1997年9月8日
報道関係各位
石油/石油化学/化学のプラントを対象とするプラント情報管理システム(PIMS)ソフトの有力ベンダー英国「Marex社」を買収
当社(横河電機株式会社 本社:東京都武蔵野市中町2-9-32 社長:美川 英二 資本金:323億600万円)は、石油/石油化学/化学等のプラントを対象とするプラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)のソフトウエアで、欧州市場を中心に実績を伸ばしている英国メーカー「Marex社」をこのたび買収しました。
この買収によって、当社は、プラントの高度制御、シミュレーション、スケジューリング、安全計装などプラント運転に必要となる重要な機能のひとつとして、新たにプラント情報管理システム(PIMS)分野の最新ソフトウエアを獲得することになり、顧客に対しより広範囲かつ最適なソリューションを提案、提供するために当社が提唱している新コンセプト「Enterprise Technology Solutions」に沿ったグローバルな体制がより一層充実した内容で実現されることになりましたので、お知らせいたします。
Marex社買収の内容
当社がこのたび買収した企業は、プラント情報管理システム(PIMS)ソフトで、欧州プラント市場を中心に実績を伸ばしている英国のソフト/エンジニアリング会社「Marex社」(社名:Marex Technology Limited、所在地:英国ワイト島、社長:Danny Fisher、設立:1966年、社員数:60名)です。
「Marex社」は、石油/石油化学/化学プラントに関する豊富なアプリケーション・ノウハウを持っており、高度なエンジニアリング遂行能力には定評がある企業です。
「Marex社」のプロセスデータベースソフト「PROMACE」は、プラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)分野のソフトウエアのひとつで、石油/石油化学/化学等のプラント向け専用データベースソフトです。欧州石油メジャーを含む欧州プラント市場で多くの販売実績があります。現在、アジアや中近東においても積極的に事業の展開を図っています。
買収は、同社の親会社である英国GKN社(各種産業向け製品製造販売の英国グローバル企業)から100%全株を買い取って行いました。買収金額は日本円で約3億円(約2.5百万US$)です。この買収以降も、「Marex社」は現在の社名、社長の体制で事業を続行します。当社は、「Marex社」のプラント情報管理システム(PIMS)製品の開発を支援し、同社製品をグローバルに販売していきます。
プラント情報管理システム(PIMS)とは
プラント情報管理システム(PIMS:Plant Information Management System)とは、DCSなどプラントの生産現場における生産制御システムと、SAPR/3などの上位の経営情報システムとの中間に位置する情報システムで、DCS(分散型制御システム)やPLC(プログラマブルコントローラ)からの生の生産データを、統合・整理・加工・保管し、様々なプラント運転支援システムへ生産データを提供する基盤システムです。応用システムとして、高度制御、シミュレーション、スケジューリングなど、プラント運転に必要な各種システムの他、生産管理、設備診断・解析、品質管理、さらにはERP(Enterprise Resource Planning)として位置づけられている上位の経営情報システムなどへデータ提供します。石油精製、石油化学、化学、製鉄、紙・パルプ、エネルギー、製薬、食品などのプラントを主な対象とするシステムで、年々世界のプラント市場で採用数が増えており、今後の成長が期待されています。
システムビジネスにおける当社の事業展開
当社は、従来制御システムメーカーに求められてきた機能の枠を越えて、ユーザーに対してより幅の広い製品・サービスを用意し、最適なソリューションを提供していくため、新コンセプト「Enterprise Technology Solutions」を提唱(本年7月16日発表)し、アライアンスや買収を含めたシステムビジネスにおける新体制の構築を積極的かつグローバルに展開中です。
具体的には、企業情報管理システムの世界トップ企業であるSAP社からインプリメンテーション・パートナーの認証取得、プロセス制御における高度制御パッケージソフトでは世界トップシェアの米国アスペン・テクノロジー社との販売提携(*)の締結、また三井東圧化学との合弁によるオメガシミュレーション社の設立でプロセスシミュレータ分野への進出、さらにはプラントのセーフガーディングシステムにおける世界的なリーディングサプライヤーであるオランダのGTI-IA社の買収など、最近の事業展開はどれも新コンセプトに基づいています。
- (*)アスペン・テクノロジー社も同様のプラント情報管理システムInfoplus.21を提供していますが、今回の買収により、当社はこの分野において、顧客の多様なニーズに対し、より幅広くフレキシブルに対応できる体制が確立しました。
今回の「Marex社」買収も新コンセプトに沿った展開であり、当社は、この買収により、プラントの高度制御、シミュレーション、安全計装などの各種プラント運転支援システムに加えて、新たにプラント情報管理システム(PIMS)分野に進出することになり、顧客に対しより広範囲で最適なソリューションを提案、提供するための当社グローバル体制はより充実してきました。