウン等を実現するソリューションを提供していく企業となることを宣言しましたが、フィールドバスは、デジタル化、オープン化によって、ETSを実現するコア技術の一つとなると考えられます。

 DCSのリーディングカンパニーとして市場を築き上げてきた当社は、計装業界に革新をもたらすフィールドバスにもいち早く対応し、対応機種のラインアップを充実させ、最適な環境を提供し、今後も産業界に大きく貢献していく所存です。

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