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アニュアルレポート2011

2010年度の世界経済は、欧米では経済の回復傾向に鈍化が見られたものの、新興国、資源国の継続的な成長に支えられて総じて堅調に推移しました。一方、日本経済は、年度前半は回復傾向を見せていたものの、後半は円高や東日本大震災の影響により、景気の先行きに対する不透明感が強まりました。こうしたなか、制御事業では、海外で石油・天然ガスの探査・開発・生産工程であるアップストリーム分野や、新興国で需要が拡大している電力市場に注力して事業拡大を図るとともに、国内ではサービスビジネスの拡大や新市場への進出などに取り組みました。また、計測機器事業では、省エネルギー市場向けの電力計や光通信市場向けの光測定器の拡販に努めました。これにより、円高の影響を受けながらも、受注高は前年度に比べ189億円増加し3,341億円、売上高は90億円増加し3,256億円となりました(円高の影響を除いた増加額:受注高317億円 売上高212億円)。営業利益については、売上高の増加に加え、固定費構造の改革など企業体質強化の施策を実施した結果、前年度に比べ85億円増加し111億円となり、経常利益については84億円増加し86億円となりました。
当期純損益については、前年度に比べ81億円改善しましたが、投資有価証券評価損、拡大セカンドライフ支援制度や希望退職者募集に伴う事業構造改善費用などの特別損失を計上した結果、67億円の損失となりました。3期連続での損失となったことを、経営者として重く受け止めています。
当社グループは、2009年度と2010年度を「次なる飛躍に向けた構造改革の時期」と位置づけ、固定費の削減と事業ポートフォリオの見直しを二本柱とするアクションプランを実行してきました。
固定費削減のアクションプラン
固定費の削減については、主に計測機器事業の研究開発費や設備投資の絞り込みによる減価償却費の削減、業務効率化による販売費・一般管理費の削減など、数々の施策を実行してきました。これらの取り組みの結果、当初計画340億円を上回る560億円の固定費を削減し、損益分岐点売上高については、当初計画3,500億円よりさらに引き下げ3,090億円を達成することができました。

事業ポートフォリオ見直しのアクションプラン
事業ポートフォリオの見直しについては、制御事業へのリソース集中、基盤技術としての計測技術の維持・発展、不採算事業からの撤退を基本方針として取り組んできました。この結果、フォトニクスビジネスとアドバンストステージビジネスからの撤退、脳磁計ビジネスの縮小、半導体テスタビジネスの縮小と分社化、測定器ビジネスの子会社への統合などを行い、制御事業を中心に発展する体制がほぼ整いました。

3月11日の東日本大震災では、東北地方の営業・サービス拠点で什器が倒れるなどの被害があったものの、日本国内の主要生産拠点は東京都と山梨県にあることから、直接的な被害はほとんどありませんでした。当社のお客様のなかには被災されたお客様もいらっしゃいましたが、2010年度の当社の業績に対する影響は軽微でした。
当社は、被災されたお客様のプラントの復旧支援に努めているほか、被災地支援としてグループ全体で約7,000万円の義援金を寄付しました。また、非常用に備蓄していた医療用マスク2万枚、使い捨てガウン500枚、消毒用アルコールジェル600本などの衛生用品も提供しました。
2011年度は、まず構造改革の積み残し事項を完遂します。具体的には、フォトニクスビジネスの撤退完了と相模原事業所の有効活用、半導体テスタビジネスにおけるアライアンスの実現です。これらを実現することで、制御事業を中心に発展するための経営基盤が整います。
このほか、重点施策として、震災の影響による電子部品の調達懸念や電力使用制限などによる事業リスクの最小化に取り組みます。部品の調達については徐々に状況が改善しており、また電力使用制限に関しても、就業日や勤務時間の変更により対応し事業への影響は軽微なものにとどめられる見込みです。2011年度の業績予想については、5月13日の2010年度決算発表時点では合理的に算定することは難しいと判断し未定としましたが、8月9日の2011年度第1四半期決算発表時に公表しました。
事業面では、制御事業において、石油化学、化学、石油、ガス、電力などの業種や、中国、インド、東南アジア、南米、中東、アフリカの新興国、資源国など、規模が大きく成長が予想される市場に注力するとともに、再生可能エネルギーや省エネルギーの分野にも積極的に取り組み、事業拡大を図ります。また、国内では被災されたお客様の復興支援を中心に取り組んでいきます。

当社は、ステークホルダーの皆様からの信頼にお応えし、健全で利益ある経営を実現するため、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいます。取締役会は、7人のうち3人が経営陣から独立した社外取締役、監査役会は5人のうち3人が社外監査役で構成されています。社外取締役、社外監査役の方々には、豊富な経験や高い見識に基づくさまざまな提言や助言をいただいており、経営の妥当性、客観性、透明性を高めるうえで大変重要な役割を果たしていただいています。
当社は今後も、コーポレート・ガバナンスを一層強化するとともに、コンプライアンスを最優先とする企業風土の醸成に取り組み、皆様にご信頼いただける経営を目指してまいります。






